潤の街の作品情報・感想・評価

「潤の街」に投稿された感想・評価

このレビューはネタバレを含みます

こんな名作を何故ソフト化しないのか。もう一度見たい映画の一つです。私が中学一年の時に親と一緒に観た映画です。潤子がとても魅力的に描かれており、個人的には当時、とても美しい女性に思えました(今見ると、変わるかも知れませんが)。

原作は城戸賞受賞作。人種差別をテーマに据えていますが、同じく人種差別をベースにした同時期の「ミシシッピー・バーニング」より爽やかに描かれているので、殺伐とはしません。ですが、だからこそ余計に台詞一つ一つが胸に刺さるのです。

「お前、わしらが何で日本語しゃべってるのか、知ってんのんか?」
「何か一つ新しいモン手に入れるためには、これまで持っとったなんか一つを捨てなあかんねんで」
「うちが日本に帰化してもうたら、何が残る。何も残らんわ。雄司、うちのことほんとに好きやったら、反対に帰化して、朝鮮人になってくれる」
これほど真正面から差別問題と向き合った青春ドラマも珍しいと思います。
また、大阪府生野の当時の生活風景も丁寧に映し出されていますし、主演の姜美帆は素人ながら、堂々とした演技で、台詞に説得力をもたせています。

予算オーバーによる二度の中断を余儀なくされたが、その甲斐あってこんな良質な作品が生まれたのです。
私は所謂、韓流ドラマは一切観ませんが、この映画だけは特別です。

是非ディスク化を切望します。