BSで放送していたので録画して深夜に鑑賞。
まぁ、勇気は買う。
あの日本を代表する作品のリメイクに果敢に挑んだのだから。
2007年の12月に東宝系列のお正月映画として公開された本作。
東宝のお正月映画の顔として人気を誇っていた「ゴジラ」「モスラ」の怪獣シリーズに終止符が打たれてしまい 今後この枠をどうするか悩んだ末の『黒澤リメイク』だったのだろう。
毎年 織田裕二主演で黒澤作品を正月にリメイクするつもりだったのかなぁ?
あゝ 恐ろしい!
今回限りで終わってくれてホッとしました(笑)。
とある社殿の中で9人の若侍たちが上役の汚職について密談していると一人の浪人が姿を見せる。
密談を盗み聞きしていた浪人は陰謀の黒幕を見抜き 悪者の手先から若侍たちを逃がす手助けをする。
それが縁で浪人は彼等の助っ人を買って出る。
幾多の心理戦 策略を重ね 彼等は真の黒幕を突き止める。
黒澤明監督 不朽の名作を完全リメイク。
面白かったです。当たり前です。
リメイクどころか 丸パクリですもん。
完全にガス・ヴァン・サントの「サイコ」状態です。
当時、織田裕二 豊川悦二のファンだった若者達に『昔 日本には凄い映画があったんだよ。』と言いたかったのか?
それとも往年の黒澤作品のファンの方々に『今の我々は黒澤作品を復活させる力がある』と証明したかったのか?
それとも単純に収入が安定する『お正月映画シリーズ』が欲しかったのか?
本作を製作した意図は分かりませんが、三船敏郎が演じて来た役を何作も織田裕二にリメイクされていたら たまったもんじゃありませんでした。
あのね。織田裕二が三船敏郎に敵うわけないでしょ!
ヤムチャとベジータ ぐらいの力の差がありますよ!
その他のキャスト達は トヨエツを始め 風間杜夫 松山ケンイチ君 達はそこそこ頑張っていたようにも感じましたが 織田裕二はあまりにも荷が重すぎますよ!
演じる姿を見ていて段々 可哀想になってきた。
若いファン層を考慮したのか オリジナル版での一番の見せ場だったラストの 血がドバァーーー のシーンが無かったのは残念。
まぁ トヨエツが斬られて血がドバァーっと出るシーンを劇場での大スクリーンでトヨエツファンが見たら失神してしまうかもしれないからね!
オープニングのシーンはとても素晴らしかった。
あそこだけオリジナルを越えていたかも。
オリジナル版が大好きな方に この作品をオススメしていいのか 非常に困るリメイク作品。
ちなみに「隠し砦の三悪人」のリメイク作は とても恐ろしくて未だに観る勇気がありません。
というか「用心棒」ではなく何故「椿三十郎」をリメイクしたのだろう?
まぁいいや。 あばよ!(笑)