嫉妬と勘違いは怖いね。女が覚悟を決めた時、きらりと光る小刀。
この小刀は、河内山宗俊からの連続のようにも見える。雨での出会い。濡れる悲痛の雨と、傘で待ってる女を攫う雨。
しかし起きた出来事は、雨のよ…
夭折の映画監督・山中貞雄の遺作にして、現存する3作品のひとつ。前作「河内山宗俊」(1936)に続き、前進座俳優を起用した時代劇である。
貧乏長屋で起こった浪人の首吊りから物語は始まる。中村翫右衛門…
長屋に住む人々。そのそれぞれに一人一人の人生がある。
人と人との繋がり、交わり、偶然、運命、それがあの小さな場所に集約されている。
見終えた後のなんとも言えないもどかしさ。自分の人生とも少しは重ねて…
様々な人の、様々な想いが、数珠繋ぎの様に繋がり、狭い長屋を行き交う。この頃の映画はシンプルで面白く、無駄な物が一切ない。
色んな登場人物がいたが、特に新三と按摩の市が好き。市のキセルの件はほんの小…
本当にシーンの省略がうまいと思う。
もちろん、今みたいにデジタルではないし、テイク数重ねることができないんだろし、長回しできないなど技術的な制約があるんだろけど、、
短い尺でその場面を説明するのが昔…
長屋で起こった浪人の死と金に困る別の浪人や、番頭を想う店主の娘それぞれの想いが入り乱れ……という作品でした。
冒頭かなり惹き付けられて始まったのですが、如何せん音声が聞き取り辛かったり、登場人物が…
現存する3本の作品で小津、溝口、黒澤に名を連ねる山中貞雄1本目。名前を挙げた三者と比べるとかなりオーソドックスな印象を受けた。そういう意味では少し退屈かもしれない。終盤の山岸しづ江のシーンでカラック…
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