座頭市の歌が聞えるの作品情報・感想・評価

座頭市の歌が聞える1966年製作の映画)

製作国:

上映時間:83分

ジャンル:

3.6

「座頭市の歌が聞える」に投稿された感想・評価

全く功を奏さない太鼓部隊にびびる。こんなんでいいのか。シルエットは印象的。天知との決闘シーンもショボいはショボいがあの川辺の感じなんかはなかなか。
チェケ

チェケの感想・評価

3.5
敵役に一作目以来の天地茂だが、平手造酒ほどの魅力があるキャラクターではなく惜しかった。めくらの市を攪乱するための騒音作戦が一切効果を奏してらず期待外れ。プログラムピクチャーとして観る分には上出来。
Catman

Catmanの感想・評価

4.0
ネタバレあります。

例によってタイトルはいい加減で、『座頭市の歌』なんてものは聞こえません(笑)
本作はシリーズ13作目、マンネリ化の打破を狙った意欲的なアイディアが随所に見られます。が、どれもイイセン行ってるものの完全に消化し切れて無いと言う印象。例えば市と同じ盲目の琵琶法師。出会って直ぐにイチの罪深さをズバリ指摘する、カンフー映画に登場する老師の様に超然として謎めいた深みのあるキャラクターなのに、いつの間にか途中退場してしまいます。シリーズ1作目で市と痺れる様な対決を見せた天知茂が演じる浪人侍も、期待したほどのインパクトは残せず。また座頭市の聴覚を奪うために大量の太鼓を打ち鳴らしながら襲い掛かると言う地元ヤクザの秘策も、本来はクライマックスを盛り上げる仕掛けとなるべきなのに市はさほど苦にせずバッタバッタと敵を斬りまくります。何だったのアレ。そのほか色々ありますが、特に不満なのはユーモアが殆ど無いこと。

しかしながら、それらを補って余りあるのが勝新の存在感と見事な殺陣(SE控えめで◎)、そして宮川一夫の撮影による映像美。橋の上で繰り広げられる殺陣のシーンをロングショットで捉えるカットは、逆光によるシルエットがまるで影絵芝居を思わせる美しさです。ブラボー!

小川真由美が演じる女郎はやっぱり描き方が中途半端ながら、その美しさと退廃的な色気は本作の白眉のひとつ。婆ちゃん役の女優さんもいい味出してます。

でもなんか物足りないんだなぁ…
くずみ

くずみの感想・評価

3.5
コントラストの強い画面は時折影絵めく。
市が内省的になり、共演にしっかりした役者を配したが故に、このシリーズの持ついい軽みは薄れた。
シリーズ第十三作。クライマックスの大立ち回りが陰影を極めて影絵の域に達している。そのショットの美しさたるや。小川眞由美の存在感も素晴らしい。
座頭市は似たような話が多いので、どれをみたんだかみてないんだか覚えていない。はじめてだと思ってDVDを借りたら案の定二回目の鑑賞になった。
プログラムピクチャーとして、ストーリー展開の澱みの無さとか、手堅い撮影や演出とか、娯楽映画としては決して悪い出来ではないのだろうけど、今回の敵役もケチな田舎ヤクザだし、用心棒の浪人を再び天地茂が演じてはいるが、彼が背負っているものは第一作の平手造酒なんかと比べると少々俗っぽいもののような気がする。
自身の無頼性を子供の前でみせてしまったことについて市が思い悩むなど、シリーズの新しい路線を模索しているようだが、それについては明確な解答が示されることもなく、悪人から金をカツアゲして結果オーライみたいな軟着陸をみせる。あれ市がいなくなったらまたやるんじゃないの?皆殺しにしないと!
座頭市の弱点が騒音だと知ったヤクザたちが太鼓の音で市を追い詰めようとするのだが、特に明確なロジックはなく突破されてしまうため、やはり本作でも市の荒唐無稽な強さに拍車をかけていくスタイルに迷いはないようで安心した。
タイトルから座頭市が歌うのかと思っていたら、勝新の歌唱パートはなく、道中で出会った琵琶法師による一曲のことを指すようだ。彼が歌う場面の異世界かのようなヴィジュアルがいい。彼といい女郎屋のお蝶といい、旅先で出会う人々が市よりもミステリアスな魅力を放つ一作だ。
臭すぎるプロットや一作目と比べると矮小な描写がすぎる天知茂(いなくても話が成立するし、市は最後までコイツのこと誰??って思ってたんじゃないか)など、
まあ酷い脚本なんだけど宮川一夫が狂気的に素晴らしいのでお釣りが来てしまった。
捕まった婆さんを助けてから軒先で始める斬り合い、
ここでチンピラが水場をパシャッと蹴って移動するんだがその水面が素晴らしく美しい。
こんなどうでもいい端の端にまで漲る宮川の力がスゴい。狂ってる。
それから影絵のまま行われる殺陣や、一転して不気味に照らされた部屋で行われる市のカツアゲ劇場は垂涎モノの迫力で最高。
天知茂との一騎打ちはイマイチだけど。

あと小川真由美がたまんない色気と退廃的空気を醸し出してて素晴らしかった。
正直コイツもいらないキャラクターだけれど、最も印象深いキャラクターでもあるのでバッサリ否定しがたい。
シズヲ

シズヲの感想・評価

4.0
シリーズが続いてすっかり痛快娯楽作としての路線を進んでいた座頭市に一石を投じた良作。中期では定番となっていたヒロイックな座頭市を踏襲しつつも単純明快なヒーローにはせず、初期を思わせる「陰のあるやくざ」として描いているのが渋い。太鼓の音が響く中での橋上の戦いや天知茂との決闘など、夜の闇を存分に活用した絵面作りも秀逸。座頭市の歌は別に聴こえてこないけど、琵琶法師の歌唱シーンは印象的。
英語タイトルはZatoichi's Vengeance。殺陣のシーンは引きと長回し、カットを極力最小限に抑えた作り。他の監督も基本そうなのだが、もはや殺しの舞踊とも言う様な天知茂との対決。市はバレイシューズではなく下駄を履く。
勝新太郎の歌など1ミリも聞こえないシリーズ第13作。これは面白い。

まずは、人生においても盲目においても市を上回る琵琶法師(「どろろ」で、時折ふらっと現れては百鬼丸に意見する琵琶法師のおっさんを彷彿させる)の存在。彼によって、市の迷いとか成長とかが描かれることになるため、物語に深みが増している。

次いで、第1作に続いて2度目の登場となる敵役の剣豪(天知茂)の存在。単なるニヒルな剣豪の域を出て、惚れた女に対して情けない過去を持ち、その女を苦界から救いたいという目的を持つアウトロー、という性格が与えられているため、これまた物語に幅が出ている。

そして何と言っても苦界に身を落としている遊女を演じる小川眞由美。どんな辛い過去を背負っているとか説明は無いし、登場するのは廓の部屋だけであるにも関わらず、その有様が切なくて哀しい。市との別れのシーンなど泣けてしょうがない。物語がグーッと艶を増す。

というワケで、マンネリズムなどどこ吹く風の快作。
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