暁の挑戦の作品情報・感想・評価

「暁の挑戦」に投稿された感想・評価

大正時代の川崎
河川工事を巡るヤクザと土方職工たちのケンカの話
川崎市商工会議所が協力している
製作に入っているのかもしれない
とにかく長い
話が一本にまとまらない
群像劇と見るべきか
ガラス職人若林豪と
博打で身を崩し妻に逃げられた流浪の土方中村錦之助
やたらとかっこよく描かれているヤクザ渡哲也
主に三人のドラマで進行する
土方とヤクザのケンカというか抗争が大きくなり
鎮圧のため軍隊が出動する事態となり
ひとつの事件として歴史に残ることになったようだ
といってもテーマ性が薄く事件を紹介するだけのところで終わっている
ちょっと異色なのが市長が土方に協力し暴動に加わっているところである
ある種の政治批判になっている
ラストはなかなか壮観
土方とやくざの対決が始まろうとしているところに
芸者やら職工やら川崎の市民が続々と押し寄せ、そこに軍隊まで加わり
全員でやくざを取り囲み
やくざの暴力を市民全員で排除するところで終わる
「昨日ある人が僕に言った。『市長、あなたは汚い事に関わり合いすぎる』と。しかし汚い事に鈍感になって見逃してしまう様になってはいけないんだ」

2000人近いヤクザと土方が日本刀や大砲で争い1500人の警官と憲兵が出動して2名死亡、逮捕者400名を出した大正14年の鶴見騒擾事件をモデルにした映画。

火力発電所工事受注をめぐる博徒と土建業者の言わば縄張り争いなのだが、映画は労働者や市民を暴力で支配するヤクザと土建業者、市民、警察の戦いになっていて大分史実とは違うみたいだ。

古いヤクザが敗れて川崎市が工業都市として発展していく契機になったのは間違いなさそう。

法定賃金より高い給料でひとを雇い実際は給料を現金がわりの木札で渡して賭場で散財させる。スト破り、売春斡旋とやりたい放題。

正当な競争入札の結果を受け入れないで市職員を拷問して殺害。渡哲也のヒール役が強烈。

史実では、ヤクザ対土建業者の大規模な殺傷事件になるのだが、映画はヤクザ対市民の構図になる。史実とは違うけれど数百人の市民が市長を先頭にヤクザ達を取り囲むラストは胸が熱くなる。

製作がフジテレビと新国劇。川崎市と川崎市商工会が後援。スタジオは日活。俳優は、新国劇、日活、松竹と様々。監督は日活アクションの舛田利雄。配給が松竹系という珍しい映画。映画会社のカラーに染まっていないユニークな映画。

橋本忍、池田一郎、國弘武雄の共同脚本。内田良平さんと渡哲也さんの決闘場面、木村威夫さんのセットが流石の美しさだ。

酒が入ると強気になる市役所職員を演じた財津一郎さんの名演技。倍賞美津子さんも叶わぬ愛に苦しむ切なさを好演。萬屋錦之介さんも相変わらずかっこいい。錦之介さんは年を取っても少年らしい青臭さがあって無鉄砲な役ならうってつけだ。

「市長さん、俺は引かねえよ。俺が手を引いたら日本から博徒ってものが消えちまうからな」不敵にうそぶく親分は寝たきりだ。

「俺が負けたんじゃねぇ。時代が変わったんだ」この映画から3年後「仁義なき戦い」シリーズが始まる。暴力が社会を裏から支配する。そんな時代の終わりが始まったんだな。
キャストだけ見て、この時期にいくつか作られた「スター競演モノ」なのだろうと思っていた
だが、実際に観てみると各キャストの描き方は驚くほど均一的だ。主役のはずの中村錦之介も碌に活躍しない。
『子連れ狼』を先取るかの如く赤ん坊を背負っているが、さほどドラマに機能しているわけでもない。
また、渡哲也との決戦に妻の敵討ち要素も絡んでくるが、ここも任侠映画的な消化はされない。
じゃあ若林豪が何か凄いことをするのかと言うとそうでもない。
2人とも任侠的なヒロイズムは極力抑えられ、アジテーター的な役割に終始していた。

ところが、排したはずのヒロイズムを一手に背負っているのが悪役の渡哲也だ。
それも、『仁義の墓場』みたいなキ○ガイではなく、冷酷かつ理知的な正統派の悪役だ。
着流し姿&長ドスで向かってくる敵を、クールなスーツを着こなしつつ拳銃で返り討ち。
まさしく新時代の悪役という感じで格好良い。
外道且つ華やかに悪行を重ねる姿を観ていると、錦之介達はほっといてこっちを映してくれ!と思ってしまう。
そして主役パートに戻ってまた退屈するという…いや退屈しちゃダメだろう。

この映画、作品自体の歴史的価値はあるのだろうが、全体的にはさほど面白くなかった。
災害シーンは結構インパクトがあったのだが、肝心の錦之介や若林豪のパートがいまいち盛り上がらない。
だが、渡哲也が凄まじい格好良さが映画の魅力を5割増しぐらいにしている。
寂々兵

寂々兵の感想・評価

3.9
「この役者にこういう見せ場を用意しよう」というアイデアを次々と採用していった結果、松竹でも東宝でも東映でも日活でもなく、任侠と実録と社会派がうまいこと共存してしまったカルト映画。長いがまあ面白い。渡哲也の悪漢ぶり、親分を気遣う義侠心、矜持を残しつつ敗北を認める潔さ。侠客伝を期待して140分耐えた老人たちを地獄に突き落とすラスト。
「仕返しは後だ」「待つって言っただろう」などの意思の固さから昔ながらの男の格好良さ溢れてた。個人的に顔濃い人が好きだからやはり一昔前の作品には顔濃い男前が沢山出てて見てて楽しい。そして終わり方が良い。結末分かりきってるけど決着まで見せないあの絶妙さ。
moku

mokuの感想・評価

3.0
特に印象的だったのは、悪役 渡哲也のダークなカッコよさ。酒乱の市職員 財津一郎のかわゆさ。島田正吾vs辰巳柳太郎、新国劇二枚看板対決。萬屋錦之介の使い方…なんか勿体無いね。
豆

豆の感想・評価

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このレビューはネタバレを含みます

仲代達矢が出てきていきなり切腹してしまいびっくりした。併映が「白と黒」だったので、前回の仲代にそれだけ行動力があれば「白と黒」は短い映画になっただろうかと思わせる。オープニングクレジットを見ながら、特撮どこで使うの?え、すごい出演者豪華?何映画?という次々と浮かぶ疑問をばったばったと投げ倒すように展開。異種混合。素材がいきているが、まとまり感・重みはゼログラビティ。
タイトルクレジットで舛田利雄監督と知って悪い予感がしたらその通りに。
隣で観ていた老夫婦が「終」の文字が出てすぐに口走ってしまった「長かったね…」という感想に尽きる。

でも見所ゼロではなかった。
まずは川崎市がどうやってガラの悪い発展を遂げたのかを描いているところ。
まだ可愛らしさでコメディ演技を魅せる中村錦之助。
どう考えても金のためにやっているとしか思えない仲代達矢。
佐藤慶が喋る時だけおっかない効果音をかぶせる狂った演出。
監督お得意の統率感ゼロのモブシーン。
大切な通話中に電話が断線を起こして緊張が走りしばらくして復旧、それが何かの伏線になるのかと思いきや単なる断線だったというドッキリさせるためだけのドッキリ。。などなど。

そうやっていろいろ思い出すと、素人目にも尺は三分の一くらいに短縮出来ると確信してしまう作品。

私が子供の頃の舛田利雄監督のイメージは大味な大作ばっかり撮る人。今で言うと堤幸彦監督みたいな感じでしょうか。そういう意味では本作は監督らしさが非常に出ております。
buccimane

buccimaneの感想・評価

4.0
かなり渋かった。ラストシーンの気高さよ。
最後の渡のセリフは結局ドンパチで終わらなかった映画についても含みあり。
ニッカを長靴にインするスタイル渋かった。
あと四の五の説明なしにストーリーのコク増す倍賞さん。
でも市長だったら警察や軍を動かして正規の業者をガードしろって思ったけど
シネマヴェーラ渋谷の橋本忍特集にて…

今日もあの綺麗な受付のお姉さんいたなぁ。
日本人離れしたスーっとした鼻…すいません、このくだりはもう良いですね。

一応こっちの映画が見たくて足を運びました!

横浜市鶴見区で起きたという「鶴見騒擾事件」を川崎市に置き換えて描いた『暁の挑戦』!!

この映画最近までフィルムが紛失していて幻の映画になっていたようです。(VHS含めて未ソフト化)

1971年の作品なので、若林豪とか倍賞美津子とか当然みんな若くてギラついている。
そんな中、圧倒的な存在感を放っているのはやっぱり渡哲也さんでした!!今作では完全なる非道な悪役!!この人『仁義の墓場』とかでも分かるように外道の方が似合ってる気がする。

ストーリーは公共工事の利権争いを巡って、ヤクザと土方が激突するお話なんですが…面白いんですけど、まぁ長いですよねぇ。。かなり長い!

それでも終盤から抗争が激化してくると面白くなっていき、クライマックスシーンは圧巻!実際にもあんな風のなったのかは不明ですが、再現なら鳥肌モノですよね。

追い込まれた渡哲也さんの顔が寄ってきて、何か凄い事言いそう…と思ったら個人的にはあまりピンとこない最後のセリフでした。

名作!とはハッキリ言い難いですけど、絶対DVD化はすべき作品であることは間違いありません!!
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