のどかな田舎の牧場が舞台の素朴なメロドラマだが、随所に戦後特有のペーソスが滲む良作。
『カルメン故郷に帰る』なんかもそうだが、日本とは思えないような見事なロケーション撮影が印象的だった。
初期作だが…
男の失恋映画。兄妹で木陰の下で休んでいるシーンや美子が布を振り回しながら丘を駆け下るシーン、甚吾が少年のほっぺをつまみながら涙を流すシーンなど、切り返しや細かいショットの繋ぎ方が独特で面白く、感情を…
>>続きを読む甚吾は血の繋がりのない妹、美子に想いを寄せていたが、彼が戦争に行っていた間に美子には婚約相手ができていた。人々が踊り歌い、馬を走らせるのどかな牧場の風景が綺麗。その頃はOKとされていたのだろうけど、…
>>続きを読む血の繋がりのない兄妹。兄はある祭りの夜、想いを告白しようと決めるが…
日本昔話を彷彿とさせる始まり方。
孤独な戦地で妹からの手紙を受け取るたびに気持ちを深めていったのだと考えると切ない。
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46年、モノクロ、スタンダード。木下恵介監督。
牧場の広い景色を生かして、ロングショットや、画面を人物や動物が横に移動したり、縦に移動したり。カット割や切り返しで被写体に近寄っていく。とても丁寧で…
僕は担架で運ばれながら、其の時はもう意識も朦朧としていたんですけども、それでもあの青い空の色だけは判切と覚えているんですよ。あの色に魅入っていたら傷の痛みなんか忘れて仕舞って、沁沁と安らかな気持ちに…
>>続きを読むこの時代の映画にしては非常にロケが多く、敗戦から1年足らずの日本の山村の風景が新鮮。ネオリアリズモみたいなタッチと陽気な音楽(ミュージカルみたいなシーンもある)はいささかちぐはぐだが、それが却って面…
>>続きを読む松竹株式会社