夜さえも寝静まった時間に、薄暗い部屋でこれを観るのは幸せだと思う。何を映画にするか、どこまでが映画に成り得るか、足り得るか、という実験的な試みがこの時代にはあった。今はそれが枯れてしまった。手紙を受…
>>続きを読むこのレビューはネタバレを含みます
【故郷とは】
大都会ニューヨークの70年代当時の様子と、ひたすら朗読される母親からの手紙。
無機質な都会の雑踏と人間的な故郷の香りの対比がとても面白い。
これは恐らく70年代や80年代の東京に…
紙やインクの質量は失われ、音として還元される母の手紙。過剰な愛情はアケルマンの冷静な声によって相対化され、その声すらも街の騒音で掻き消えてしまう。ほぼ屋外で撮影され、アケルマン的個室の内部は映らない…
>>続きを読むニューヨーク。
街行く人はごく一部がピントにのり、奥行きが感じられる。人が映らない風景はパンフォーカス気味。それでも立体的な空間が際立つ。
フレームを出入りする、フレーム内で現れては消える人物。
電…
かなり実験的作品で、ストリーミングで鑑賞の為、途中で挫折するかもと思ったけど、偶然映し出される70年代のニューヨークの街や人に釘付けになる。
地下鉄のショットとか、面白かった。
当時のニューヨーク…
シャンタル・アケルマン監督『故郷からの手紙/家からの手紙』(1977)
愛娘へに書き施す言葉に憑依する人生のさまざまな憧憬や哀しみ。
届いた言葉もまた街の喧騒に掻き消されていく。
ひとつの孤独がま…
傑作『東から』に先行するドキュメンタリー作品。開巻直後は裏通りの無人の風景が続き、次第にメインストリート、地下鉄電車内、地下鉄駅構内といった人通りの多い場所に移行する。数多の人々を剥き出しで捉える手…
>>続きを読む何か凄い映画
落書きだらけの地下鉄にゴミの吹き溜まった道路に煉瓦の建物1970年代のNYで自分が暮らしてる気分で観て楽しかった。
母親からの手紙は決して楽しい内容ではないし10日音信不通だけで心配…
Collections CINEMATEK - ©Fondation Chantal Akerman