彼らが本気で編むときは、の作品情報・感想・評価

「彼らが本気で編むときは、」に投稿された感想・評価

ろ

ろの感想・評価

4.8
「男とか女とか、もはや関係なかったんだ」

すごい、日本でもこういう映画、撮れるんだ。

「リリーのすべて」に涙した2016年。
世界で初めて性転換手術を受けたリリー。その延長に、今作の主人公リンコがいる。
映画と映画の繋がりを感じて、なんだかすごく感動しました。

そして、今作はたくさんのテーマを盛り込んだ見ごたえのある物語。
LGBTだけでなく、ネグレクトやいじめ、介護などなど。どのテーマも現実味があって、とても面白い。果物たっぷりのロールケーキのように、どこを切っても美味しい映画です。


〈あらすじ〉
小学5年生のトモは母親と二人暮らし。
しかし母親は家事・育児を放棄し、トモはいつもコンビニのおにぎりを食べていた。
そんなある日、母親が家出。トモは叔父であるマキオの元に向かう。マキオはリンコという恋人と一緒に暮らしていた。

トランスジェンダーの女性リンコに戸惑うトモ。
しかし、トモの頑なな心はリンコの愛情によって徐々にほぐれていく。

トモにとって、初めてのことだらけ。
温かいご飯を囲む食卓、清潔感のある部屋に、「おかえり」と言ってくれる人の存在...。トモは初めて人の温かさに触れる。


私の大好きな場面。
公園でお母さんと一緒に遊ぶ子どもたちを羨ましそうに眺めるトモ。リンコに作ってもらったお弁当を開けてみると、可愛いネコのおにぎりやタコさんウィンナー!思わず「わぁ...!すごい可愛い!」と声を漏らすトモ。生まれて初めてのキャラ弁に感激したトモは、そのお弁当がもったいなくてなかなか食べられない。
家に帰って食べてみると、お腹を壊してしまった。
そんなトモを見て、リンコは言うのだ。
「可愛くて、可愛くて、どうしよう...!」

リンコは次第に「トモの母親になりたい」と願うようになる。

物語の終盤、トモの母ヒロミが帰ってくる。
「このままトモを放っておくなら、俺たちが引き取りたい」
「母親である前に、女である前に、子どもを守るのは大人の義務じゃないですか」
マキオやリンコの言葉に、ヒロミは言い放つ。
「この子が生理になった時、教えられるの?女の体のこと、あなた達は教えられる?」
そんな母の姿を見たトモは...。


私の好きなキャラクターはトモの同級生カイくん。
ホモだとか、弱っちいやつだとクラスでいじめられている彼。(小学生・中学生のいじめとは、なんと無邪気で残酷なのだろう...)
彼は年上の先輩(男の子)のことが好きになる。そして、想いを告げようとラブレターを書くが...。
彼もリンコと同じような苦しみを味わっている。誰にも打ち明けることが出来ず、一人悩んでいる。母親にも理解してもらえなくて、恥ずかしいばかり。
カイくんの存在は物語の中でとても重要。彼はリンコが特別な存在ではないことを教えてくれるのだ。


この物語に出てくる人たちは、編み物や音楽によって悲しみや怒り、悔しさを紛らわす。そうやってバランスを取って生きている。
老人ホーム住まいのマキオの母も言っていた。
「お父さんが浮気をして出て行ったとき、ひたすら編み物をしたの。何かしていないと気が変になりそうで。マキオのセーターやマフラーをせっせと編んだわ。結局ダンボール5箱分にもなったのよ」
それを聞いて「ああ、私だってそうだ」と、ふと思う。
私も何か嫌なことや落ち込むことがあると映画を観る。
その瞬間だけは全部忘れられて、映画が私の鬱憤を吸い取ってくれているように感じる。

人は弱く脆く不安定。
それを支える”何か”が必要なんだ。

同時に映画を観ながら思ってしまう。
桜の花びらがサラサラと川に流れていくように、私たちの嫌なこと全部水に流せたらいいのにね、と。


映画の余韻に浸るように、鑑賞後 私はおにぎりを頬張った。
トモの悲しみが詰まったコンビニのおにぎりではなく、ちゃんとデパ地下で買ったおにぎり(笑)
トモがあさりの佃煮や切り干し大根が好きだと言っていたので、あさりのしぐれ煮おにぎりをチョイス。炊き立てのお米の香りがして、甘くてしょっぱくて、とても美味しかった。


心がじんわり満たされる、この季節にぴったりの作品でした。
MoMiJi

MoMiJiの感想・評価

4.5
女より母親より大人として子供を守らなくちゃ

りんこさんの性に関する事もクローズアップされていたけど、大人として接する姿に女性よりもまず、人間の大人としての覚悟を感じて、性癖または性の不一致などとは全く関係なく彼らが大切な人や自分のために真剣に生きている様子が描かれていたと思う。
生田斗真さんの女性らしい仕草や喋り方までとても素晴らしいと感じました。

お姉さんのどうしようもない感じが見ていて辛い。
優しい気持ちになる映画。
トランスジェンダーだから、とかそうじゃなくて優しい人がたまたまトランスジェンダーだっただけ。
血の繋がりが本質じゃないんだよな、と思う。

みんなで編み物してる様はちょっと笑えるし、女の子の行動が強くていじらしいとこもすき。
生田斗真美しすぎる。
aoiiiide

aoiiiideの感想・評価

4.0
家族の形はそれぞれ....
kao

kaoの感想・評価

3.7
リンコさんにお母さんが初めての下着をプレゼントするシーンではなぜか無性に泣けた。生田斗真美しすぎる。
kana

kanaの感想・評価

3.9
邦画を舐めるわけではないけど、邦画なのによくできてるー!

ほかの方がおっしゃるように、たしかにお話的には邦画版チョコレートドーナツ🍩それでもトモちゃんと生田斗真がすごく良かったので、この評価!
だてり

だてりの感想・評価

4.1
作品中1回も泣きませんでした。映画見て泣かないの久しぶりでした
それほど本当にあり得そうで不思議なお話でした

自分自身ジェンダーのことに興味があって、そういうことについてたくさん勉強したり、話も聞いたことありました。それでいて映画の宣伝が「生田斗真の女装姿がすごい!」しか聞いていなくて、どうせただ最近色々と注目されているLGBTの波(?)に乗った作品なのだろうと思っていました。
でも、それが違いました。
生田斗真の演技力は勿論凄くて、所作とか話し方は「女性らしさ」そのもので美しかったです。

ただそれだけではなくて…リンコだけではなくて、他の登場人物がそれぞれ色んな人物を表していて良かったです
偏見を持って軽蔑する人、完全に受け止める人…そして親の気持ち…色んな人を見て、自分の考えと人の考えが違うことをわからないといけないと思いました

1番最初のほうに、カイくんが男の子のことが好きだとクラスでからかわれていました。よくある光景で、大人だって誰だって男同士でデキてる〜気持ち悪い〜とか言います
でも悪いことなんですかね、法を犯すことなどしていない2人の気持ちを邪魔する権利なんてないはずなのに。例えそれが嘘だとしても、そういう揶揄い方は誰かを傷つけてしまうかもしれないのに。

この映画を通してちゃんと考えるひとが増えればいいなと思って、人に薦めたい映画だと思いました。
みんなわかればいいのに!
YURI

YURIの感想・評価

3.7
生田斗真の演技に脱帽。
りい

りいの感想・評価

4.0
これはただ事ではない映画に出会ってしまった。
あんなに濃い生田斗真の存在感皆無で、これは、リンコさんの人生の一部を切り取ったそのものでした。
親心染みた。
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