小津映画を追い続けても、まだ不思議に思える非日常的な会話のスローテンポ。表情さえもスローモーションで、こちらが考えることが多くなり、普段より多くの思念や言葉を登場人物に当てる。
これが尾道や東京下町…
「あんたにゃ、今まで苦労のさせ通しで、このままじゃあ私はすまん、すまん思うて。」
「いいの。お母様。私勝手にこうしてますの。」
「でもあんた、それじゃああんまりのう。」
「いいえ、いいんですの…
子どもは薄情。両親がだいぶ歳をとったからか、最近よく思う。親が死んで自分は泣けるだろうか? たぶん泣かないだろうな。じゃあもう少し歳をとって自分が死んだら、子どもは泣いてくれるだろうか。泣いて欲しい…
>>続きを読む小津安二郎監督が、核家族化した大家族の悲哀を老夫婦の視点で描いた世界映画史に燦然と輝く大傑作。胸に押し寄せる圧巻の寂寥感と人情の機微が繊細に心に沁み渡ってくる。何度も観ているが劇場では初鑑賞、しかも…
>>続きを読む家族の物語。
子供の巣立ちは喜ばしいことなのかもしれないが、親子の関係は離れてしまう。
子供たちが多忙なのはわかる。
ただ厄介者扱いされる老夫婦がせつない。
戦死した息子の嫁さんのほうが優しく尽くし…
前後8年程。
世の中の流れの速さ。
田舎に暮らす老夫婦が感じる哀愁。
なんのための「忙しさ」なのか。
なんのために生きているのか。
強烈なメッセージや展開があるわけじゃないけど、歴史に残すべき作…
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