単なる史実の映画化を遥かに超えて見ること自体の喜びがある。
照明と編集のシャープさ、視覚的演出の個性というのもそうだが、これが映画館についての作品でもあるからか。教会、病院など様々な場所で人々はスク…
夜間での照明の妙
閉鎖的な室内と、屋外の解放
鉄柵と雪
ベッド下を逃げ回る子供、それを追う望遠
壁に映る窓と雨の影
続く、無言の遣り取りと、一連の移動撮影
涙を流しながら、質疑を続ける女の顔を正面に…
感情表現に凄まじいものがある。激しく身体と顔、声で表現している画面が"動"のときの感情は、誰が撮った映画でも見れば観客は分かる。しかし、この映画は画面が"静"のときでも内に秘めた"動"の感情が痛いく…
>>続きを読む映画と歴史(現実)はどちらかがどちらかに追従するのではなく、厳しく対立しあうのだというベロッキオの意志が映画全体にみなぎりまくっていてまあ凄まじい。絶えず怒りに動き続ける人間を撮らせたときの瑞々しさ…
>>続きを読む愛の狂気、ではあるけれど、ここまで純粋になれる女はほとんどいない。その一途さがとても怖い。
私だったらあんな地獄には生きたくない、と思った。自分はあんな風に真っ直ぐにはなれないのだろう。そう思うと、…
イーダ役のJ.メッツェジョルノの演技が素晴らしい。魅力的でエロティックな前半、気が狂ったかのようにムッソリーニの妻であることを訴え続けた中盤、精神病院での後半。イーダの波瀾万丈の人生を体現してた。
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