子連れ狼 三途の川の乳母車の作品情報・感想・評価

「子連れ狼 三途の川の乳母車」に投稿された感想・評価

三隅監督×小池一夫。今回は柳生鞘香と明石柳生、鉤爪三兄弟が相手。砂丘のクライマックスは殆ど香港映画。頭蓋唐竹割りを実写でやろうとは!お色気過多な作品を大哥が板についたストイックさでうまく締めている。
daiyuuki

daiyuukiの感想・評価

4.7
虚無僧が抜刀しながら宙を駆る。一刀「柳生か!」斬り込んでくる虚無僧。それをはずし上段から叩き斬る一刀。天蓋が両断され宙に舞う。虚無僧の頭部に一刀の銅太貫がくいこむ……。元公儀介錯人、拝一刀(若山富三郎)は今日も、大五郎を乗せた箱車を押して流浪の旅をつづける。拝一刀殺害に失敗した、黒鍬小角は明石柳生の女指南役、柳生鞘香(松尾嘉代)に一刀殺害を依頼する。鞘香を首領とする別式女八人の一刀襲撃が開始される。百姓女に扮した四人。小川の底に四本の白刃が沈められている。また女角兵衛獅子に扮した二人もトンボを切りながら一刀を襲う。それらを次々と斬り倒す一刀。水鴎流新馬刀を駆使する一刀の敵ではなかった。が、一刀も傷つき川原の小屋に倒れる。「ちゃん……」大五郎は健気にも、一刀の唇に自分の手をつけた水を浸すのだった。外を吹く強い風の音。その時、軽快な太鼓の音が風にのって聞こえてくる。大五郎はその音に引きつけられ、小屋を出る。復讐の念に燃える黒鍬衆の罠である。大五郎は捕われ、井戸のつるべに釣るされてしまう。黒鍬小角は、大五郎の命を助けたければ降服せよとせまる。「殺したくば殺すがよかろう!だが何のためになる……権謀術策を弄し一門の繁栄のみを願う柳生への忠義だてなのか……」冥府魔道に生きる父と子、宿命の刺客に生きる父を大五郎は、死を覚悟したかのように見詰めるのだった。黒鍬衆はこの恐しいまでの父と子の肉親愛に愕然とする。その間隙をぬって一刀は見事大五郎を救出し、黒鍬衆を全滅させた。拝一刀に刺客を依頼したいと願う者は、魔道の護符を街道沿いの神社仏閣に貼り出すことになっている。今日は、阿波藩からの刺客の依頼を受ける。「事情は全てお聞かせ願おう」冷たく言い放つ一刀。幕府より阿波藩の浮沈を賭けた阿波藍の秘法を知る幕屋忠左衛門を奪う為派遣された公儀護送役、弁・天・来の三兄弟を殺すという仕事である。阿波へ向う渡海船の中で一刀は初めて三兄弟と出会う。ところが船火事が超こり三人は巧みに海へ逃れる。一刀も又、長巻を使って大五郎と共に猛火の中をかいくぐり海へ逃れる。やがて、三兄弟は、幕屋忠左衛門の奪取に成功して砂丘を江戸へ向うことになった。砂の下に潜んでいた阿波藩家臣が不意をついて襲撃するが、弁馬の手甲鉤、天馬の棍飛、来馬の鉄拳に次々と倒されていき、やがて全滅。浜風が砂を舞い上らせる。と、その向うに遠く黒い人影が浮びあがる。「やはり来たか!」弁馬が低く強く言い放つ。「まいる……」一刀は胴太貫を抜き放って砂地を蹴り、三人に向って突進した……。
若山富三郎主演の「子連れ狼」シリーズ第2作。
シリーズものは第2作からが面白いというお約束通り、冒頭での一人が犠牲になり相手が油断している隙にふたり目が襲う「ジェットストリームアタック」で攻撃してくる虚無僧二人組と一刀のバトル、アクロバティックな動きで襲いくる別式女と一刀のバトルではギミックを積載した乳母車と斬馬刀や胴太貫を駆使した一刀のソードアクションが冴え渡り、クライマックスの一刀と弁天来三兄弟のバトルでは凄まじい技と技のぶつかり合いが味わえ、手加減なしの人体解体スプラッタ描写がパワーアップしたバイオレンスチャンバラアクションが楽しめる。
一刀親子と鞘香の敵同士が体を温め合う中で心通わせる、小池一雄特有の「非情な生きざまをする者の非情になり切れない情」を描く名シーン。アクロバティックなスプラッタバイオレンスチャンバラアクションと「非情の中の情」を描くドラマの組み合わせが絶妙なシリーズ第2作。
最高傑作と名高いシリーズ第二作目。
一作目でキャラクター紹介がすんだので、本作ではアクションスプラッター要素が増し、個性豊かな刺客たちが親子の命を狙って次々と襲いかかってくる。
なかでも恐ろしいのは、最初の刺客として襲ってくる二人組である。遠くから走ってきた男が拝一刀の初太刀を頭で受け止めて、刀身を両手で掴み刀を無力化して合図をおくると、その男の背後からあらわれた二人目が、死にゆく仲間を踏み台にして飛びかかってくるのだ。ジェットストリームアタックだ。一人目は死ぬことが前提の悪魔的な作戦である。敵たちは、命を落とすことが当然かのように、地獄へと命を投げ捨てていく!
最後の刺客として登場する手甲、鉤爪、金棒をそれぞれ武器とする編笠の三兄弟も強い。彼等は砂丘のなかに潜んでいる侍たちの気配を察知し、事前に奇襲を見破り、これをすべて打ち倒してしまう腕利きである。ここで、彼等の見せ場を作っておいてから、颯爽と拝一刀が登場し、刃を交える因縁の決闘となる。
これをみて感じたのは、時代劇において死に際の台詞はやはり必要で、斬られた人間が長々と言葉を続けるなんておかしい描写ではあるんだけど、そのような嘘こそ演芸の醍醐味だということ。斬り合う前、相対した時に一言二言と言葉を交わせば、それが死に様となる者もいれば、首を斬られても粘り続ける奴もいる。それが時代劇だ。
監督の三隅研次は、これと同じ年に勝プロの映画を4本も撮影していているが、多忙ななかでクオリティを落としてはいないどころか、そのどれもが以前に増して強烈な視覚的インパクトを残すものばかりになっている。
シリーズの魅力はなんと言っても、若山先生の高い身体能力から繰り出されるアクションスプラッターだ。躍動感のあるアクションと、刀身が光り、水溜まりが光り、泥と垢にまみれた役者の顔までも光る三隅演出は、なかなかどうして相性がいい。血飛沫をあげて倒れ伏す外道ども、それを背に、刀をくるっとまわして腰の鞘におさめる富三郎の殺陣の鮮やかさ!ピカッ!ドシュ!納刀である!
過剰な方向に進化する三隅研次。小池一夫が持ち込んだキャラクター理論。製作資金に糸目をつけない勝プロ。いまだにマカロニがやりたくて仕方ない富三郎。戦後から続いてきた映画産業の形態にいよいよ無理が生じはじめた時期に、様々な無茶が重なったことによって生まれた作品だ。
若山富三郎の拝一刀は、日本型プログラムピクチャー量産体制の最後の輝きのなかにいる。
いとそ

いとその感想・評価

4.5
スプラッタ具合がさらに増してるけど悪趣味にはならないあたり、三隅監督の映像美なんでしょう。血が出るわ出るわ、肢体はバラバラになるわ、それでもなお美しい。若山先生は殺陣に謎のヌード披露にと相変わらず大暴れ。武装乳母車も大木実や岸田森のアイテムも、時代劇というよりむしろ特撮の趣がある。
大好き。
ストーリーはほぼなく、次から次へと現れる敵を殺して行く痛快アクション。
テンポの良さが異常。拝親子冥府魔道爆走。大五郎もついに人を殺める

ジェットストリームアタックから始まり、忍者をちょっとずつ切り刻んでダルマにするくノ一集団、襲撃のタイミングおかしすぎて全く奇襲にならないくノ一集団、棒高跳びする若山先生、大五郎に乳首いじられて刀を置くさやか様、潮干狩りする鉤爪の人と見所満載。
でも1番の見所は大根かな。
〇'72 4/22〜公開→
〇'08 12/19 DVD-BOX 『〜 二河白道の巻(第一作〜三作+特典ディスク)』に収録
〇'08 12/19 DVD発売及びレンタル→
〇'13 11/8〜'14 12/25 廉価版DVD〈期間限定プライス版〉発売→
〇'17 12/13〈廉価版DVD東宝DVD名作セレクション〉発売→
●'17 4/3 23:00〜WOWOW『日本映画コレクション 「子連れ狼」全6作一挙放送』→
〇'17 5/22 11:05〜 WOWOW 再放送
配給: 東宝→
発売元及び販売元: 東宝
ワイド(シネスコ)
モノラル
'18 6/25 録画したブルーレイを観賞
1080i
1.0ch
※シリーズ第2作
上映時間: 1h21m08m

(初公開時同時上映:
「新兵隊やくざ 火線(シリーズ第9作)」)
Amateras

Amaterasの感想・評価

4.0
ここ数時間のベスト!
よし次はまともな映画を観よう、と思える偏差値低めの人たちによって製作された映画。
シネスコ画面いっぱいに広がる刀身が美しすぎ!!!

弁天来のキャラ造形も素敵。
『子連れ狼』の二作目。前作のように拝一刀のバックグラウンドを描く必要がないので、最初からアクセル全開である。しかも前作よりもバイオレンス描写がパワーアップしており、男女関係なく刺されるわ切られるわ手足が飛んでくわで、僕が観たことある映画の中でも随一の過激さである。しかし、そういうシーンもセンスが光っていて、ただグロいだけではなく映画的にとても映えているのだ。この言葉にできない独特のセンスこそが『子連れ狼』の魅力と言えるだろう。また、若山富三郎の殺陣の美しさは言わずもがなで、よくあの体系であんな動きができるなと感心する。

まぁ、ぶっちゃけストーリーはあってないようなものだし、ぷぷぷと笑ってしまうようなシーンが盛りだくさんではある。しかし、観終わった後には「かっこよかったな〜」というため息が漏れてしまうのだから、なんとも不思議な映画である。
小森

小森の感想・評価

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虚無僧刺客の頭カチ割りシーンからしてテンションが上がる。くノ一軍団も容赦なくバラバラにするチャーンは真の男女平等を体現していると思う。基本優しいし。とにかく前作の倍面白かった。鉤爪も出る!