「木靴の樹」(1978)のエルマンノ・オルミ監督の晩年の一本。監督は「最後の劇映画」と宣言したが後に撤回。原題は「Centochiodi(百本の釘)」。
ボローニャ大学で大量の書物が釘で磔刑のよう…
【哲学はモテるためにあるのか?】
悪い映画じゃないと思うんですが。
「書を捨てよ、街に出よう」ってなテーマで、美男の哲学教授がカッコよく書を捨てて、乗っていた高級車を捨てて、財布も捨てて(だけど…
釘が刺された本の山の強烈なビジュアル。
川を遡り、本の中ではなく人生を生きる人々と交流する。
家直す人がどんどん増えていく労働風景に泣ける。その後最後の晩餐ぽくワイン飲むの良いなあ〜。
川や木々や自…
画面と光がとにかく良いが撮影はオルミの息子ファビオらしい。ベロッキオとも似ている、イタリア的、としか言えない光。もちろん寺山修司や『おおかみこども』を連想する。区切りの位置は反知性/主義ではなくて反…
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最初こそは逃亡劇、なぜあんなことをしたのか、ミステリ風でとてもよかった。
しかし掘立て小屋に定住したあたりからテイストが変わり、そっち系の日常を描くのかと思ったら、立ち退きである。これは他所から来…
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イタリアのポー川沿いを舞台に新約聖書の世界を垣間見た気がする。
"キリストさん"と人々は語らう。ワインやパンを手にして。
"キリストさん"は別れを告げる。人々に大切な言葉を残して。
その一つが胸に残…
本来であればこれがオルミにとっての最後の劇映画になるはずであった(と言いつつバリバリ撮ってる、ケン・ローチみたいだ)らしいが、そりゃそうだ、この作品は「全てを捨てよ」と我々に訴えてくる。反知性、反権…
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