「夜の女たち」に連なる"特殊女性"モノ。
売春禁止法施行前夜の吉原遊郭に集う女達を、突き放したタッチで描く。それぞれの事情を抱え流れついた女達、ある者は息子に縁を切られ心を病み、ある者は逞しく男を操…
「もはや戦後ではない」
1956年度経済白書序文
売春防止法施行による赤線廃止
1958年
戦後が終わっても売春してもミルクが買えない文化国家に怒る左傾映画監督溝口健二の遺作。
1936年浪華悲…
巨匠 溝口健二 監督の遺作であり、吉原で働く"女の群像劇”映画大傑作。
娼婦たちの生き様を軽快なテンポで描く悲喜劇で、特に三益愛子が息子との会話(カメラワーク、役者の動かし方)からの発狂シーンは鳥…
【祝!若尾文子映画祭】再レビュー
トークショーにて若尾文子曰く、「お前のその鼻がいけない。素直すぎる」と、数日越しのダメだしの末の溝口健二弁。…いやこれ言われたら腹立つわな…。彼女の通った鼻筋を見て…
吉原の遊郭「夢の里」。そこに生きる女性たちは、単なる被害者としてではなく、それぞれの欲望と希望、傷と戦略を持った個人として描かれる。
溝口の視線は決して彼女たちを断罪も美化もせず、ただ凝視する。
そ…
母を拒絶する息子、父を拒絶する娘、男を拒絶する女。母であること、娼婦であること、女は所詮、社会的役割や関係性のなかでしか生きられない弱い生き物。なかでも特に母親が弱いのは、彼女が母であり女であるとい…
>>続きを読む©KADOKAWA1956