若い僧侶の生い立ちから屈折した愛、
そして最期は敬愛していた『金閣寺』が、憎らしい存在となり、放火するまでの経緯が生々しく、時に淫靡な情景で描かれる。
実話に基づきながらも、
三島由紀夫の世界にい…
「滅びの美学」を紡ぐ三島由紀夫の名作の映画化である。
戦中から戦後へと時代の価値観が急激に変貌する時、それに適応出来ない人々が一定数存在する。
それが溝口のように、本人の過去のトラウマと合致した時に…
解釈の幅が広くテーマの取りようによっていくらでも構成できるむしろ映画向きな原作だと思う。ただしだからこそその多相性を散りばめてわけのわからないものを作るのならともかく、原作でのテーマですらない単なる…
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