ヤコペッティの 残酷大陸の作品情報・感想・評価

ヤコペッティの 残酷大陸1971年製作の映画)

ADDIO ZIO TOM

製作国:

上映時間:125分

ジャンル:

3.9

「ヤコペッティの 残酷大陸」に投稿された感想・評価

ユダヤ人の教授のくだりとか皮肉が効きまくっていてすき。
ただ乗れないパートは全然乗れなかった。
ラストの殺戮シーンは最高。
abe

abeの感想・評価

-
ヤコペッティの中でずっと見たかったけどなかなか手を出せなかったがついに見た!黒人をここまで酷く扱ってだというのをこれでもかと過剰に描かれていて本当にショック体験ができた。曲とか見せ方で笑ってしまうようなシーンとかがあってただのトラウマ映画ではないのがすごいと思う。
紫色部

紫色部の感想・評価

3.5
2018.1.20 DVD(英語音声版)

『マンディンゴ(1975)』よりさらに野蛮で異常なタッチで『SHOAH(1985)』と同じ視座にまで既に行き着いてしまっていたかのような圧倒的な野心作(1971)。夕陽をバックに脱走(?)を図っている黒人のショットに、ラストの🎈のエモさよ…
堊

堊の感想・評価

4.1
「うちの黒人、だんだん白くなってきたの……」

ラスト、ダニーボイルみたいな仰角&MV編集での虐殺の嵐にブチ上がる。
「モンド映画」(虚構と現実が入り混じる見世物感覚のドキュメンタリー風作品)を生み出した歴史的大作映画。


◯ストーリー◯
_(┐「ε:)_アフリカから連れてこられた黒人達の運命と、その後の歴史を追う物語。

●感想●
「アメリカの奴隷制度時代にドキュメンタリーを撮ったら?」というコンセプトで撮られた、再現率が″尋常じゃない″作品。フィクションでありながら、我々は「真実」を目撃する事になる。

音楽のチョイスも尋常じゃない。
凄惨な物語とは対極にどこまでもロマンチック。(「ドライヴ」でも引用されたRiz Ortolaniの「Oh My Love」の切れ味は特に抜群だ。)「美しい音楽×残酷なシーン」の先駆け的な作品でもある。

通常のドキュメンタリーであれば、取材側=製作者となるが、この作品では取材する人も架空の人物であり、制作側の意図を表していない所もいい(それが皮肉となって効いている)
「一日中働きづめなのは″奴隷″も″労働者″も変わらない。″奴隷″と″労働者″となんの違いがあるのか」

現代の黒人による白人殺戮のバックに流れるロックンロール×スローモーションに痺れ(実在した人物の話だが、時代が違う)エンドロールの音楽にユーモア(皮肉)を感じる。(今も同じような事は繰り返されていると言っているようだ)

「人間の愚かさと残酷さ」を突き付けてくる、この作品には″感動″すら覚えてしまう。
そしてコッポラにも影響を及ぼしたと言われているヤコペッティ。必見かも知れない。


【雑記】
ヤコペッティ作品が最初に評価されたのは日本らしい。(監督本人が語っている) それがきっかけで世界的に評価されていく事になる…。

幸か不幸か、私はまだタランティーノ監督の「ジャンゴ」を観ていない。この作品を再鑑賞した今こそ「ジャンゴ」を観るべきタイミングなのかも知れない。
これを観ると人間はいつも過渡期に置かれている、根無し草のような存在なんだな、と思う。側室制度だって、今のPCから見たら、けしからん!ゲス不倫!ってなるし、ほんの30年前までは地下鉄の駅なんか、タバコの煙で視界がボヤけていた。
「風立ちぬ」の中で、主人公が結核の妻の側でタバコをくゆらすシーンを見て、ありえない!と拒絶反応を示された方が多くいた。けど、今のコモンセンスで過去を断罪するのは、極めてナンセンスだということだ。

人間はいつも過渡期に置かれている。

人間はいつでも不完全で愚かな存在なのだ。
黒人奴隷への胸糞悪い虐待を延々見せられるので見ててつらい。特に人間牧場のシーンは最高にムカつく。
残酷な映像と対照的に、後ろで陽気な音楽が流れてるのが不気味。
散々ひどい虐待を見せられた後で、ナットターナーの逆襲を見せてくれたのは最高に嬉しかった。
この作品みた後はタランティーノのジャンゴがすぐ観たくなる。

あと『ドライヴ』でも印象的に使われてた「Oh My Love」がこの作品でもテーマ曲のように使われてたけど、レフンはこの作品から引用したのかな
奴隷制時代の恐怖と狂気が軽妙な音楽と共に次々と映し出される

恐ろしい人間の歴史が描かれているのに、凝った演出と皮肉まじりのブラックユーモアになんとなく惹きつけられてしまう

人間の内なる残酷さを暴き出す映画
数千人規模の黒人に、ヨーロッパから来たイタリアのジャーナリストが黒人奴隷の役をやらせた。それを画面に映して、美しい音楽とともに撮った。これと同じことが出来てしまう映画監督なんかヤコペッティ以外にいるわけない。現場を指揮するためにどれほどの才能が必要だったことか。

タイムスリップ映画の中で最もかっこいい作品だと思う。
アメリカへと強制連行されてきた大勢のアフリカ人が、不当に人権を奪われてしまい、家畜同然に売られていく。18世紀、奴隷制時代の現場を、あたかも「その場で撮影している」かのように描写している、ヤコペッティ渾身の一作。

船内にすし詰め状態で移送されてきた黒人たちが、一斉に消毒されて、品定めされて、商品として売買される。レイシストの言動を「滑稽なもの」として捉えており、黒人が白人を脅かす存在になるまでの過程を、滑稽譚のように描写している。

何よりも、映像のスケール感に圧倒される。数百人の黒人エキストラ(小さな子どもたちまでも!)を総動員して、当時の環境を虚飾なしに再現している。「どのようにして現場を統率しながら撮ったんだろう?」と思わせられる映像が連発する。

グロテスクという言葉には「不快になるほど異常なさま」という意味合いがあるのだが、本作を観ると「人間が人間を人間扱いしないこと」に究極のグロテスクがあることを痛感させられる。「加害者は過去を忘れるけれど、被害者は永遠に忘れない」を示唆させるラストも感慨ひとしお。ファズギターの爆音と憤怒を重ね合わせる演出がクール。