世界の作品情報・感想・評価

「世界」に投稿された感想・評価

["世界"で働くのに世界を知らない人々の物語] 60点

完全に物語がタイトルに負けている。色彩が狂っているわけでもなく、ショットや挿入されるアニメにこだわりがあるとも思えない。ただ、荒涼感の漂うロングショットや乾いた空気感は好き。過程を示さず、原因と結果のみを与え続けるのも好き。でもやっぱり、あのジャケ写とタイトル「世界」だけ聴くと本作品なんかよりもっと狂った作品を期待してしまうのも事実である。

ジャンクーが何を言いたいのか上手く汲み取れないが、"世界"で働くのに世界を知らない人々の物語であることは明白だ。ただ、そこに"世界"に対する拘りが見えないのが残念だ。ミクロだろうがマクロだろうが彼女たちはそれでも"世界"の一員として生きていくということなのだろうか。そうなると世界公園(ミクロ)自体の存在感が圧倒的に薄い。

ジャ・ジャンクーはジャジャン拳としか思えないんだけど、大変失礼だからこれ以上は言わない。みんな思ってると思うけど初ジャンクー作品だから許して。

追記
映画でタロットカードを作るとすれば、"世界"の札は本作品にする予定だったがあまり気に入らなかったので止める。ちなみに、これまで見てきた中で決まっているのは「鉄路の白薔薇」が"運命の輪"だけである。
netfilms

netfilmsの感想・評価

3.9
 ジャ・ジャンクーの映画では経済成長を武器に激動する中国を背景に、時代の流れに取り残された中国社会の底辺を生きる人物たちの物語を切り取る。彼の作品の中でしばしば舞台役者や踊り子が描かれるのは、中国の伝統に根ざした職業だからであり、現代における急速な進化と対をなす事象として描かれる。彼の映画の中では富裕層は1人も出て来ない。主人公たちの雇い主はいつも金払いが悪い人間で、登場人物仏たちは金回りが悪い。今作の主人公は「世界公園」というテーマパークに所属するタオ(チャオ・タオ)である。黄緑色の衣装を来て、華やかに踊る姿はこの劇団の華であり、楽屋でさえも優雅に闊歩する。その佇まいはまさに大スターのものだが、その実寂しい生活を送る26歳の普通の女性である。「世界公園」というテーマパークは、世界に行かずに行った気になれる施設として作られたミニチュアのような街並みである。フランスのエッフェル塔やエジプトのピラミッド、それらが何分の1かのスケールで忠実に再現される。けれど所詮はイミテーションであり、偽物にしか過ぎない。世界は常に激動し、中国も変貌していくが、ここで働いている人たちは、監獄のような小さな世界に閉じ込められる。

 タオには公園の守衛主任であるタイシェン(チェン・タイシェン)という恋人がいるが、なかなか進まない関係性が彼女を焦らせている。真摯に一生をかけて芸事を極めんとする女性など1人も出て来ない。世界に行かずに行った気になれる「世界公園」に勤めながら、皮肉にも彼女たちはここではないどこかへと行きたいという願望を強く抱いている。一見華やかに見えたタオの生活のベールが徐々に剥がされていく中盤の描写は熾烈を極める。ようやく結ばれたかに見えたタイシェンとの関係は彼の浮気、偽造パスポートの発行という秘密で徐々に暗礁に乗り上げる。同僚のウェイは恋人ニュウの嫉妬深さに遂に我慢出来ずに別れを切り出すが、ニュウは自身の衣服を焼いて死のうとする。ようやく仲良くなったロシア人は奴隷のような生活に耐えかね、ホステスに身を落とす。可愛がっていた青年は夜の建設現場での事故で突然死に、ダンサーのヨウヨウ(シャン・ワン)と親会社の重役の不倫現場を目撃した次の日彼女は団長に昇進する。どこにも救いのない閉塞感が主人公を覆う。

 パスポートもないまま、世界のどこへでも行き来できる空間にいながら、皮肉にも彼女はあまりにも困難な現実に直面し、国を出ることを願う。タイシェンはチュンに偽造パスポートを手配し、パリへ逃すが、自分と恋人であるタオは依然としてこの「世界公園」の敷地を出ない。携帯電話の使用が男女の言いようもない距離感を作り、突如アニメで切り取られたファンタジーのような映像が現実世界をぼかしてしまう。
Jeffrey

Jeffreyの感想・評価

3.0
‪「世界」‬
‪賈樟柯の映画は長江哀歌と罪の手ざわり、四川のうた、脚本を担当した山河ノスタルジアしか観た事がなく長年気になってた本作が図書館にあり初見。130分以上の本作は変わり行く中国…とりわけ北京を舞台に人々の苦悩、エネルギーを彼らしい収め方で描写してる作風で劇中の世界公園が良かった。‬
エテ吉

エテ吉の感想・評価

2.9
高く評価されている映画なので、前知識も何もなくツタヤで手に取った私の感想はかなり浅い。あしからず。

世界公園で華やかなダンサーを勤めながら恋愛、結婚、仕事、将来についての漠然とした不安を抱えて…
みたいなあらすじだったので、同じ年代が何か希望が持てるストーリーかと思った、なんか主旨が違ったようだ。
毎回思うけど、リアルな中国の日常を描いた映画って、なんか色味がなくて殺風景だ。殺伐感は、共産主義ゆえのものか…??
どうしても映画に華やかさ(非日常性?)を求めてしまう自分には物足りない。

世界公園のショータイムはすごく華やかだったけど。

映画によって元気をもらいたかったので、気分にはマッチしなかったけど、きっとすごく鋭敏なセンスによって撮られた映画なんだろう、ということは分かった。

しかしもっと明るくしてほしかった。
好き。何もない、やるせない、でもどこか光のある感じ。ふんわりしたことしか言えなくて情けないけど。
主人公の服に鈴がついてて、動くたびに鳴るのがかわいい。色彩の鮮やかなシーンとそうでないシーンとのギャップが良い。あとショーの踊りはまじで最高。
ところどころ挟まるアニメーションは「よくわかんないけど監督がやりたかったんだろうな」という感じで、なくてもいいと思った。
ジャ・ジャンクー監督の極彩色映画。
また、実写映像の合間にアニメ場面を挟むなど、やや実験的要素も感じられる作品になっている。

ダンサーらしき役で登場するチャオ・タオが、いつになく色っぽい。

「世界公園」という実在のテーマパークを舞台に、さまざまな人間模様が描かれている。

ジャ・ジャンクー監督の佳作。
あちゃ

あちゃの感想・評価

3.0
ジャにしては、というより青の稲妻よりは生々しさがないかわりに丁寧に撮られているところが良い。だが、長江哀歌と比べるとそれら2作品の良いとこ取りなので弱く感じる。途中のアニメーションや東京物語のテーマだったり好きなものを入れてるのはわかるが、空回りしてる気がする
ysm

ysmの感想・評価

4.0
剥がれかけた壁。ブルース・リーのストラップ。タイタニックのポスター。CAの夢。不信、友情、若者。
面白いシーンはいくつかあるけど単純に好みじゃなかったなぁ、てか人がいっぱいで誰が誰かわからんかった…

2004年の中国、北京を感じられるのはいい。中国の映画ってあまり見れないからな〜もっと街の様子とか映画に出して欲しい、中国の大量の人が交通機関とか観光地に集まる様子見てるだけで楽しい(のは私だけ?)

中国人の日本に観光に来るおばちゃんたち主人公にしてコメディ映画とか作って欲しいな笑笑
日本の映画には期待していないから、日本の偉い人はアジアの有望な人に金をぶんまわし続けて欲しい。
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