良い
ドストエフスキーの書く範囲とブレッソンの映す範囲がぴったり一緒だ、とつくづく思う。
一挙手一投足を観察するように映すカメラ、夫の語り、鉄格子のようなドアで彼女を徹底的に閉じ込めるような構造…
これで前期のブレッソンの授業はおわり。これまで時系列に6作を観ていて、はからずも最後に初カラーの作品を観ることになったのがよかった。ある種の転換点。ボイスオーバーと映像がシームレスすぎて、時間感覚が…
>>続きを読む金にモノを言わせて若妻を娶った質屋が彼女に窓から身投げされ、遺体を前に苦渋に満ちた結婚生活を回想。ドストエフスキー原作で、ご多分にもれず死と断絶の香りがぷんぷん漂う陰気な話。写真家出身のブレッソン監…
>>続きを読むロベール・ブレッソン監督作。
19世紀ロシアの文豪:フョードル・ドストエフスキーの同名中編小説をフランスの名匠:ロベール・ブレッソンが物語の舞台をロシアから現代のパリに移して翻案映画化した長編第9…
沈黙と無関心が生んだ愛の崩壊
ドストエフスキーの短編小説を原作に、ブレッソン独自のストイックで冷ややかな美学を通して「なぜ彼女は死んだのか?」を追いかける心理劇。
冒頭、若い女性がアパート…
やっと観れて嬉しい。天秤にかけられる十字架と紙幣のファーストコンタクトで描かれる原罪意識は『ラルジャン』でより暴力的に反芻される(彼女が受け取り拒否するのは象徴的)。
しかし一人称の回想で始まり、…
聞きしに勝るオープニングの素晴らしさ。カットが切り替わる際の音の連続性と、投身後に遅れて舞い落ちるショールの運動。石鹸の手渡しや脚への愛撫は、貸借で生まれた関係を対等にする為の動作に思えるが、ドミニ…
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