残菊物語の作品情報・感想・評価(ネタバレなし)

『残菊物語』に投稿された感想・評価

皮肉にも、苦難が芸を肥やしていく。女が連れ添い続けた男は、女の死と引き換えに、新たな名を受け生まれ変わる。それは切なく美しく、どこか心中の趣き。

歌舞伎役者を題材にした役者の成長と恋愛
歌舞伎の舞台が観られて、ちょっと「国宝」を思い出した
身分違いの恋愛や
菊之助のためにつくすお徳の献身がすごい

船乗り込みという行事で挨拶する菊之助の手に目…

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素晴らしい傑作。
音声がガサガサすぎて聞こえない部分が多々あるが、ストーリーは単純なので見る分には問題ないかな。
この映画で評価したいのはやはり絵の造りや撮影手法。
長回しでその場の空気感みたいなも…

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Laura
4.0

『国宝』からの流れで鑑賞。戦前の溝口では一番好きかも。複雑な舞台裏の空間をぬるっと動くカメラ。余韻を残すロングショット。1939年の作品とは思えないほど洗練されている。溝口映画は割と男性の自立や成功…

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Benito
4.2

【 映画「国宝」の源流にあるもの 】

小説家 吉田修一が「国宝」(2018年)を書くきっかけとなったのが、本作である「残菊物語」を観たからだとインタビューで語っていたのが印象的だった。

この「殘…

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1939年、日本、ドラマ。

歌舞伎役者・二代目尾上菊之助と彼を支える女房・お徳の物語。

誰も彼も二代目若旦那・菊之助に遠慮して言えない芝居の不出来を、お徳は指摘し、彼に芸を磨かせ、時に鼓舞し舞台…

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Mayuko
-
Japanese Film Festival @ACMI in Melbourne
4.5
90年前に映画は完成していたのではないか。『国宝』が歴史的快挙を成し遂げた今、溝口健二は静かにそう思わせる。

この作品こそ、本当の国宝と言ってもいいぐらい、唸るほどに素晴らしい。
苦労と苦悩が全て芸に生き、それを支える女の献身さに涙なくては見られない。
芸能を食い扶持にしている人間は一度は見るべき、必ず胸を…

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フレームに入っていない部分の人間の動きを想像させるカメラワークは、緻密な空間と音の設計の上に成り立っている。狭い階段が映っているだけで涙が出るのは、上階の思い出を想像させるから。90年も前、戦前に完…

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