劇場版クレヨンしんちゃん第24作目。
監督は再び高橋渉にチェンジ。
脚本は高橋渉監督と芸人の劇団ひとりが担当。
“夢”を題材としてるだけあって、シリーズの中でもかなりファンタジー要素の強い作品だったと思います。子供の方が夢のエネルギー ユメルギーがたくさんあって、大人は小さい。やはりみんな大人になるにつれて、現実の事でいっぱいいっぱいになってしまい、夢を持つ余裕なんてなくなってしまうもんですね。しかしながら、今作の野原夫婦を見て、大人でも夢を持ち生きていくのもなんかいいなぁ〜と思いました。そういう目標的な意味合いの夢は自分次第ですが、寝てる間にみる夢は自分ではどうにもなりません。楽しい夢もあれば悪夢もある。序盤はみんな自分がみたい、文字通り夢を存分に楽しんでいて、その描写はなんとも可愛らしく微笑ましかったです。そして悪夢の描き方もしっかりと怖かったです。自分も子供の頃悪夢をみた時は親に慰められていたなぁと昔を思い出しました。ヒロインのサキちゃんの悪夢の原因、そして乗り越えるのをみて、夢って自身では気付かない潜在意識の部分を垣間見ることができるものだという捉え方もできました。悪役もヒロインのお父さんということで、動機は娘を守りたいから。そういう意味では全否定はできないキャラクターだったと思います。そんな比較対象がいて、野原夫婦の素晴らしい親っぷりがまたまた実感できました。今回は特にみさえが最高。｢きらわれたっていいから自分の子供を守りたいだけ｣。どんなに怒ろうとも、味方でいてくれるんだと母親への感謝が募ってきます。さらに今作は親子愛だけではなく、カスカベ防衛隊も活躍するため、友情も存分に感じれます。特にネネちゃんがいい！ぶつかり合うこともあるけど、女の子同士の友情も素晴らしいですね。
声優陣では安田顕と吉瀬美智子がサキちゃんの両親で出演。そして毎度おなじみの芸人はとにかく明るい安村！今回はなんと履いてま･･･。そして夢を食べるバク繋がりで大和田獏も本人役で出演。｢久美子ー！｣と叫ぶシーンがありますが、今となってはちょっとしんみりしちゃいます。それから声優でいうと、ひろし役の藤原啓治が今回で最後のクレしん映画への出演となりました。純粋に声がカッコイイし、野原ひろしを最高にかっこいい父親にしてくれました。
ケツメイシによるエンディング曲、イントロが一家団欒のBGMっぽくて歌詞も作品とマッチしていてイイ！
親子愛、友情、そして夢の素晴らしさをクレヨンしんちゃんらしい笑いと感動で伝えてくれる作品でした。
今回の個人的ひろしの迷言
｢頭は下げてもパンツは下げるんじゃない｣
