映画冒頭から終盤まで象徴的に映し出される“穴”は言葉通り墓穴として機能する一方、ハチはこれを縁から覗き「おなごが欲しいどぉ」と独りごつ。女体そのものでもあり、生命の通り道である穴が、そのまま死とシー…
>>続きを読む「人生で美しいものを見たことがない」
日本の昔の映画といえば、多くの人が黒澤明監督を思い浮かべるでしょうが、私は新藤兼人監督も思い浮かびます。
『鬼婆』は、ミニマルでインパクトのあるストーリーテ…
もう冒頭から引き込まれるし、タイトルのフォントが格好良い
限られた登場人物にモノクロの映像、じっくりと見せる演出が本格派
ラストの展開に唐突な幕切れも堪らないよ…
ウィレムデフォーは本作をお気に入り…
このレビューはネタバレを含みます
時は戦国時代。落武者を殺してはその武器と鎧を売りさばいている娘と、その義母がいた。義母は娘が男と恋仲になったことを知ると、嫉妬のあまり鬼の面を付けて娘を襲うのだった。
義母であり鬼婆の乙羽信子の顔…
ススキ野原と小屋だけのロケーションでこんなに面白い映画が撮れるんだと感動した。バッキバキなコントラスト、光と影で浮き出る顔が強烈で美しい。
草を掻き分け駆けていく女を平行して捉えたカメラの疾走感、か…
人間の業を堪能する100分間。
観てきたモノクロ映画の中でも、トップクラスに陰影が豊かで鋭い。夜を明るく映写したのは、穴の暗さを際立たせるためか。鬼面を剥ぎ取ろうと組打ちするラストシーケンスにて、本…
2025.01.19
監督.脚本:新藤兼人
題字:岡本太郎
出演乙羽信子(中年女)
吉村実子(嫁)
佐藤慶(八)
宇野重吉(鬼面武将)
殿山泰司(牛)
南北朝時代、戦乱が相次ぎ、都は…