感情や心理を説明することを徹底的に拒み、出来事と身振りだけで破綻した関係を描くブレッソン後期の代表作。
「なぜ彼女は死んだのか」という問いに答えを与えないまま、夫の視線と回想だけが空虚に反復される構…
面白い。戸を開くと、窓から落ちていく女性。自殺してしまった女の横で、2人の思い出を振り返る夫。夫婦は仲が良かったものの、段々と冷えきっていく。
なぜ夫婦の仲は倦怠し、妻は自殺したのか。博物館や映画…
背中を背中で繋ぐ超技巧編集。
回想の中で現在時制に戻り、現在の人物と動きが同期したり、「ハッいま過去の時勢だったのか」と思わせるべくぬるぬると動き回るドミニク・サンダ。確かに死んだその直後こそが一番…
このレビューはネタバレを含みます
自ら命を絶ってしまった妻の亡骸を前に、男が夫婦の生活を振り返る話。
冒頭のショールが宙を舞うショットでもうすでに映画が完成している……かっこよすぎるだろ。
何が面白かったのか全然説明できない語彙力の…
ベランダで倒れる机と下から聞こえる急ブレーキの音で飛び降りを完璧に表現してみせるブレッソン。冒頭の数十秒でこれはただものではないと実感する、音と映像のマリアージュ。そして、舞い降りるニットのマフラー…
>>続きを読む男「幸せにするよ」
女「すべてが無理」(0h10m16s~0h10m21s)
ブレッソンがドストエフスキーの中編小説を翻案した初カラー作品。
パラノイアにも思える男の過剰な語りを徹底的にそぎ落と…
時々自由と死について考えを巡らせるが、一つの答えを提示してくる本作、、傑作!全てのしがらみを捨てて、死の一瞬の恐怖と痛みを乗り越えて、永遠の自由の元に行こう。自分が死んだ後に悲しむ人のことを想像しな…
>>続きを読むドストエフスキーの中編が原作。
画的に完璧すぎて言葉を失う冒頭シーンから、
男の回想モノローグで綴られる、
ロベール・ブレッソン監督初のカラー作品。
ほぼ男女2人の会話と男の妄想で綴られら
カラー…
聞きしに勝るオープニングの素晴らしさ。カットが切り替わる際の音の連続性と、投身後に遅れて舞い落ちるショールの運動。石鹸の手渡しや脚への愛撫は、貸借で生まれた関係を対等にする為の動作に思えるが、ドミニ…
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