仮面で素性を隠し欲望の赴くままに他人を脅し穴蔵の闇の底に突き落とそうならば、時として人間は鬼以上の怪物に変わり果てることもある。
この種の悪意というものはその闇を通じて太古から現代へしぶとく生き続け…
構図陰影動きすべてがビビッドで、人物の欲望懊悩恐怖に生身で引き摺り込まれる。人間の文化伝統を"大人の狡知"とする解釈は進歩主義の臭いをさせつつも、大いに説得力を持った"物語"となっている。鬼面の表情…
>>続きを読む恥ずかしながら、新藤兼人は初めて観るのだが、想像以上に凄かった。南北朝時代、落ち武者狩りをする姑と嫁、亡き婿(息子)の戦友だった男、三人の物語。
カットの力が全て凄い。徹底したリアリズムで南北朝時…
映画冒頭から終盤まで象徴的に映し出される“穴”は言葉通り墓穴として機能する一方、ハチはこれを縁から覗き「おなごが欲しいどぉ」と独りごつ。女体そのものでもあり、生命の通り道である穴が、そのまま死とシー…
>>続きを読む「人生で美しいものを見たことがない」
日本の昔の映画といえば、多くの人が黒澤明監督を思い浮かべるでしょうが、私は新藤兼人監督も思い浮かびます。
『鬼婆』は、ミニマルでインパクトのあるストーリーテ…
もう冒頭から引き込まれるし、タイトルのフォントが格好良い
限られた登場人物にモノクロの映像、じっくりと見せる演出が本格派
ラストの展開に唐突な幕切れも堪らないよ…
ウィレムデフォーは本作をお気に入り…
このレビューはネタバレを含みます
時は戦国時代。落武者を殺してはその武器と鎧を売りさばいている娘と、その義母がいた。義母は娘が男と恋仲になったことを知ると、嫉妬のあまり鬼の面を付けて娘を襲うのだった。
義母であり鬼婆の乙羽信子の顔…