ある女の愛の作品情報・感想・評価

「ある女の愛」に投稿された感想・評価

mingo

mingoの感想・評価

4.0
偉大な映画作家グレミヨン最後の長編作。映画史的にはほぼ遺作と言っていい。「曳き船」のグレミヨンオリジナルストーリーverといったニュアンスの本作だが、ブルターニュ地方の離島を曳き船のギャバンと同じく主人公は仕事と愛の相克によって引き裂かれる(男の役名はどちらもアンドレ)悲哀物語。ラストはドゥミ「ローラ」と同じく若い女に軍配が上がる切なさ。

濱口竜介トークメモ2018.7.13

過去現在未来の曖昧さがわかる勇気ある単純化。愛が得られなかったことによるリアクション、仕事は誇りだが、生きるためには愛が必要。また他の人の人生にはいってく不安、生きてる瞬間から諦めとともに現実に戻される。
印象的なクローズアップ、単に美しく取っただけではない。画面外に向けられた眼差し。高原の情熱をパクった。眼差しから同じ未来をみているニュアンス。彼女の内面がみえるクローズアップ。
存在の多義性の回復。
ひとりずつから2人それぞれが同じ画面に映す基本的テクニックがうまい。脇役のルグラン先生からの視線がせせりでてくる。
「ゴーモン珠玉のフランス映画史京都篇 」で初鑑賞でした。ブルターニュ地方の離島に赴任してきた若い女医がイタリアから来ている建築技師と恋に落ち、島を離れ専業主婦におさまるか、教師を続け女性の自立の道を取るか選択を迫られるラブ・ストーリー。

海を舞台に嵐吹き荒れる中を灯台守の緊急手術に向かう緊迫場面や廃墟で2人が愛を誓い合うシーンなど、フランス映画らしい美しい情景が印象的な作品でした。
傑作!この映画と同じくグレミヨンが監督した『曳き船』にも感じたことが、ラストシーンで主人公の感情が爆発するのがあくまでもその身体の「内部において」であること。とてつもない心の揺れ動きは外面的な行動として示されない。主人公の沈黙がよりいっそう激しさを増し、とつぜん映画が終わる...。傑作...。
町蔵

町蔵の感想・評価

4.0

このレビューはネタバレを含みます

この人の作品はもっとソリッドな印象があったが、本作はメロドラマ。
ミシュリーヌプレールは31歳でやや歳ではあるが気高く美しい。
作中で男が言うように、見開いた瞳が印象的であった。
突如男の誘いになびく辺りはもう一工夫欲しかった。
突然の教師の死にも誰も涙を流さず動揺する。
羊の死は子供たちにとっては教師の死よりも重い。
離島のおおらかな様子と仕事を取るか愛を取るかという古いテーマ。
灯台に向かう船がかぶる荒波が素晴らしい。
この人の作品は全作見てみたい。
hardeight

hardeightの感想・評価

4.3
男女の愛の表象を視覚的な距離によって喚起する手腕に痺れる😌。離れ始めた二人の心はロングショットのカットバックによって、最後の別れの決断は煙草🚬を手にする男とライターを手に握る女のクロスカッティングによって。この愛を分断させる二つのショットは同時に女性の社会的独立性を引き裂くショットにもなっている🤔。
dita

ditaの感想・評価

4.0
@ シネ・リーブル梅田 〜ゴーモン 珠玉の映画史〜   

グレミヨンを観たヨン!とか言うてる場合じゃないくらい良かった…。こういう話はいつの時代にも通じるけれど、映画全体に漂う「品」がとても好き。

女と男と仕事と恋愛、前半はときめきメーターが振り切れ、後半は胸が苦しくなる。求められることと求めること、彼女が選んだ答えの先にある人生に幸あらんことを。

にしても、
「目を閉じてくれ」
「なぜ?」
「君の瞳は魅力的すぎる」
人生で一度くらい言われてみたい(みたくない)けど、わたしの場合は目を開けていても閉じてるの?って言われるんやろうな…一重はつらいよ。
職業婦人と保守男の、現実的で救いのない悲恋物語。今のフェミさんたちが好きそう。
監督のグレミヨンは存じなかったが、コクトー達と活動してたらしい。
芸術的というよりは、堅実で古典的な演出の中に象徴性が光るスタイル。
白

白の感想・評価

4.0
愛とは諦めずに、ひたすらに相手を待つことである。
個人的にベルクソンを思い出す。
ryosuke

ryosukeの感想・評価

3.7
女が男と仕事のどちらを取るかという定番の(そして少し時代を感じる)葛藤をテーマとしたシンプルなメロドラマだが、ウェルメイドな作りと手堅い演出でしっかり見せてくれる。
派手さはないが滑らかなカメラワークのカットが、情感のある緩やかなテンポで繋がっていき、かつ無駄もない。
長閑な島の風景も心地良いし、嵐の海を渡って灯台で手術をするというシチュエーションも良いな。葬式の行列について行く犬。
ちょっと気になったのは肝心の喧嘩のシーンの演技が若干大仰に見えたことぐらい。
何か特筆すべき点があるといった感じの作品ではないが、良いものを見たなという気分にはさせてくれるので満足。
グレミヨンは彼が現役の時代はカイエ・デュ・シネマにスルーされていたということだが、(少なくとも本作からは)はっきりした作家性みたいなものは読み取れなかったので、作家主義を標榜する当時のカイエには無視されたということなのだろうか。
チャップリン「黄金狂時代」のパンのダンスが引用されていた。オマージュ元での文脈を若干忘れていたので、待ちぼうけの場面なんだっけと思ってあらすじを確認したらかなりど直球の引用だった。
ある島にやってきた若き女医。
そこで異国の地からやってきた男性と出会うが「仕事と結婚どっちを選ぶのか?」と迫られ、2つの間で悩む話。
いやー、メロドラマ的な話やん。。
仕事と俺どっち?!なんて言う男なんて捨てれば良いのに...
なんて感じで、見る気が全くなかったのだが、ゴーモン特集がどれもこれも大当たりなので鑑賞!

結果、
当たりだった!!ゴーモン特集...なんなのよ、、こわい、、どれも当たりばかりやん...最高、、、愛してる......。。


スクリーンいっぱいに広がる
風、波、雨、暗闇、
どれもこれも美しい。
映像だけでも酔いしれてしまう素晴らしさ。
その中で繰り広げられる二人の愛。
どっちの気持ちもわかるから余計に辛い。

主人公である女医は、芯のしっかりした女性だったはずなのに、恋によって心がブレブレになる様子も面白い。
きっとこんな女性は今もたくさん居るのだろう。
自立した女の、時代を超えた悩みがそこにあった。

二人の恋愛に色々な人物達のエピソードが絡み、観客を飽きさせない工夫も凄い。

また、後半の
荒波に揺れる船 → 緊迫の手術シーン
この対比が素晴らしい!!
「動」と「静」の天才的な描き方に胸が震える。
そして、男達に囲まれながら1人で手術を行う女医の逞しさ、、
惚れてしまったよ。。

結末もすごく良かった。
あぁ、思い出すだけで泣けてしまうよ、、
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