太陽の少年の作品情報・感想・評価

太陽の少年1994年製作の映画)

IN THE HEAT OF THE SUN

製作国:

上映時間:128分

ジャンル:

3.8

「太陽の少年」に投稿された感想・評価

koya

koyaの感想・評価

4.5
『紅いコーリャン』『芙蓉鎮』などの男優、チアン・ウェン(姜文)が初監督した映画であり、この映画で少年を演じたシア・ユイ(夏雨)は、当時17才でヴェネチア国際映画祭の主演男優賞をとりました。
中国での金馬賞でも、監督賞ほか、賞をたくさんとってしまったって・・・・俳優出身の監督の初監督作品でこれだけの事ができた、というのが凄いことだと思います。

 観てみると、初々しさというものが全くなくて熟練・・・すら感じる完成度の高い映画。
まず、設定は1970年代初頭の北京。文化大革命の最中なのですが、大人の男たちは、労働や下放で地方に行っていまい、北京の街は子供たちが自由にのびのびとしていたのだ、という目のつけどころがいいです。
大人たちの目の届かないところで、走り回る子供たち。

 シャオチュン(シア・ユイ)は仲間たちとつるんでは、遊びほうけていて、家になど寄りつかない。
そして、合い鍵を作る事が得意で、留守宅に入りこみ、盗みはしないけれど、他人の家の中を歩き回ったりしている。
そんな時入りこんだ家・・・・壁に水着を着たキレイな女の人の写真がはってあり・・・目を奪われてしまう。
その写真は部屋の住人、ミーランという女の人でした。

ちょっとふっくらしているけれど、目がぱっちりしていて、ハキハキと自分の意見を言うミーラン。
キレイなお姉さん、ミーランに近づきたいあまり、色々な手を使うシャオチェン。

 この少年、シャオチェンが本当に、イキイキとしていて、くるくると変わる愛嬌のある表情、するすると猿のように家の屋根に登り、すたすた~~~っと屋根の上を走る。ちょこまかしている様子が実に可愛げがあるのですね。
この映画は暑いひと夏の物語であり、その暑さの出し方も風景から、子供たちから、ミーランが水で髪洗うところから、季節感も実によく出ていました。

 ひとことで言えば、「夏の思い出」というジャンルなのですが、シャオチェンはミーランとつきあおう、とは思わない。
「お姉さんになってください」なんて言うのです。性的なものよりも、キレイなお姉さんと一緒にいたい、という子供の気持ギリギリスレスレ。

 最初は、相手にしなかったミーランも可愛いシャオチェンに慕われると、まんざら悪い気もしなくて、「いいわよ、お姉さんになってあげる」
嬉しくて、仲間に紹介してしまうシャオチェン。
でも、仲間と親しくなってしまうと、僕のお姉さんじゃなくなってしまう事に後から気付くのです。

 仲間たちは、プールで泳ぐ。ミーランと距離が出来てしまった、しかも仲間の兄貴分とつきあう事になってしまったシャオチェンを、元の仲間たちは仲間はずれにする。
高い飛び込み台から、飛び込むシャオチェンが水から出ようとする頭を足でこずくのが、水中から描かれていて、その拒絶がとても怖くて美しい。

 閑散とした街には、女子供しかいない。そんな中にクルクルという知恵遅れの少年がいて、いつも木の棒の木馬にまたがっている。
シャオチェンたちはクルクルを、仲間にはしないけれど、いじめもしない。
むしろ、クルクルをいじめるグループには喧嘩をふっかけるのです。

 そして、ひと夏が終わり、それぞれがそれぞれの道を歩む。もう、つるむことはない。
現代になって集まった仲間たち。

 シャオチェンを監督したチアン・ウェンが演じていますが、車に乗っていると、歩道にクルクルが昔のように木の棒にまたがって、「よお~~~」と声をかける。

 クルクルが、あの夏の象徴だったのでしょうか。無垢で、怖いもの知らずだった子供の頃に一瞬にして戻り、また現実に戻る。
木の棒にまたがるクルクルの一瞬の姿をとらえたシーンがとても印象的。誰ともつるまず、ひとりで楽しんでいたクルクル。
大人になって変わってしまった仲間たちとは対照的ないつまでも変わらない永遠の少年。

 太陽の少年というのは日本語タイトルですが、本当の太陽の少年はクルクルだったのではないか、と思います。
文化革命の最中にも青春は有った
青春はいつでも甘く切なく
何処かほろ苦いおもひで
大人が労働や下放(インテリ層を中心に農地での労働を通じて共産思想の再教育をする場)の為人気のない北京の街で合鍵を作って家々に侵入して遊ぶ様が新鮮です。池袋文芸坐での中国映画と中国プロガバンダ映画特集とかなんちゃらの時に奥さんが日本人在留孤児のため帰国事業で来日して来た旦那さんと一緒に見に行きました
文革の嵐においても、少年達の夏は輝いていた。
甘酸っぱい青春を思い出したいヒトは必見。
70年代初頭、文化大革命下の北京に生きた少年のひと夏の恋を描いた青春物語。
あやき

あやきの感想・評価

4.2
2017/2/18鑑賞
姜文さんの初監督作。最近の監督作はドンパチやっているイメージがどうしてもあったので、若き頃の青春時代を描いた優しくも辛い作品が作れてしまうというのと、これが初監督作という衝撃が凄まじい…
姜文さんの少年時代の思い出とベストセラー小説を融合させた内容になっているので実際にあったエピソードがどこか気になりつつも、虚実の入り混じった構成と70年代半ばの北京の日常がとても美しかった。
監督が触発された「カヴァレリア・ルスティカーナ」がBGMとして何度も流れるけど、北京の風景と相性が良くてノスタルジックな世界観は多分暫く頭から離れないと思う…情熱的で初々しくて眩しい夏を生きる少年少女達が羨ましい。クライマックスの描写は残酷でとても辛いけど、何十年後かに再会する姿に報われたかな…。
Mouki

Moukiの感想・評価

3.5
記録

これ1994年の映画だっけ?
日本での上映が遅かったのかな。
青春映画の名作です!

ノスタルジック
瑞々しさ
甘酸っぱさ

がピッタリの作品。
昨夜の「玲玲(リンリン)の電影日記」の主演者 シア・ユイ繋がりで思い出し。

ジョージ・ルーカスの作品になぞらえるなら、紛れもなく~香港グラフィティ~の傑作の1つ。
GFパート3のラストシーンでも使用された大好きなあの名曲が、まるで本作品のオリジナルスコアであるかのような錯覚に陥るほど映像とドンピシャにマッチしています。
主人公が、
『私の人生で最高の1日だった』
と語る並木道の映像は、数ある並木道の美映像ランキングでベスト10には入るであろう美しさ☆彡(他にも美しい映像が満載)

~追記~

スクリーンの上 楽しそうに
はしゃいでる 二人
隣で観ている お前
涙流しては拭ってる

どうした?ってハンカチ
今は差し出せないよ
後悔の二文字
あぶりだされてしまいそうで

お前がこの映画 最後に観たいと言った訳は
分からなくないけど もうどうにも出来ないよ
お前と過ごした日々が セピア色して通り過ぎてく
出会った頃の二人 霞んで見えるサヨナラだね…


字幕を借りて 今の気持ち
台詞にするなら
愛し合ったじゃないか二人
時間溶かして薄めてまで

結末を待たないで 
お前席を立ちあがり
『馬鹿ね、私…余計辛くなるだけなのに』

お前がこの映画 最後に観たいと言った訳は
分からなくないけど もうどうにも出来ないよ
お前は最後まで ベストヒロイン演じてくれた
思い出飛び交うけど 背中向けるよラストシネマ

演じ切れない…ラストシネマ

最近映画のソフトを探すために押し入れを探索しているのですが、懐かしいものがウジャウジャ出てきます。
どうやら中1の時に書かれた歌詞(注釈に曲ありとあるので)らしく、ご丁寧に絵コンテまで書いてあるのですが全く記憶にない(笑)
ロクに恋愛経験もないクソガキが、おそらく何かに感化されて書いたのでしょう。
今読んでみると吹き出してしまう^_^;
数十年前に、壁ではなくテストの答案用紙に殴り書きされた吹けば飛ぶよな青春グラフィティ☆彡
ILLminoru

ILLminoruの感想・評価

3.5
中国を代表する俳優であり、極限状態の人間ドラマ傑作”鬼が来た”の監督 チアン・ウェン(スターウォーズ ローグ・ワンにも出演)の青春映画名作。

少年期の想い出をノスタルジックで甘酸っぱく、瑞々しく描いています。

窓から部屋に射し込む光が印象的。

ラスト周辺のシーケンスは観ていてキツイなーと思いつつ、まぁ、自業自得だよなぁー。

この少年のある夏の想い出は甘美的であり、黒歴史であるのが、心に刺さります。
385

385の感想・評価

4.5
映画好きの中国の友達おすすめの作品。すごく好みな映画だった。。。
原題の《陽光燦爛的日子》って綺麗だな。光の撮り方が上手くて、画面がずっとキラキラしてた気がする。少年たちの汗とか夏の匂いまでも画面から伝わってきそう。
正統派イケメンではないけれどどこかやんちゃそうで味のある主人公もすごく好きだし、何よりヒロインの弾けるような瑞々しさが魅力的。
>|