座頭市の作品情報・感想・評価

「座頭市」に投稿された感想・評価

MRFOX

MRFOXの感想・評価

4.0
ベネチア映画祭のスクリーンに、横一列に踊るたけし軍団が映ったと思うと胸熱。
メクラの方が人の気持ちがわかんだよ、といってカッと目を見開き、相手を叩き切る。(悪党に気持ちを寄せるつもりはない)

ふんどし一丁で走り回る足軽も面白い。戦国時代も終わり、戦うことが無意味になっていることを暗示している。

絵はカッコいいが、美術・照明・音声・効果音・編集が絶望的で寒気がした。日本の時代劇をダメにしているのは、安っぽいゲームのような効果音ではないか?

何かを投げた時の音、刺した時のグチュ音もバラエティ番組のようで安い。絵が凛としてカッコいいのに、興ざめだ。

編集も黒い画面で暗転するなら、そのまま黒い画面で繋げて欲しい。スローもいらない。

浅野忠信への演出も、喋り方・声の発生の仕方から、現代人の間の置き方だった。

旧大映や東映のような重厚感は出せないのだろうか?セリフを発する重さがまるでない。脇の人物の表情も説明的。人が切られて、これ見よがしに驚いた表情しないでもいいのでは?

刀を投げたり、返り血を浴びなかったり、スタイリッシュに全振りしている。

夜も江戸時代の街であれほど明るいのは不自然極まりない。行灯無しで、出歩くのは当時としてはあり得ない。

本来ならば、前も見えないような暗さだ。手を抜いたとしか思えない。火で照らす描写もほとんど出てこない。電気で暮らす現代人の想像力の限界か。月明かりにしても明るすぎる。こう毎日満月が続くものではない。

本当に時代考証したのだろうか?軽薄な平成の時代を象徴するような座頭市。その中でも、ガダルカナルタカがシュールな賑やかしで映像にリズムを与えている。ドリフ的昭和の笑いが入っていて、これが北野武らしさか?だが、音楽のチープさがどうしても許さない。

最後、なぜか軽薄なマツケンサンバを見せつけられた。
スシローのCMでもやるつもりか?時代劇も落ちたもんだ。表情が紅白歌合戦のバックダンサーそのもので、さば定食を頼んだら、パンケーキが出てきた気分に陥った。
YUJI

YUJIの感想・評価

4.0
北野武さんの名作。ストーリーに不自然さが無く、ユーモアもあり、まさに北野ワールド。
まぬ子

まぬ子の感想・評価

4.2
錆びない!
これが2003年の映画なんだもんなぁ。
プロットは、もう、遠山の金さんか?水戸黄門か?ってほど在り来たりなのに、こんなに演出で面白い!と感じるなんて。北野武おそるべし。
10年20年後にまた見ても、面白いと感じるだろうな。

タップダンスのシーンや耕作のシーンがすごくよい。音の誇張=聴覚(視覚以外の五感)を表現してるのかしら。

目が見えてようが、見えないものは見えない。目で見るな!感じろ!そういうことっすかね。
樹木希林が失明した時に、「今まで色々なものが見えすぎていた」って言ってたのを思い出した
はな

はなの感想・評価

4.0

このレビューはネタバレを含みます

時代劇に金髪やタップダンス。
ツッコミ要素なのに、なぜか上手く馴染んでいるのがすごい。


殺陣のシーンは何度も観たくなる。
残酷だけど美しい。
人間ってあっさり死ぬんだなと改めて感じる。

樋浦勉さんが飲み屋の老人店主役で終わるはずない…と思いながら観てたらやっぱりだよ。


暗い雰囲気だけど、ところどころ笑えるシーンが多い。北野作品の間がたまらない。

このレビューはネタバレを含みます

北野武版『座頭市』。改めて、北野映画の凄さを実感。侍になりたかった槍で走りまくる男。女装の復讐者。タップダンスと遊び心満載。その上で、崩れないシリアスな北野ワールド。映画祭で賞を受賞するのも納得。遊び心とシリアスの融合。こんな作品。なかなかありません。盲のあんまのフリという設定のお陰で、ストーリー全体に深みを与えます。『目ン玉開いても、見えねぇ~ものあるんだけどな』というセリフ。流石です。ホント独特です。
北野武監督初の時代劇作品。
盲目で居合の達人である市の話。
時代劇だが市が金髪だったり、農民の農作業シーンが劇伴とリンクし音楽を奏でていたり、最後の有名なタップダンスのシーンでミュージカル調になっていたりとエンターテインメント性に溢れている。
結局どんなに目を見開いていても見えないものはあるんだよなと。
面白いけどたけしが撮る必要もないかな、とも思う。売れることにはじめて意識的になり職業監督に徹した作品。
桂木

桂木の感想・評価

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音楽的なシーンはおもしろいけど回想とか説明台詞が多い
雨の中田んぼでタップのシーンゾクゾクする
鬼才・北野武⑨
勝新太郎が観たらどんな感想になったろうか...。そんな銀獅子賞受賞作。

やくざの銀蔵一家に支配されている宿場町。そこへ盲目の剣客である市、仇を探す芸者の姉妹、脱藩した浪人、彼らは異なる理由で集うが...というストーリー。


目を閉じた方が相手の心を読めるが、目を開けても見えない事もある。
北野武による座頭市のリメイクは型破りのエンタメ時代劇。殺陣をここまで芸術的に描けるのは彼だけ!兎に角素早ければ斬り方にCGならではの斬新さもあり。アクションをこなせるたけし凄い。

が、しかし、いつもの北野映画を期待してはいけない。かなり娯楽性が濃いのでそこに少し違和感を感じた節が少し...ほんとにザ・エンタメ!な内容なんで芸術性の高さを求めるとマジで期待外れの一本に。それでも楽しめる映画なのは間違いない。

もしや、いつもの作家性から抜け出ようとしてるのではないのかな〜なんて思える箇所も結構見え隠れしてましたね。千葉真一から海外ウケ狙いが露骨とか言われちゃってるしな...いや面白いからこれで十分なんですけどね。

北野映画の中でも台詞量は多い方にも関わらず、説明台詞が一切無い!これ凄いポイント!普通なら台詞量が多いと必ず説明的なものになりがちですが、今作はそれが一切無し。アウトレイジでも健在だったのは、やはり今作でこれを確立出来たからってのが大きいんだろうなぁ〜...説明台詞無しなので一切退屈せずでありました。

あとタップダンスが見もの。時代劇だとあまり観ない要素なんで良くも悪くもびっくり。
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