現代人の作品情報・感想・評価

現代人1952年製作の映画)

製作国:

上映時間:112分

3.9

「現代人」に投稿された感想・評価

え

えの感想・評価

3.9

このレビューはネタバレを含みます

キザな池部良に慣れずソワソワ、と思ったらこれで演技が開眼したとか
山田五十鈴の愛人像が素晴らしい

時折のドラマチックさに若干戸惑いつつ、野原(岩場)での見せ方とかバーでのドライヤーとか高架下の挟くるしい実家とかそこでの寿司の取り合いとかグッとくる描写多数
くずみ

くずみの感想・評価

3.8
フランス語字幕なし版は初めて。
アプレゲール池部良。良かれと思ってとる言動と、周囲の反応のズレは、「タクシードライバー」のトラヴィスを連想させなくもない。
良ちゃん様の脚の長さを生かしたショット多数。高低差があるとさらに映える。山田五十鈴とのバーのシーンもいい。
階段につぐ階段。いずれ十三階段も上るのか。
池部良が、五社協定を、破り出演して演技に開眼と自ら申し立て。
山田五十鈴が、良い。
ryosuke

ryosukeの感想・評価

3.9
テキパキとした人物の所作に口調、キビキビと小気味よく繋がれていくカット構成のリズムに乗っているだけで気持ちいい。会話劇でありながらほとんどのカットが細かいアクションで満ちており、普通の映画なら間に挟まる間延びしそうなカットは徹底して排除されることで、次々にシーンが転換していく語り口は娯楽映画の一つの理想かもしれない。
バレエの写真を見られた泉(小林トシ子)、小田切に小遣いを渡そうとして不愉快な顔をされた萩野(山村聡)、岩光が倒れていることに気づいた小田切(池部良)等、「焦る」演出がちょっとわざとらしいのは若干目に付いたけど、基本的には役者陣も魅力的で良質な作品だった。
多々良純の下衆な面と口調が癖になる。スラっと足の長い池部良も、ニヒルな表情が魅力的な美青年を好演。
男を手玉に取る山田五十鈴の人を食ったような表情も記憶に残る。最初はそんなに魅力的かねと思ったが、段々見事なファム・ファタールに見えてくる。池部をパシッと叩いて踏み台にするシーンなんて彼女のスタンスを端的に視覚化している良いシーン。
山田五十鈴がホステスをしている銀座のバーの奥にある細い通路は、運命に導かれ退っ引きならない状況に追い込まれていく登場人物の舞台として相応しい印象的な空間となっている。山田が言葉を尽くして池部を罵倒する描写が愉快。
バーにおいて、池部、多々良、山田演じる三悪人が画面手前、中央、奥に配置され、それぞれ紫煙を燻らせるカットが良い。酔いから醒めると隣で血を流す多々良に驚いた池部は、やはり例の通路に迷い込んでいく。細い階段を駆け上がって鍵の閉まったドアに阻まれる姿も、遂に袋小路に陥った優秀な青年の末路を的確に示す。
ニヒルに見えて内に純な熱情を抱えている池部の想いは燃え盛る課長室へと見事に結実し、妻と愛人を失いこれから職や地位も失うであろう山村も、彼の人生の現在地のメタファーのような黒い煙の立ち込める寂れた田舎の線路へと辿り着く。
タイトルの「現代人」が意味する「アプレゲール」という二項対立的で雑なレッテルを貼られながらも、その実冷酷で無軌道な若者とは程遠い真っ直ぐな愛情を示した池部良がラストにおいて見せる顔は見事だった。
tokio

tokioの感想・評価

3.2
Rec.
❶20.01.24,シネマヴェーラ渋谷(35mm)/没後十年記念 映画俳優 池部良
安部徹出演と知って観に行かないわけにはいかない。池部良の「アニキ」ということくらいしか情報がない謎の役だったが、短時間でもしっかり安部徹していたので私は満足。もちろん最後の裁判所のシーンではクロースアップされる前に傍聴席に安部徹確認しました。そして、とにかく山田五十鈴が秀逸。細い廊下で池部良に振られた彼女が彼を「不良!ジゴロ!」などと罵倒し、一人で高笑いするシーンで徐々に高まっていくボルテージは鳥肌もの。全編通して見どころ多い、面白い。
@シネマヴェーラ渋谷

まずセットが面白い。バーの裏に伸びる真っ直ぐな廊下(終盤に出てくる裏路地はこのことを言っているのか?)、池部良の実家の隠し扉のような二階に続く扉、吹き抜けになっている山村聡の課長室、中心が広場のようにひらけた面会室…

全盛期の池部良がかっこ良すぎる。悪い顔になればなるほど増すその色気。
その全盛期の池部良が恋に落ち、人生を棒に振るほどの女性として出てくるのが小林トシ子なのが全く納得いかない!!!いや、もっと他にいたでしょ…台詞回しもハッキリしない感じで途中からイライラしてきた…
池部良と並ぶと、逆に池部良の顔の小さが際立つのは残酷。池部良の顔が小さすぎるのもあるけど…

その池部良の兄役にまだダークサイドに堕ちる前の若い安部徹。全然似てない。
an

anの感想・評価

4.0
池部良目当てで観に行ったがなかなかたのしめた。まず銀座のバーの造りが複雑でカッコいい。広がりと狭まりの両極端と、それらをつなぐ廊下と階段と。一方の、高架下の自由書房の容赦のなさもいい。人間模様や俳優たちの演技も魅力だが、いくつもの空間描写に引き込まれた。
悪に自覚的な池部、多々良、五十鈴に対し清廉潔癖を求め続ける小林トシ子。一番醜いのはその間を右往左往する山村聰。異常なデザインのセット(バー、役所、池部の実家)による思考回路の視覚化。目のクマが濃くなる毎に男前になる池部には、あんな小娘よりハーレクイン様みたいな美女が似合うと思う。@シネマヴェーラ渋谷
mingo

mingoの感想・評価

4.0
渋谷実の映画はやはり作りが普通じゃない。開始15分すぎてやっと主人公池部良が登場するんだから冒頭のくだりいるか?と思ったが後半にかけてしっかりのしかかってくるんだから凄い。面白いのは言うまでもないんだけど、とんでもなくダメ上司山村聰とその娘小林トシ子(勅使河原宏の嫁)との恋を一身に受けて奔走する池部良がニヒルな笑みを浮かべたり、スピーディーな展開や縦の見事な構図も相まって本作品で演技開眼したと言う池部に対し、観る方にも力が入る。本人が収賄殺人ついでに放火と悪事のすべてを尽くし、その場の愛人として山田五十鈴の貫禄は流石の一言。駅と合体した実家の本屋も悲哀を感じさせて良いし電車のガタンゴトンで子供の泣き声で消えたり演出に巧さがひかる。兄役の阿部徹はどんな役やろうがいつ観ても阿部徹。
>|