脚本が橋本忍なだけあって、なかなか成瀬っぽくない。当然とも言えるか、題材もかなり社会的なだけあって、他作よりも視点がマクロな気がした。
戦後日本で、庶民が遭遇した閉塞感漂うその実景が伴うと、彼らのい…
成瀬作品と言えばお金と嫁姑問題だと思っているのだけど、今回もそれはばっちり入ってるが結構毛色が違った。脚本家の影響だろうな。
淡島千景さんの出演されている作品を何作か見ているが、本作が一番美しく撮…
農地改革などの社会問題を扱いながら、時代に取り残された価値観を同情的に描いた作品だった。何もかもが新しいものに取って代わられる時代で、過去へのノスタルジーが蓄積していたのだと思う。本家の当主も元々は…
>>続きを読む淡島千景と木村功が部屋に入るまでに襖を二つ閉じる。部屋には夕陽がさして明暗のコントラストが鮮やかだ。部屋に入った木村が外障子を開けるとそれを淡島が閉じ、障子の腰位置にあるガラス部分で二人が抱擁する様…
>>続きを読む【日本の農業危機は昭和30年代に始まっていた】
成瀬巳喜男の昭和33年の映画だけど、最近になってシネマヴェーラの成瀬特集にて初めて鑑賞。
成瀬の映画は、やはりそれなりだなと痛感。
舞台は厚木。今…