映画は影の芸術だと大林宣彦は言った。黒沢清作品の真髄はまさに照明だ。光と影を統御し、現実によく似たすこしふしぎな世界を構築する。
僕は深津絵里さんが好きだ。初めて見たのは多分踊るの時だったろうか。見…
このレビューはネタバレを含みます
岸辺の旅。
陰気なような陽気なような、どこか間の抜けた飄々とした空気で物語が運ばれていく。
淡々としたストーリー運び、画と美術(小綺麗な感じ、それでいて少し陰鬱な街)、演技の少し演出過多感(何気…
死んだ夫が帰ってきて妻と旅をするという、ややともすると陳腐なファンタジーになりそうなところを黒沢清監督の異物感を感じさせる撮り方がぐっと作品に趣きを加えていて引き込まれる。人と人の出会いの儚さと愛お…
>>続きを読む死への尊厳と狭間で生きる愛を描いたヒューマンドラマ。ホラー的描写も交えつつ夫婦の愛を"死"という題材をベースに話は進んでいきます。
僕は昔から普通の人とちょっとズレていていつも自分が死ぬ時の事や自…
萌芽することのなかったノスタルジーですらも、そのエネルギーは計り知れないものがあり、時に人を暴力的に揺さぶる。もしかしたら体感し得なかった現象の方がロマンがあるのかもしれない。黒沢清の通奏低音のよう…
>>続きを読む失われた時間を取り戻す夫婦のロードムービー…と書くとありきたりでつまらなく聞こえるが、それを黒澤印の違和感で味付けした変な映画。
登場シーンから新聞配達エピソードまでの、浅野忠信の存在の把握できなさ…
気持ちがリンクして観れたおかげでとても無になれた。
無というすべての感情でこの作品を観れた。しもかげさんがとても怖かった。
しかしこの生きた者と死んだ者の普通に歩むこと、そして平凡という人生がどれ…
(C)「岸辺の旅」製作委員会