アッカトーネの作品情報・感想・評価

「アッカトーネ」に投稿された感想・評価

romio

romioの感想・評価

1.5
長っ!!
パゾリーニの作品を見てみようと、有名なアッカトーネを見てみたのですが、もうマジかよってな話。
登場人物はイタリアのヒモ男たち。そして彼らを養う身を売る女性。
ヒモなんて、やめて盗っ人になろうぜと誘うおっさん。

この映画のダメさ加減が伝わるだろうか。

主人公、アダ名がアッカトーネ(乞食)の彼は。
収入源を失くし、街をただたださまよう。
こういった映画に関しては、こいつを好きになるかならないかがデカい。
最強のヒモ映画、ママと娼婦は220分だが、まったく飽きなかったのに対し。こちらはもうだいぶタルかった。
この作品にびびっと来る人もいると思うので、気になる人にはおすすめしたい。
しかし、マジで、ひもというより乞食。そして乞食軍団。
すげー笑えそうなんだが。
可愛らしさがなかった点が俺には合わなかった。
そしてこいつの人間性が俺にはよく分からなかった。

しかし、こう思い返すとまた見たくなるそんな魅力もある。
良いやつ。内容的に40年代のネオレアリズムに似てる・・・しかし、あの時代のドキュメンタリーっぽいスタイルと違って映像も素晴らしく撮られた。
ネオレアリスモ的趣の感じられるパゾリーニのデビュー作

一日中仕事をせず同じような仲間も駄弁ったり惚れた女とデートしたり、たまに自分が見限られた女房と家族を訪ねたりといったうだつの上がらないクズの話だけど、マジで戦後から60年代にかけてまでこんなニートみたいな男がイタリアに蔓延ってたのならとんでもない状況だ

映画的にはカット割りが多めだったり大根役者が目立っていたのはちょっと気に食わなかったけど、娼婦が客を待つところや子供と会ういくつかの場面等情緒の感じられるシーンが結構あったから嫌いになれない作品だ

しかし昔はアッカトーネ的な輩には軽蔑の念しか感じられなかったのだけど、今では奴ほどではないものの自分も情けない男の一人となったこともあり幾許かの共感も抱いてしまうのが我ながら悲しいが、人の腐敗は余程のことが無い限り回復しないという例として色んな意味で心に焼き付けたい
イワシ

イワシの感想・評価

4.1
トニーノ・デッリ・コッリの撮影が神。シルヴァーナ・コンシーニが暴行を受けるシーンの撮影がカッコ良過ぎた。真っ暗な夜の背景、車のヘッドライトだけが光源となり、もつれる人々を映し出す。フランコ・チッティが幼い息子のネックレスを盗むシーンの手の動きが、まるで愛おしむかのようで素晴らしい。

凄く細かいところなんだけど、ラストのバイク事故で、地面に倒れるフランコ・チッティの頭が道路の縁石にくっついてるのが、地味だけど残酷な感じがしてよかった。
梅田

梅田の感想・評価

4.2
ピエル・パオロ・パゾリーニ初の長編監督作。売春婦のヒモとして生きている青年アッカトーネが、純真な女性と恋に落ちることで真人間になろうとするが……。デビュー作にしてこの辛辣なタッチ、と言うべきか、あるいはまだ男女の恋愛や労働といった若者的で普遍的な悩みが題材になっているあたりとっつきやすいと言うべきか。
アッカトーネが恋人の処女性にこだわるのはおそらくキリスト教的なモチーフが関係しているのだろうけど、この辺は正直あまりついていけない。そのかわりギョッとするのは川辺のシーン、主演のフランコ・チッティの顔を泥だらけにする演出で、このショットだけでも後のパゾリーニ映画の片鱗がビンビン伝わってくる。もちろんここで、アッカトーネは半笑いなのである。パゾリーニの映画における笑顔とか笑い声って、どこか空っぽな感じがして、演出意図にあるのかどうかはわからないけどなんだかゾッとしてしまう。
noriko

norikoの感想・評価

2.0

このレビューはネタバレを含みます

一人の男が破滅する様を描いていますが、このテイストで117分は長い。
前半は「主人公死ね」と頭から湯気が沸いていましたが、後半は重くなる瞼との格闘。
だって中期以降のブレッソンに近く、感情移入をするのが重労働なんですもの。
淡々と粛々と屑っぷりを見せつけられ、彼の徹底的な破滅を期待するほど、アッカトーネに嫌悪感を覚えました。

労働なんて堕落した人間がするものと豪語し、愛人を娼婦として働かせた挙句のピンハネ、前妻との間の子供が持っているネックレスを強奪。
死ねばいいのに。
と中盤まではそれでも、「死ね」という負の感情によって、鑑賞モチベーションを維持できていました。

後半はだれてだれて、徐々に瞼が重くなってきました。
一人の女に出合い、初めて恋を知ったアッカトーネ。
改心して労働するも一日で音を上げ、泥棒稼業にいそしみます。
その途中刑事が登場!(多分ね、ちょっとウトウト中)
仲間を置いてきぼりにし、スクーターで逃走を図るも支柱に激突し、死亡。
ハレルヤ!
最後の逃走劇で「屑だな~死ねばいいのに」と思って、瞼が開きかけました。
そしてアッカトーネが死んで瞼が全開。
間髪入れずにエンドロール、ありがとう。
気分良く、目覚め良く映画が終わりました。

そして振り返ると、やっぱり長いという感想が一番残りました。
これは、86分が妥当です。
ストーリーに大した起伏もない写実的な映画で、117分は嫌がらせの世界です。

因みに、主役のフランコ・チッティ、どっかで見たことがあると思ったら、「アポロンの地獄」の主役!そして「豚小屋」のやさぐれ者!
パゾリーニ監督映画ばかりに出ているようですね。
いちいち冗長なところが好き。反省のない奴は殺されるという映画的な運命を逆手に取ったような夢の機能が巧みでよかったけど、足が臭くて笑っちゃうシーンを挟み込む感じがパゾリーニ作品では死後のイメージを出してくる気がするし、こんだけやっても悲惨さに傾かないからいいですね。あと、殴りかからず、抱きつきにいって女の弟にボコボコにされるところでの効果が絶大になるような音楽の説得力!
最初のほうはいかにもネオリアリズモな感じでぼーっと観てたらだんだん我慢出来なくなったのか、やはりやらかしてました。
四方田犬彦の本に、パゾリーニの映画音楽の垂直的適応性みたいな事が書いてあったけど、改めて読むとなるほど〜って思いました!バッハの名前にもまったく物怖じしない感じがいいよね、天才はこうでなくちゃ。
hitomi

hitomiの感想・評価

3.8
パゾリーニの監督デビュー作。下層プロレタリアートの実際の日常であろう映像に少しショック。希望の持てない毎日。
それがさらに悲劇を呼ぶ…
パゾリーニのデビュー作。働く事は下司のやる事だと言い 女に売春をさせてヒモとして飲み食いする男の話。貧困街で自分達なりのプライドを何とか保ちながら生きている若者達。生きて行く為には愛すら換金する時代に ほんの少しだけ神を垣間見た若者のドラマ。空腹では愛は語れない。パゾリーニ作品を被う孤独感が大好き。
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