悲夢(ヒム)の作品情報・感想・評価

悲夢(ヒム)2008年製作の映画)

비몽/SAD DREAM

製作国:

上映時間:93分

ジャンル:

2.9

「悲夢(ヒム)」に投稿された感想・評価

netfilms

netfilmsの感想・評価

3.3
 乱反射する街灯に照らされながら、真っ暗な夜道を男の車は疲れ切った様子でゆっくりと走っている。左カーブをゆっくりと抜け、見通しの良い道路に抜けた矢先、男の車は対向車と出合い頭に事故を起こす。慌ててハンドルを切った対向車からはケガをした運転手がこちらに向かい何かを訴えかけるが、あろうことか男は車でその場を立ち去る。だがそれから少し発進したところで、今度は車道を歩く老婆を引いてしまう。その時男は悪夢のような夢から現実に引き戻される。喉の渇きを潤した後、あまりにも生々しい夢が怖くなって、男は当の現場へと行ってみる。するとそこには夢と1mmたりとも違わない凄惨な事故の光景が広がっていた。男は信じられない様子で自白しようと警察に向かうが、あろうことかそこには今回の事件の犯人の女ラン(イ・ナヨン)の姿があった。だが彼女はまったく身に覚えのないことだと無実を主張する。女は事件が起きた12時頃には部屋で寝ていて、早朝5時に警察に叩き起こされたのだと言うのだ。

 女はジン(オダギリジョー)の見た夢を実際に行動に起こす。彼の夢世界の中の住人なのだ。夢遊病者は過去の断ち切りがたい恋愛にピリオドを打ちたいと考えている。しかしそれは彼女にとって最悪な事態を意味するのだ。夢を見る男はランの行く末を見通す。祈祷師は2人が結ばれればそれで良いと語るが、痛みや苦しみを背負った2人は、まずは夢遊病者たちの幻惑のどこかにエラーがないか考えてみる。ヨーロッパやハリウッドならば今作のプロットをSF設定に書き変えただろうが、キム・ギドクは今作の背景に仏教の要素を散りばめ、禁欲的な悲恋として描く。男が女を覗き見たいと考えた時に、夢の世界で彼女の行く末を凝視出来ることはこの上ない喜びに満ちている。ジンはランと別の時間に寝ることを思い付くと、彼女を自分と同じ手錠で結ぶ(幽閉する)。それは夢遊病者たちの彷徨を妨げる行為であると同時に、女を独占する至福の時間となるのだが、睡魔という欲望に魔物が巣食う。ジンがプレゼントした蝶のネックレスは重力に抗うことはないが、もう一人の自分の死を目前に飛翔する。その重力に抗う姿はただただ美しく、儚い。
たむ

たむの感想・評価

3.4
『ブレス』のチャン・チェンさんに続いてきた海外からオダギリジョーさんを主演に迎えつつ、アプローチが変わります。
夢がテーマになっているからか、日本語と韓国語で普通にコミュニケーションが取れる不思議な世界観で物語が描かれます。

この映画での事件が一時期ギドク監督を映画から離れさせますが、想像力と奇怪さ、不可解さはこれまでの作品でも異色の荒唐無稽さ。
夢だからなんでもありの世界観は映画作家を刺激する題材ですが、作家自身を飲み込む事もあります。
筋を通したり、理解しようというのは困難な作品で、体感するのが大切な作品です。

ゆえに非常に観客を選びますし、ある意味で行くところまで行ってしまった映画ですね。
韓国の鬼才といわれているキム・ギドク。
突然の訃報残念です…
その監督作品初鑑賞です。

どの監督のインタビューだったか忘れてしまいましたが、鑑賞者にわかりやすい絵や説明的な演出をするのは、自分の満足いく作品ではないといった内容のインタビューを、読んだことがありましたがこの映画はまさしくそんな印象を持ちました。

監督のこだわりがいろんなところに垣間見えている気がするんですがまったくそのカットや映像の意図することが理解できないんです…

まずは、オダギリジョーの台詞をすべて日本語にすること。
これは見ている途中からなんの違和感も感じなくなったんですが、どういう意味があったのか?(きっと深い意味があったんだろう)

また、夢なのか現実なのかわからない4人全員出てくるシーン。
どういう意味があったのか?(きっと深い意味があったんだろう)

さらに、お寺?で同じことを繰り返すオダギリジョー。
どういう意味があったのか?(きっと深い意味があったんだろう)

そのほかいろいろあげたらキリがありません…

ラストはもうそれしかないという結末で悲しく切ない物語で悪くはなかったんですが、監督の意図するものが何もつかめなくてどう評価していいのかはっきりいってわかりませんでした。

わかったのはイ・ナヨンという女優さんを初めてみましたが、どっかで見たことある顔だなと思ってみてましたが、夏目雅子にすごく似てますね。

最終的にもうひとつわかったのがやっぱりこの監督は、鑑賞者を選ぶ監督ということがはっきりしました…

ご冥福をお祈りします。
hachi

hachiの感想・評価

-
キム・ギドク監督が亡くなったので今まで観たことある映画は「観たよ!」て印付けてく。
ichita

ichitaの感想・評価

3.0
過去鑑賞記録。

痛い痛い痛いです。

オダギリジョーの日本語が普通に通じてるの、ほんやくコンニャク的でおもろ。
ノリオ

ノリオの感想・評価

3.4
キム・ギドクとオダギリジョーという組み合わせにドキドキしない人はいないだろう。



今作は、キム・ギドクが実際に見た夢がその着想のきっかけだったそうだ。

その夢とは
“車の助手席に乗った自分が、ある日自動車事故に遭遇するという夢”
彼の心には、“事故を起こしたのは自分だ”という思いが何故か残り続けたらしい。

その違和感と荘子の「胡蝶の夢」が結びつき、この作品を誕生させた。


別れた恋人を忘れられない男・ジン(オダギリジョー)はその恋人の夢を見る。別れた恋人を心から憎んでいる女・ラン(イ・ヨナン)は夢遊病となって、ジンが夢を見ている間憎い恋人と過ごす。


美術、衣装、ロケーション、は本当に美しく、物語に奥行きを感じさせる。
この辺の映像美は相変わらず素晴らしい。

ある種のファンタジーであるわけだが、驚かされるのはオダギリジョーが日本語で話していることであろう。

特に日本人という設定でもなく、ジンとランは通訳なしで互いの母国語で話し、問題なく意志の疎通をしている。
観ている側はまずこれに戸惑い、そこで躓くとまったく物語に入っていけず、置いてけぼりを食らうハメになる。


キム・ギドク本人は

“愛を描く上で、溢れ出るような感情表現は必須、そのためには自身がもっとも自由にあやつれる言語=母国語を用いることが大事なのだ”

と語っている。

じゃあ、日本人じゃなくて韓国人をキャスティングすれば? とツッコミたくなるが、そんなことは重々承知なんだろう。

前作の『ブレス』では言葉を喋れないという設定があったが、もはやキム・ギドクにとって言葉なんてものはどうでもいいことなんだと思う。

どれほどに言葉を並べても、人の真意なんてものは結局はわからず、言っている本人にとってもそれは同様だったりするわけである。
違う言語を話すという前提は、言語における意思疎通は不可能であるということである。
言語による相互理解では決して到達できない境地を、跳躍するためにこのような方法を取ったのではなかろうか。

ただ、仮にそうなのだとしても、日本語の台詞の言い回しに若干の違和感を感じる。
韓国語の台本を日本語に翻訳した感じが出ており、自分にはその部分が気になって仕方なかった。


それすらもキム・ギドクにとってはどうでもいいことなのかもしれないが、それでもその二重の違和感が残念でならない。

このレビューはネタバレを含みます

オダギリジョー出てたから観た

設定は面白い

子供の時に観たものだからラストの解釈が難しかった記憶があります

もう一回観る
ゴリラ

ゴリラの感想・評価

3.5
キム・ギドク監督の15本目の作品

オダギリジョー×イ・ナヨン
美男美女っぷり半端ない!
(映画内では2人とも変顔させられてる笑)
イ・ナヨンを調べたらウォンビンの嫁さんなんだ!これまた美男美女夫婦
柴咲コウ+戸田恵梨香÷2って感じ

オダギリジョーの韓国語披露か!と思いきや終始日本語やった…
そしてオダギリジョーの日本語が全ての韓国人に通じているって世界観
何か夢っぽいわぁ~
ただオダギリジョーはゴニョゴニョして話すからこっちも字幕欲しかったわ…

夢&蝶といえば、荘子の『胡蝶の夢』
蝶が出てくる夢か、蝶がみてる夢なのかゴッチャになるヤツ
なので観る前からなんとなく夢と現実が混ざる感じかなとは予想してたけど、オダギリジョーが見た夢を夢遊病のイ・ナヨンが実行するって設定が斬新
ただ、これもっと正しい解決作あるだろうに…
予想通りというべきか前半はある程度筋の通った展開だが、後半に入ると色々解釈できる系になっていった
オダギリジョーの夢、イ・ナヨンの夢、パク・チアの夢…どうとってもアリな感じ

キム・ギドク印の痛い系のヤツ
今回は彫刻刀…
終盤はヒャ~ってなったわ!

全体的な美術の色使いが綺麗だった
DVD📀所有、再鑑賞。『絶対の愛』『ブレス』のキム・ギドク監督作品。オダギリジョー、『私たちの幸せな時間』のイ・ナヨン主演映画。

夢を見る男と、彼の代わりに夢の中の出来事を実行に移す夢遊病の女性の不思議な魂の触れ合いを繊細なタッチでつづる。夢と現実の世界が交錯する幻想的で切ない愛の奇跡に涙する。

ある晩、ジン(オダギリジョー)は元恋人の車を尾行していて、突然脇道から飛び出して来た車に追突する夢を見る。そのあまりのリアルさに胸騒ぎを覚えて記憶を頼りに車を走らせると、実際に彼が夢で見たのと寸分違わぬ事故が起きていた。そして、監視カメラにはラン(イ・ナヨン)という女性が事故車を運転する姿が写っており…
りっく

りっくの感想・評価

3.4
「白黒同色」という言葉が出てくる。
キム・ギドク作品共通のテーマだろう。
堕ちてしまった人間に対して、もう1人も同じ境遇まで堕とすこと。それで初めて、真の共感や交感が生まれる。

本作の2人は合わせ鏡のようだ。
決して離れることはできず、互いに堕ちていく。そこから辿り着く最期は哀しくも儚い「胡蝶の夢」だ。
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