小津の『お早よう』に出てきそうな子供が登場するが、物語は完全にアダルトな銀座の夜の街の世界。大人の世界と子供の世界が交差するのが面白い。
成瀬は『流れる』のような、夜の女たちの日常を描いた作品が面白…
物語が動き出すのは後半から。前半は当時の銀座とそこに暮らす市井の人々の紹介ムービーみたいなもの。
主人公が恋をして別人のようにぱぁっと明るくなるのが微笑ましい。現実は残酷だが、そんなものだろう。
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嘘をつくことによる商売と生活との境目が曖昧になり崩れそうになるところを後輩の恋愛からはっきりさせることを教わる。
銀座に生きる人を星に例えるシーンがすごくいい。成瀬にしてはあまりカットのキレがよくな…
冒頭の子供が時間を尋ねる場面から、田中絹代が2階の部屋で化粧をしている場面までの見事なショットの積み重ね。この2、3分までで成瀬の無駄のない演出技法が遺憾無く発揮されている。観客を映画の世界に引き込…
>>続きを読む成瀬、イイ。“めし”の前に、こんなに見事な機微を、今でも古びない女性像を描いていようとは。
銀座を根城に、夜のバーを営み、女手一つで小学生を育てるヒロイン田中絹代。
戦後間もない頃、母として逞しく…