女を修理する男の作品情報・感想・評価

「女を修理する男」に投稿された感想・評価

mh

mhの感想・評価

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性暴力の治療と被害者の救済をされてるコンゴのムクウェゲ博士についてのドキュメンタリー。
英語タイトル「The Man Who Mends Women」に「修理」という日本語をあてるのはいかがなものかとみんな思うようだけど、これ見た後だと妙な説得力が伴なっていることにみんな気がつく。
コンゴで行われている性暴力がとにかく過酷。
・支配下に置くための戦略としてレイプが行われている。
・ナイフを使う。
・乳児も被害にあう。
・家族は見て見ぬふり。
・処女の血で清めるなどシャーマンたちのめちゃくちゃな託宣。
・犯人が罰せられないなど司法が機能してない。
などなど、本当にひどい。
性器にナイフのあたりはアフリカに根強いFGMも絡んでいそうだが、作中ではノータッチ。
そんななか、武装勢力からの脅迫を受けても、被害者たちの救済活動と、国際世論への訴えをやめないムクウェゲ博士が偉すぎる。
スピーチもうまくて、国連人権賞(2008)、ヒラリー・クリントン賞(2014)、サハロフ賞(2015)で行った演説も収録されている。
この映画のあと、ノーベル平和賞(2018)も受賞する。
ちょっと面白かったのは、メンタルケアの分野がまだ未熟のようで、教室に集めた被害者たちに博士がかける言葉はピンとこなかった。かたわらにはゴスペルシンガーみたいな女性もいて、そのひとがするダンス療法が救いになっていた。
コンゴ軍のイメージを傷つけたとして、コンゴ国内でこの映画は上映禁止になる。作中でも触れていた、犯罪者が罰せられない世界ってこれかとも思うんだけど、ムクウェゲ博士はゆくゆく大統領になるんじゃないかとも噂されているとのことで、アウンサンスー・チーさんみたく国際世論の手前殺すわけにもいかず、かといって政治には近寄らせたくないという、為政者にとっては、その存在が悩みのたねにもなっているようだ。
死体や虐殺のあとなども映るので過激を売りにした戦争映画よりもよっぽど過激なんだけど、これは見てよかった。
面白かった。
たそ

たその感想・評価

5.0

このレビューはネタバレを含みます

とても辛く、そして美しい映画でした。女性としての尊厳を奪われ、家族や集落からも見放され、全てを失った女性たちが自我を取り戻す姿には胸を打たれました。ムクウェゲ医師のスピーチ、先進国に向けてと同胞に向けてでメッセージ性は大きく異なりましたが、それぞれへ向けた強いメッセージは、画面越しに見ているわたしにも深く染み入るものでした。
先進国に住む私たちは、鉱物資源をめぐる争いに無関係とはいえないはずです。快適な生活の裏で何が起こっているのか、この映画をきっかけにもっと勉強して、自分なりに考えようと思いました。
sonozy

sonozyの感想・評価

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1990年代から紛争が続くコンゴ民主共和国の東部キヴ。
コンゴの反政府勢力と手を組んだ隣国ルワンダ軍兵士や民兵が、村の住民を突如襲い惨殺したり、恐怖で支配し従わせるために性暴力を続けている地獄の地域。

この地で、15年以上に渡り、性暴力を受けた女性たちを治療・サポートしてきた、南キブ州パンジ病院の婦人科医デニ・ムクウェゲのドキュメンタリー。

その殺戮・性暴力の実態。犯罪者を罰する事すらしない政府・・・言葉を失います。。
我々と同じ人間として生まれながら、こんな獣(けもの)以下の行動が繰り返され野放しにされているとは。。

さらに、その要因が、我々が使う携帯電話のコンデンサ等に使われるレアメタルの原材料コルタンという鉱物(コンゴがその主要生産地)の採掘(奪取)のためということを知り・・・

ムクウェゲ医師は1999年にコンゴ東部にパンジ病院を設立して以降、4万人以上のレイプ・サバイバー(性暴力被害者)を治療し、2012年には暗殺未遂にあい、一度はパリに亡命したものの、コンゴの女性たちの熱烈な働きかけで再び病院に戻り、活動を続けているという凄い方。
いくら手術やケアを続けても実態は変わらないと、その「性的テロリズム」の実態を世界に告発するアドボカシー活動も続け、国連人権賞(2008)、ノーベル平和賞(2018)などを受賞されています。

身体を破壊され何回もの手術を受け、純潔、名誉、家族、勉強の機会...すべてを失い、レイプされた子を産み、その子が再びレイプ被害に合う。。
こんな体験をした少女や若い女性たちに、苦悩を根こそぎ取り除き、自分を取り戻すことはできるはずだと励ますムクウェゲ医師。
そしてそれに応え、苦悩を乗り越え、前を向き、団結する女性たち。。

タイトル『女を修理する男』。
モノ同様に扱われ、まさに“破壊された”女性の身体と心の修理、それだけでなく、崩壊状態の国家の修理も担っている男。
美しいコンゴの自然を見つめ、こんな状況でも希望を語るムクウェゲ医師の姿。
このジャケ写のような笑顔で暮らせる日常はいつやってくるんでしょうか。
菩薩

菩薩の感想・評価

4.1
ムクウェゲ医師の新たなドキュメンタリーが3月に公開されると言うので、ようやく重い腰を上げて部屋の片隅に積んであったDVDを再生機器にパイルダー・オン!して観たのだが、ただただ絶句している。

と言う事で勝手に引用させて頂くがまずはこちらをお読み頂きたい。https://toyokeizai.net/articles/-/242000?page=2

観る前は「修理」なんて随分と傲慢なタイトルを付けよってと思っていたが、コンゴで起きている性的テロリズムは「破壊工作」の一種であり、女性の身体のみならずあらゆるコミュニティをも破壊する行為であるのだから「修理」と言う表現はおそらく正しい。その被害は凄惨だとか壮絶だとか残酷だとか、そんな甘っちょろい言葉では到底表現出来ない。日本のミソジニーの極致がかの女子高生コンクリート詰め殺人事件の被害者の性器に対する著しい攻撃だとしたら、それ以上の事がしかも低年齢児を狙って日常茶飯事として横行している事、かつ訴追もされない事。政治が死に司法が死に正義も死んだ国では当然の様に罪の意識も死んでいる、そんな現状にムクウェゲ医師は命の危険も顧みず立ち向かい、国際社会に向かって危機と救済を訴え続ける。その背景に鉱物資源を巡る争いがあり、かつそれを手にしているのが今こうしてスマートフォンを操作している我々であるとすれば、無知を貫き通すのは加害と同じであると言うのはもっともな話だろう。この惨劇を日本の現状と結びつけるのも暴力的かもしれないが、いい加減「性加害」について、それが男性の問題であると言う現実にもしっかり向き合うべきだと思う。3月公開のドキュメンタリーはよりムクウェゲ医師個人にフォーカスが当たるのだろうか、おそらくこれよりは相当マイルドな仕上がりになってしまう様な気がするが…なんであれ観ます。
るま

るまの感想・評価

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上映会に当選したので見てきましたが、それはもう想像を遥かに超えた恐ろしい現実が映されていて、かなりしんどかった。言葉にできん。。現実のこととは思えない、同じ人間に起こっている出来事とは思えない、、。今わたしがこんなにも平和で恵まれた環境に生きることができていること、、世界ではこんな残酷な出来事が起こっていること、知らずに生きていくのはダメでしょう…義務教育の内容やなぁ、
ムクウェゲ医師はもう救いの神のような人間、こんな人がいるってこともまた、素晴らしすぎて、という意味で同じ人間と思えない、、しょうもない感想しか出てこない自分が残念だ、、ドキュメンタリーなので星の付け方はわからん。
ゆかり

ゆかりの感想・評価

4.0
ジェンダーに関する作品。
男女は平等ではなく。
尊重されると言われる人権は、
この作品のみならず、
世界的に矛盾する法がある。
人間てなんだろう。

あなたは目をそむけずに、
最後まで観ることができるか。
授業で一部鑑賞。

とにかく自分の無知さに唖然とした。世界を知らなすぎた。まさかそんな残酷なことがまだこの世界で起きていたなんて、想像もしなかった。とにかく悲しい…性暴力で体はもちろん心まで傷ついた女性たちを目の当たりにして、自分が一人の女性として堂々と生きていけていることがいかに恵まれていたのかということを痛感する。この環境に麻痺してはいけない。それでも「女性は強い」とこのドキュメンタリーは教えてくれる。あんなに酷い性暴力を受けても前向きに前に進もうとする女性たちに感銘を受けた。同じ女性として、遠く離れた国に住む私たちに一体何ができるだろうかと考えた。
グン

グンの感想・評価

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性暴力の残酷さ
何よりも印象的だったのは私よりもずっと幼い子どもたちが被害に遭っていて、深い傷を負っているということだ
膣に刃物を入れられたり子宮が裂かれていたり、、、女性を出産できなくすることで部族は繁栄しなくなるが、、、恐ろしい

ムクウェゲ医師は手術だけではなくメンタルケアを行っているが、手術して身体は良くなっても心は傷を負ったままなのだろうと思うし、そう簡単には傷は癒えないだろう
性暴力を受けた人の家族や友人がまた誰かをレイプしたり殺害したりするという連鎖を止めなければならない

また、今レビューを書くために使っている携帯やパソコンの中の鉱物はコンゴで採れたと仮に考えると、間接的に紛争を支援しているようなものだ
しかし、鉱物がなければ私たちの便利な生活は成り立たない

毎回このような映画を観て自分の非力さを痛感する
考えさせられすぎたので評価はしない
た

たの感想・評価

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怒りと悲しみで涙が出てきた。
この国だけの問題じゃない。もっと考えないといけない。
生きてさえいれば出来ることはたくさんある。
ツチ族とフツ族が互いを憎むようなすり込みを受け、ルワンダ紛争が起こった、という前提知識のみで視聴。
映画を途中で止めてメモを取っても、この内紛は、国や民族が複雑に絡み合っていて「誰と誰が何を目的に争っているのか」という構図がつかみづらい。

「大学は若い世代に対し”怒り”を学ばせる場であり続けるべき」
「性暴力は人類が生み出した恥知らずで残忍な武器である。家族や共同体、特定の民族を物理的にも精神的にも破壊する手段なのです」
「コンゴの豊富な鉱物資源コルタンはコンゴ経済を潤してくれない。」
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