イマジナリーラインを飛び越える短いショットの連続によって、断片性を高めながらも、運動の方向性やマッチオンアクションによって、それらを繋ぎ合わせ、リズミカルで感覚的な映像の連鎖を実現していた。
冒頭の…
成瀬巳喜男監督の「妻よ薔薇のやうに」と対を成す、亡くなった母、婿入り養子の父御橋公、酒店を切り盛りする姉千葉早智子、水商売妾伊藤智子、その娘で同居するモガ妹梅園龍子、放蕩の祖父汐見洋、姉の資産家息子…
>>続きを読むそれまで予感はいたる所で感じていたものの、妹が自分ののお見合い相手とデートをしているのを姉がみたのを皮切りに(画面内の上下関係がおかしなことになっている)、主要な作中人物全員がいつでもこちら側に転落…
>>続きを読むこのレビューはネタバレを含みます
面白い。個人的に成瀬巳喜男の映画は比較的、見えづらさを感じることが多い。というのも、場面がテンポよく切り替わってしまうし、あらゆる技法が折衷的につぎ込まれているからである。小津や溝口を見てるときのよ…
>>続きを読むドタドタドタと地の底に落ちる名家の看板。びっくりする急展開。
トラックアップが多かったり、人物をなめた構図が作風模索してる感じ。
始まってちょっとしたところの父娘の会話でいきなりイマジナリーラインぶ…
邦江(千葉早智子)と紀美子(梅園龍子)の異母姉妹は美しい。姉妹の相克。乙女ごころから比べると人間の哀しみに焦点が当てられている。健気な人物ほど踏み躙られる。傾きかけの『灘屋酒店』は何やら違法な手段で…
>>続きを読む成瀬真骨頂。
古きと新しきのあいだ
老人と若者のあいだ
恋愛・結婚・家の価値観の交差点を、姉妹を主人公に語らせたら本当に巧いなと。
複雑な日本人感情や、洋服や音楽からも見える外国からの文化的な価値…