このレビューはネタバレを含みます
ゴーリキーの同名戯曲を、当時1930年代フランスに置き換えた作品。原作が終始救いのない展開であるのに対し、本作は生への希望に満ちたエンド。
これは名作。泥棒ぺぺル(ジャン・ギャバン)と、男爵(ルイ…
ズーム、ズームアウトによるフレーム内の空間拡張を無効化するようなラストのフレーミング。ウラディーミル・ソコロフをリンチにする際のフレーム内フレームやジャン・ギャバンとスージー・プリムが口論する際の…
>>続きを読むどん底であっても上を向くようなペペル。
泥棒稼業は褒められたものではなく、しかし、そこからなんとか這いあがろうとする心持ちにはシンパシーも抱く。
対照的に有り金以上に博打で擦り、没落していく男爵。
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ルイ・ジューヴェを仰角気味にゆっくりと左右に振れるカメラが映す。横移動多め。ジャン・ギャバンが安宿を左から右に歩く。能天気バンドネオン奏者は右から左。階段の上下運動。没落男爵ルイ・ジューヴェ姿勢が良…
>>続きを読む貧困に嫌気が差すものの、泥棒稼業から抜け出せないペペル。
貴族出身でありながら、賭博に溺れ無一文となる男爵。
出逢うはずのない二人が出逢い意気投合するが、貧乏長屋の生活がもたらすのは希望か絶望か。
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ゴーリキー原作、ジャン・ギャバン主演のルノワールの有名作を今まで見逃していたのは暗そうだったから。たしかに重さはあるけれど、貧乏長屋に住む人びと一人一人に愛情を注ぎ、ルノワールらしい人間愛があった。…
>>続きを読むレストランの長回しのシーンが素敵だった。
「どん底」とは一変して華やかな景色になり、レストランにおける階級のユーモラスな掛け合いとコショウを丁寧に振りかける支配人のセンスが堪らなかった。
ペペール…
ゴーリキーによる戯曲を原作に、ジャン・ルノワールが舞台を帝政ロシアからフランスに変更して映画化。
貧民窟に集った多彩な背景を持つ人物それぞれの、貧しいけれども人生に恋に自由を謳歌する生き方を描く。
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