このレビューはネタバレを含みます
黒と白と赤。美術館に飾られた絵画…人物の圧倒的な絵画的な画作りと影は文字通りの絵画だった。ヴェントゥーラは役名のようだけど、どこかこの世のものとは思えない佇まいと白痴のような言動は、ホース・マネーで…
>>続きを読むリスボン郊外のスラム地区フォンタイーニャスに住むカーボ・ヴェルデ移民たちの暮らしと声を、静かに、しかし極度に様式化されたスタイルで掬い取る。
社会的にも詩的にも、徹底して映画的な表現を探求した作品で…
愛しき妻へ
今度会えれば30年は幸せに暮らせるだろう。お前のそばにいれば力も湧いてくる。
土産は10万本のタバコと流行のドレスを10着あまり、車も1台。
お前が夢見る溶岩の家。心ばかりの花束。
そ…
再見。劇場で初。手の届かぬペドロ・コスタ。この「わからなさ」に生かされる気がする。失われた愛と、革命への憧憬。「エロティシズム=愛」の詩人、ロベール・デスノスを持ってくるあたりも、最高に格好いい。「…
>>続きを読むペドロ・コスタはすごいなあ。
長回しのワンカットに見入っていると、時々自分がなにを見ているのかわからなくなってくる。けれど、面白い。
まるで詩のような手紙の内容がリフレインされ、スラム街の片隅で人…
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人の関係性や時制や場所がよくわからなかったけど、そんなにそういうことは関係なさそうで最後までなんだろうと思って観ていました。幽霊が現世を思いだそうとしてる話なのかなとぼんやりと思いました。
ドアを閉…
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壁によって仕切られた場所を切り取る固定カメラ。窓や扉による空間設計や照明の変化。冒頭の窓からゴミを落下させるという上から下への運動は、カードゲームに興じる際のカードの出し方や木漏れ日を捉えた一連のカ…
>>続きを読む究極に洗練されまくったシネマトグラフ。
カメラが現実を対象としてそこに向かえばそれだけで映画たりうる理由になるのだと言わんばかりに現実の断片を見せ続ける155分。ブレッソンを踏襲しつつ、新興住宅と瓦…