世界残酷物語の作品情報・感想・評価

世界残酷物語1962年製作の映画)

MONDO CANE

製作国:

上映時間:91分

3.5

「世界残酷物語」に投稿された感想・評価

ヤコペッティ監督はリアルとフェイクを織り交ぜたモンド映画の創始者なわけで、世界の珍習奇習を特集したドキュメンタリーな本作も懐疑的な目で観てしまう
『ヤコペッティの残酷大陸』を死ぬほど観たいんですが店にも無いし買おうと思っても中古で2万近くしてるんですよね…ふざけんなよ……
tonemuff

tonemuffの感想・評価

3.3
今観るとほんとにショーもないチープなフェイクドキュメンタリーな感じではあるが、その異質さ、エッジの鋭さの中に光るものがある。
まるで見世物小屋を舞台にした作品を見るときのような、怖いもの見たさの精神で観るのがオススメ。
しがい

しがいの感想・評価

4.0
世界の知られざる文化を取材した教養ドキュメンタリー。ホラーのコーナーに置いてあったが、食人族的なモンド映画と思い込んではいけない。終始皮肉のこもったナレーションだけど、人間の生き方を非難するのでなく、冒頭で記されるようにありのままを映しだすというのが目的に感じるし、人間は元来残酷性のある生き物だというのが平凡な真実なのだと思う。

しかし、人間が弊害をもたらした動物たちの凄惨な現実には相当堪えるものがあった。
10年前の原爆実験の影響が残る島。雛が生まれることを信じて餌を探しに行き、卵を温めるために戻ってくる親鳥たち。しかし卵はすでに放射能の影響で命の核が死んでしまい決して孵ることは無いのだ。また、方向感覚を失ったウミガメが産卵の後、同じ理由で生き絶えたウミガメたちの屍を超えて内陸へ向かう映像。最期には、その死を待つ野鳥たちに囲まれながら、海に帰る幻影を見ているのか、必死に水かきの仕草をしている。
別の土地では、海での葬儀を執り行う習わしのために、人肉の味を覚えたサメによる被害が絶えないという。人食いザメに襲われた漁師はしかし、サメ漁による収入なしでは生活できず、そのためにサメ漁を続け運が悪ければ命を落としてしまう。ある時12歳の子供がサメに食われてしまったことで大人たちは朝から晩までサメを捕まえ、その口に毒ウニを押し込んで海に返すという復讐を行った。
……とんでもない映像である。それしかない。

生と死の礼賛、という意味でローマの教会墓地とドイツの酒場の対比も面白い。かと思えば、シンガポールの“死者の家”ではハゲタカのように人の死を今か今かと待ち望んでいる人間の姿が映し出される。

最後の映像は、カーゴ機を天国からの飛行機と信じ、白人から取り戻そうと考える未開人が、村を捨ててまで自分たちの飛行機を待ち続けるというもの。文明人としては持たざる未開人こそ素晴らしい生き方をしているのではないかと思いがちだけど、結局は人間、無い物ねだりはお互い様なのかもしれない。

映画として面白いかというと分からないけど映像はとても貴重だし編集や構成が素晴らしいと思うのでこの評価。
o

oの感想・評価

3.9
残酷とは何か、映し出される世界の人間もとい、それを観ている世界の"人間"そのものである。

美しい音楽に合わせて世界の奇妙な文化をいくつも映している。タイトル通り、豚を絞めてる映像などショッキングさはあるものの、そこはあくまでアクセントである。
やらせまじり、虚構ありの文化や現代人の特異な文化を交えつつ世界中の人々を映すことで、至高のアイロニーを放っている。

知らない価値観に驚き、そんなバカなと分かる場面では笑かされる。自分の残酷さを感じました。

特に日本の場面はわかってる分、面白い。
牛に8時間マッサージするかいな。

あの時代にこのセンス、傑作である。
なるき

なるきの感想・評価

3.4
無知とは、怖いモノ。

残酷だと思っていた異文化人たちが自分たちよりピュアで、自分たちの文化を並べると、いかに我々が残酷か。

ヤラセドキュメントとも言われてけるど、多少嘘を盛ってでも、自分たちに身の上を知らせるためだろう

正しい、間違い、と白黒をつけるのではなく、自分たちからは非日常的でも、同時に存在してしまっている世界を受け止めなければいけないのだ。

ただ、残酷と言いながらも、謎にお色気要素が多くて、前半なんかほぼコメディ笑

びっくりしたのは日本の描写笑
牛にビール飲ませて、マッサージしたり、東京温泉とかいう、ブラとパンツのみの女性ばかりが働いてるマッサージ付きのお風呂があったり。

どっかの島では、男を襲う女だらけの島があったりとか、うらやましいぜぇ。
イタリア版「セーヌ左岸の恋」感。
イヴクラインの制作過程を観れたのは良かった!
世界の奇妙な習慣を紹介してるドキュメンタリー。残酷というタイトルではありますが見てられないようなシーンはあまりなかったです。
鏡で自分の足を血だらけにして走るシーンだけはちゃんと見てられなった。
犬の葬式を見せた後に、台湾で食べられる犬をみせてくる。プードル、ダックスフンド、チャウチャウ。

ローマ祭のヒヨコめちゃめちゃ。
日本での牛のマッサージ、ビールを大量に飲ませるのやってた。ソープランドも出てきた。
女性が無理やり太ったり痩せたりするおかしさ。

石で足を血が出るまで叩き続ける儀式。いてぇいてぇいてぇ。

放射能によるウミガメの被害を描いた初めてのやつだと思う。
足をなくしても生きるためにサメの漁をする。

シンガポール、人が多すぎて治療なしで死ぬのを待つ。なんなら早く死んでもらいたい、葬式の食べ物が冷めるから。

体にガタがきてから旅行するジジィ、ババァのフラダンス。見るに耐えない。

飛行機信仰には悲しくなった。それまで幸せに暮らしてたのに。
KAZU

KAZUの感想・評価

4.0
1962年制作、世界の奇習・風習を描いたモンド映画の始祖・グアルティエロ・ヤコペッティの強烈過ぎるドキュメンタリー。

今やインターネットやSNSでどこもかしこも欧米化。精神的に支配される以前の未開の地アフリカやアジア(日本含む)のヤラセ含めた如何わしい風習をこれでもかとカメラに収めています。所謂文明文化と未開地の対比は上映から40年近く経つ現代においては想像すらし難い。

アメリカでは家族同然の扱いを受ける犬、中国では食料。その様な対比が多数あります。歪んでいるのは文明人か未開人かとヤコペッティは問題提起をしています。

テレビで映っているショック映像に目を背けていることは(ヤラセ行為云々の批判は的外れ)今や我々は当たり前の様に同行為をしているのだ。その真実に目を背けたいだけだと。

勇気を持って鑑賞してみてください。
nG0

nG0の感想・評価

3.4
世界各国の奇妙な文化を収めた変態ヤコペッティの代表作。
原題のMONDO CANEのMONDOからモンド映画というジャンルが確立された原点的な作品。

やらせありきのドキュメンタリーだとしても50年前の作品とは思えない出来でビックリ。
ゲテモノ屋さんとか原爆実験で方向感覚バグったウミガメとかいろいろあったけど一番キたのは飛行機を崇拝する民族。これは複雑な気持ちになった。

ウルルン滞在記とか世界まる見えとかそっち系の番組が好きな人におすすめ。
現代の過激なモンド映画に慣れてから観ると少し残念。

死ぬまでに牛追い祭りに参加したい。