最近、昔の作品を見ることが増えて感じるが、私はこの時代の強い女性の描き方が好きだ。みんなそれぞれ強く、着飾ることなく生きている。そのかっこよさに魅力される時間だった。最後のミシンしているところに、お…
>>続きを読むこれは、ビスコンティの『山猫』に比肩するほどの傑作だ。映画をきちんと観始めて、まだ、日が浅い僕にとっては、『山猫』と『流れる』が、一つの世界が終わりを告げようとしているということぐらいは理解できる。…
>>続きを読む祇園の姉妹から続く着飾った芸姑ではなく白粉を落としたすっぴんの物語。祇園の姉妹は人情と非情、本作は依存と自立を描いていた。昨今職安には女性が列を成している。変わりつつある時代にただ流されるまま男にす…
>>続きを読む流石の成瀬巳喜男、普通みたいでこうは撮れないでしょう感。名女優揃い咲。着物の着こなしの粋なこと。揉めた相手ともにっこりお酒を飲む度量、お巡りさんにはお蕎麦。世渡りと純情の絶妙なバランス。山田五十鈴も…
>>続きを読む不機嫌で感じが悪く、一見自分本位で我儘だけれど、男に頼らないと生きられない芸者の母を憐れみ、自分は男に頼らない自律した女であり続けようとする高峰秀子、本当に良い。「女に男はいらないって本当ですか」と…
>>続きを読む時の流れは全てを浚い、運び去っていく。
老舗の置屋、蔦の家。だが、日に日に経営は苦しくなり、日毎の買い物のツケすら満足に払えないようになっていく。そんな中、ある芸者が故郷に逃げ帰ったことをきっかけ…
女芸者の時代じゃなくなった時期の、女芸者達の物語。やはり、時代は、変わるし、永遠という物は、無いのだろう。もう流行らない、女芸者を、継がずに、職探しを、してる場面など、ああ、やはり、ずっと、やってけ…
>>続きを読む私の出身はもう少し西の方だが、懐かしい言葉と響きだった。祖母世代の女の人たちはああいう婉曲なやり取りで会話をしていたと思う。
山田五十鈴、田中絹代の表情による演技が印象的。
最後、三味線とミシンの音…
ほとんどのショットは置き屋のセット内で撮影されているが、フレイムに窮屈な印象はなく、個性豊かな名女優たちのインパクトがあった。
物語の視点となっていたお春が何かを多く語ることは一切せず、普段通り暖か…
大川端に近い東京の花街を舞台に、そこで暮らす様々な事情を抱えた女たちの人生を描いた秀作。
好いた男に貢いで逃げられた挙げ句、義理の姉に借金を作ってしまい芸者という見た目の華やかさとは裏腹の苦しい生活…