北京的西瓜(ぺきんのすいか)の作品情報・感想・評価

北京的西瓜(ぺきんのすいか)1989年製作の映画)

製作国:

上映時間:135分

ジャンル:

3.6

「北京的西瓜(ぺきんのすいか)」に投稿された感想・評価

まず本作、国が推薦してるけど、助け合いなさい、民間人同士で..って事よねハハ

海外の人が日本人は親切だなんて言ってるのを聞くと、例えばそれは道を尋ねた時に、何なら目的地まで付いてきてくれたりする様な人物がいたりするからなんだろうが、その行動原理は所詮、ガイジンに声を掛けられ(時間を共有し)たという物珍しさ(エピソード取得)と舶来コンプレックスによるものでしか無いと自分なんかは訝しんでしまう訳で、なので本作におけるベンガルの中国人留学生に対する無償の親切心には、些か抵抗というか受け入れ難いものがある。
他人への過剰な奉仕によってベンガルの家庭が崩壊していくという展開はあるけど、そこは因果関係の問題であって
そこに至る心情描写は絶対に必要だと思うし、日中友好という漠然としたものに何となく引っ張られるのもまた日本人らしくもあるとも言えるが、そういった部分のリアリティは映画に落とし込むべきでは無いと自分は思う。互助精神は無条件にしてあるものだからといってツルッと表現されては困るのだ。
とまぁ映画を通しての語り口は非常にいけ好かないが、もたいまさこの薄幸頑張り屋かつネアカな母親像と顔面の威力(計2回のアップが効いた)が自分の奥底に辛うじて残っている普遍性と気の良さを揺り動かし、結果エエもん見たなぁと(どないやねん)
また、現実を知る為に斜めに見るという事はそれ自体何ら価値のある行為ではないし、そこで満足しているのなら何ならとても惨めなものなのかも知れない...などと本作の清らかさに触れ襟を正す思い。
不良な映画観て溜飲下げるのも程々にしなくては(多分ムリ)
obao

obaoの感想・評価

4.5
@シネ・ヌーヴォ
いやはや、すごいものを観た感。
セミドキュメンタリーを装い、演者たちが自由気ままに…同時に喋る。その台詞を観客が聴き取れるかどうかなどおかまいなしに。
そして、天安門事件の発生により中国での撮影ができなくなったことを逆手に取り、監督の怒り(撮影ができない怒りではなく、天安門事件そのものへの怒りであろう)をベンガルの口を借りて観客に伝えるという驚く手法も。
実験的な映画から始めた大林監督らしいものでした。

《情けは人のためならず》

中国人留学生を思い、自らのことを疎かにしてまでも彼らを支え続けた「八百春」のお父さんの実話をもとに構成された人情ドラマ。
文句を言いながらも彼らに頼られるとイヤとは言えないお人好しをベンガルが好演。奥さんやくのもたいまさこさんも素晴らしく、ふたりの掛け合いが面白かった。

人のために何かをすれば、つい見返りを考えてしまう…現代の世知辛さを恥ずかしく思うほどに、下町の人情。人の優しさを感じる。

手法も内容も…感動しました。
傑作!

【大林宣彦映画祭】にて
猫

猫の感想・評価

3.8
初見だと思い込んでいたが、その昔TVで観ていた😅
でもスクリーンでは初鑑賞。雪のせいか貸切、ありがとうございますm(__)m

始終、もたいまさこ(妻)の立場で観ていたような気がする。だってベンガルの事、私は途中、許せなかったもん。
それでも、夫婦。
映画の妻は、何とか自分の気持ちをやりくりしながら
夫の気持ちを尊重して見守る。
できた奥さんだよ、ホントに。
それだけではベンガル(お父さん)の立場がないから言葉を添えよう。
困っている人達を助けようと思い行動できる姿は立派。
映画はそれを
純粋な善い話としてだけで描いているのではなく、慕われる気持ちよさのエゴも描いている。
そしてさり気なく文化の違いも。
言いたい事も。
もたいまさこに、勝手な事をして
すまない、と謝るベンガルの姿は
監督自身が奥さんに言っているようにも聞こえた(笑)

笑いや親切は、伝わり、お返し(必ずしも、その本人にではなく)される。中国の言い伝え
"人から受けた一滴の水は
湧き水にして返せ"(不確かです)という言葉。
国が違っても、人間の本質は同じじゃないか…
そして八百屋のお客さんが言う
「彼(彼ら)は当たり前の事をしただけだよ。今は世間の方が当たり前じゃなくなってきているんだ」
これは、1989年公開映画の中の台詞。
30年近くたった現在は
もっと
当たり前が乖離しているのではないかと…危惧する。

 2018.01.26 刈谷日劇にて鑑賞
傑作。自然的な会話と日本的なやりとりが心地いい。内容はまさに私の苦手とする『素晴らしき哉、人生!』であるが、本作はどこか苦さを残しつつも温かくコミカルに描いていたので楽しめた。異国間交流というテーマが良いアクセントになっていたのかも。終盤の演出には虚をつかれた。映画というより記録っぽいな、と。そして時に現実は映画を超える。というより映画が現実に追いつかないのか。自主映画出身の大林監督らしい実験的な演出である。
そこまでとてもよいだけに、そこからの転調に、フィクションが現実に振り回されてどうすんのと当時は興醒めしたものだけど、今となっては立派な歴史の証人。今こそ見たい、見て欲しい。
映画男

映画男の感想・評価

4.0
良い映画やな〜。

八百屋の親父と中国人留学生の交友録。

これ観て中国人のこと前より好きになった。

演劇界で活躍する熟練の役者たちの芝居を堪能できる、これも良い。
しの

しのの感想・評価

4.0
新文芸坐の大林宣彦映画祭にて。

もたいまさこ理想の人間過ぎる。ラストのトンデモ展開はわたしは好きだなあ
mingo

mingoの感想・評価

3.8
もたいまさこ、わかっ!どこまでいってももたいまさこ。ベンガルとの夫婦良すぎか。
印象的だったのは街や人々の雑音がこれでもかと聞こえてくる。どの会話が大事な台詞なのか分からないくらいみんながしゃべっている。時代が良すぎてもうタイムスリップしたすぎた。80〜90年代の人の豊かさ今と比較すると別次元異常だろ、平和そのものか、、、
やはり本作も大林節炸裂!撮影中に天安門事件が発生したことにより撮影スケジュールの変更を余儀なくされ、劇中で事件に対する抗議を込め37秒間の空白場面が挿入されている。これにはビックリしたが、その後の飛行機の演出もにくい。大林の映像表現っていつも斬新で、映像で語ることの面白さ、こだわりがとても好き。優しい優しい映画。
もたいまさこが眼鏡を外して顔にクリームを塗るシーン。
美男美女ではない中年ばかりが飲んだくれる居酒屋のシーン。
終盤に皆が集まる場で夫婦が並んでぎこちないスピーチをするシーン。
あたたかい。
人と人との間には何があるんだろう。
つながりでしかない。
たぶん。
そう願うよ。
そこにあるのは希望。
小さくても、どこかにあるそれを、強く願う。

もたいまさこと木野花が並んだ画面って最強だなと思った。キンチョーコンビか。
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