シャーロック・ホームズの素敵な挑戦の作品情報・感想・評価

「シャーロック・ホームズの素敵な挑戦」に投稿された感想・評価

妙に頭が冴えてしまい、睡りたくても眠れない夜が誰にでもあるだろう。そんな時にこそ観て欲しい作品。なぜなら本作を観ることでとてつもない眠気が襲うからだ。ただしあなたがシャーロッキアンだとすれば、眠気の前に怒りが沸いてくるだろう。

まず大前提として、シャーロック・ホームズは薬物依存症ではない。
確かに薬物を乱用してはいたが、それは仕事のない時だけである。仕事のある時は自らの意思でコカインの摂取をやめている。さらにワトソンからの指摘もあり、後年からは、やはり自分の意思で薬物摂取をやめている。
このように薬物を自らの意思でやめられる以上、薬物依存症でないのは明らかであるので、シャーロッキアンとしては本作の設定の時点で、シャーロック・ホームズを薬物を止められない意思の弱い人物と書かれているように感じ、不愉快極まりない。
また、本作は時代考証が甘い。1900年代初期のはずなのに「イスタンブール」などという地名が出てくる。どうやら本作のスタッフは老年期のシャーロック・ホームズが「コンスタンティノープル」で活動していることを知らないらしい。
このように、シャーロック・ホームズという人物の薬物使用の部分のみ拡大解釈し、さらに
時代考証もあやふやで、さらにシャーロック・ホームズの母親などという新キャラを出したり、シャーロック・ホームズが恋愛に手を出したり(恋愛とは相容れないと自分で言っているにも関わらず)やりたい放題である。これではシャーロック・ホームズなどではない。シャーロック・ホームズっぽい別のキャラクターだ。

フロイトに関する設定も甘い。
フロイトは女性のヒステリーを治療するためだった催眠療法を薬物中毒者に施すだろうか?そもそもフロイトは催眠療法に否定的だった。
こんなフロイトにシャーロック・ホームズを治療させようとしたマイクロフト・ホームズは残念ながらバカという他ない。
そもそも催眠術といえば時計を目の前でフラフラさせることだと考えているあたり、製作者は子供なのだろうか?

本作はシャーロック・ホームズものとしても、普通の映画としても駄作であり、これを見るくらいなら映画版デビルマンか、映画版進撃の巨人を見る方がマシである。ただ、本作の元となった小説はそれなりに面白く読める。しかし映像にすると、これ程までに魅力が無くなるのか…とガッカリした。
パッケージ裏に書かれた「ホームズ×フロイト 奇跡の共演!」のインパクトがすごい。あらすじにもフロイトって書いてあったから期待しながら観たら期待値高すぎて被弾した。
正直ホームズとフロイトっていう設定を使いたかっただけなのかなと思ってしまった。
色々思うところはあるが、とにかく映画として面白くなかった。

あと私みたいな「ホームズ知ってる! 読んだ!」くらいの人は良いけど、ガチのシャーロッキアンにはお勧めしない方がいい気がする。おわり。

このレビューはネタバレを含みます

原題:THE SEVEN-PER-CENT SOLUTION
(7パーセントの溶液)

もし、ホームズの物語世界が本当だったら・・・
という原作への愛あふれる、これは二次創作映画。

1981年のウィーンを舞台に
ホームズとワトソンがある実在の有名人物と出会う。

初めて観た時、良くできてるなーと感心しました。
まず、舞台となる1891年の欧州情勢・風俗がよく再現され
謎解きに それが生かされていること。
アクションやロマンスもありますが、それは添え物で
“素敵な挑戦” って邦題は、ちょっと違う。

良い点は、知的に作られていることで
ホームズが実在していたらという「if」の設定と
原作ホームズっぽさが違和感なく融合している。
有りそうで無い、希有なホームズ映画と言えます。

とは言え、いまいちマイナーな存在で
その理由は・・
近年のMCU的ホームズたち、ロバート・ダウニー・Jr
ベネディクト・カンバーバッチと比べて
全然ヒーローっぽくないからでしょうね。

偏屈で神経質、
コカイン中毒が進み妄想と禁断症状に悩まされ
外見は、痩せて骸骨の様な中年男。
絶対に女子に受けないタイプ(笑)

ヒーローとして大活躍するホームズを観たい人には
もちろん、オススメしません。

ですが、
事件とは別の意味で窮地に落ちたホームズが
実在の人物との夢のコラボで、ある小さな事件を解決し
自分自身の迷宮から脱出する姿を描いている・・・

これは《実によく出来たメタ構造のホームズ物語》である。
そのエンタメとは異なる価値は保証します。

DVDソフトがメジャーレーベルから再発売されたので
知的な遊び心がある人には、ぜひ観て欲しい映画です。

【余談】

原作小説の作者(映画の脚本も担当した)ニコラス・メイヤーは
タイムマシンの作者H・G・ウエルズが切り裂きジャックと現代のアメリカで対決する
スリラーSF映画『タイム・アフター・タイム』で監督デビューした才人です。

スタートレックの劇場第2作「カーンの逆襲」6作目「未知の世界」も監督。
4作目でカーク船長たちが現代にタイムトラベルする映画シリーズ全体の構成にも大きく関わっていると思われるます。
SF界においても重要なクリエイターさんなのです。
トマト

トマトの感想・評価

1.0
贋作シャーロック・ホームズ。同じ意味だけど格好良く響くパスティーシュとは言いたくない。

英国BBCドラマ『SHERLOCK』を生み出したスティーブン・モファットとマーク・ゲイティスは、コナン・ドイルの著した[正典]に沿ったホームズ像と設定で、コナン・ドイルとシャーロック・ホームズに対する愛が溢れた(かのBSIにも認められた)シャーロッキアンぶりを発揮している。その原作に対するリスペクトと愛ゆえにヒットした。

本作は、コナン・ドイルによる[正典]をことごとく無視している。コナン・ドイルと[正典]とシャーロック・ホームズに対する愛は感じられない。

ホームズを知り尽くしたシャーロッキアンにとっては非常に残念な作品。
知的好奇心の旺盛な方々にはとてもお勧めできない。

ワトソン&フロイト(他の方々もレビューでフロイトのことは大っぴらに書いてますよ)に、おんぶに抱っこホームズ。ワトソンに連れ出され、敵に裏をかかれ、フロイトに先を越され、と良いとこ無し。
唯一の見せ場は、走る列車の内から列車の屋根上へと続く、ラインスドルフ男爵とのフェンシング対決くらい。推理しろ!ホームズ!

フロイト役のアラン・アーキンが男前過ぎて惚れ惚れする。
が、睡眠療法で使ったのが《目の前で懐中時計ゆらゆら》
そのおかげで、終盤ホームズのトラウマの原因が明らかにされるのだが、それが[正典]とは全然違う内容で驚いた。せめてそこは合わせてきて欲しかった。

モリアーティの扱いも雑すぎる。というか、モリアーティとシャーロック&マイクロフト兄弟の関係がアレだなんて!基本設定を変えちゃってるから、二次創作にもなっていないよ。

一番始めに[これは作り話だよ]ってナレーションされてる通り、単なる作り話なのは分かっているが、あまりにも酷すぎる。[正典]を読み込んだ者にとっては本当に残念。

ちなみに[正典]によると、
☆ホームズは、7%濃度のコカインを注射していた。
☆シャーロック・ホームズの生誕日は1854年1月6日説が有力だけど、生い立ちは明らかにはなっていない。
☆探偵業を始めたきっかけは『グロリア・スコット号』
のちにホームズは「これまでただの趣味に過ぎなかったものを、職業にしてもいいな、と生まれて初めて思った」とワトソンに述べていることから明白。
なのに、本作は全く違うことをシャーロックに言わせている。違いすぎて本当に残念。
kumi

kumiの感想・評価

3.5
ちゃかちゃか走るシャーロックは
クスリの具合もあってせっかちなのだろうか、、

そんなシャーロックがやっかいで
困っているモリアーティがまともに見える
チェケ

チェケの感想・評価

4.0
ホームズとフロイトを絡める設定が斬新だし、原作との齟齬をきたしていないのが高評価。薬物中毒のホームズ、モリアーティを憎む原因など独自解釈・設定が全て上手くいっている。
reif

reifの感想・評価

3.6
クリスマスプレゼントにめずらしいものをもらいましたこれです。ホームズのパスティーシュを掘り進める方向には行かないぞ…。行かないぞ…。原題通り、ホームズは廃人寸前のヤク中で頼りない手がかかるのをワトソン先生がですね、押し倒したり殴ったりします。いい。ワトソン先生だいぶ男前。パスティーシュは引用多数なのが苦手なんですね、元ネタがわからなくてくやしい(まだ正典通読中)。ホームズにシグムント・フロイトをぶつけるという「よく思いつくな?」という趣向で、二人で探偵する。突然のスカッシュ?とかオリエント急行とかアクションがバランス悪いほど長尺で変。人力の破壊は好きだ、本当に壊している、バカか…
santasan

santasanの感想・評価

3.3
ホームズが薬物依存症から立ち直る過程での禁断症状。今だったらCGでゴリゴリ作るだろうが、CGのないこの時代に、画を歪めたりヘビやミミズを出したりと手作り感たっぷりで苦労のあとが伺える。ホームズがワトソンに騙されて精神科医フロイトのもとを訪ねるをいう設定が面白い。モリアーティ教授がトラウマの原因となったのがそういう理由とはねぇ…。
『フットルース』で知られるハーバート・ロス監督作品。スター・トレックの監督や脚本を手がけたニコラス・メイヤーの小説が下敷きになっている。シャーロック・ホームズが薬物依存症(コカイン中毒)であったという原作の設定を利用し、ワトソンが同時代に実在した精神科医ジークムント・フロイトに治療を依頼するという物語。前半はホームズの治療がメインだが、ある事件を契機に2人の天才が協力して真相究明に取り掛かる……奇想天外なアイディアながら娯楽映画として上手くまとまっており、ホームズ作品のパスティーシュとしても良作である。

(鑑賞メーターより転載)
前半がしんどい。コカインはよくないね。素敵な挑戦もちょっとおかしい邦題じゃないか?
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