共犯者たちの作品情報・感想・評価(ネタバレなし)

共犯者たち2017年製作の映画)

공범자들/Criminal Conspiracy

上映日:2018年12月01日

製作国:

上映時間:105分

4.0

あらすじ

「共犯者たち」に投稿された感想・評価

meiko

meikoの感想・評価

4.9
見に行ってよかった。
思うことたくさんあった。まず正論をぶつける重要性と強さ。バチンとぶつかるより相手の懐に入り込め、という教育をわたしはこれまでの記者生活で受けてきた。正論で真っ直ぐ質問すると、他社の記者に馬鹿にもされた。でも韓国では違うんだ、というのが新鮮な驚き。ものすごく大きな声で、はっきりと正論を叫ぶ。そうすればするほど、たとえ相手は答えなくても、相手の狼狽る様子、答えられない様子がよく分かる。どうしてこんな怖いことに耐えて、こんなに大きな声で叫べるんだろうと思ったけど、それはこんなに仲間がいるからなんだなー、というのもジンとくるところ。出した原稿を煙たがられ続け、心折れそうな自分やったから滲みた。社内での仲間がいま、切実に欲しいから、どっか羨ましい。
だから、あんなに声を張り上げて「社長退陣」を叫んでFacebookにあげて、でも「もしだれも続いてくれなかったら...」と言って涙ぐむ記者の姿見て、あぁこの人だって怖いんや、そりゃそうやんな、って思ってこっちも我慢できず泣いた。彼らを支える市民の後押しも大きい。だれともぶつからずに、なるべく波風たたないように、社内で生きて通用するのはもはやこの国だけなんじゃないかな。こんなふうにするとしたら怖いし寂しいしつらいだろうけど、自分が良いと思うのはやっぱり、この人たちだなと思った。
隣国で近年現実に起きた、政府による情報統制、公営放送の支配を記録した秀逸なドキュメンタリー

我が国でもNHKの籾井会長が「政府が右ということを左と言うわけにはいかない」などの問題発言を量産して脚光を浴びた
籾井氏を選任したNHK経営委員会は、当時の安倍首相が推薦した百田尚樹、長谷川三千子(日本会議代表委員)、本田勝彦(安倍氏の元家庭教師)らで構成されていた

韓国メディア界の出来事を、他人事と安易に切り捨てることはできない

一方、映画の中で映し出されたストや局内のデモ的運動などを見て、韓国のジャーナリズム(現場)は生きていると感じた

我が国でも同じムーブメントが期待できるだろうか?

籾井会長の問題発言に対してNHK労組は、執行部にどう収拾つけるのかはっきり言えという旨の声明を発表した
元職員172名は経営委員会に、籾井の辞任勧告ないし罷免を明確に求める申し入れを行った
韓国に比べると、現役NHK職員の動きは消極的と言うほかない

映画に一切出てこないNHKの話ばかり書いてしまったので、映画の感想を書くと、
ドキュメンタリーとしての価値もさることながら、エンターテインメントとしても楽しめる演出だったと思う
後半の構成は特に良かったと思う

とにかく観てほしいと思う映画
「さよならテレビ」と併せて観たい
韓国政府と公営放送の関係に抵抗した記者や放送関係者のドキュメンタリー。日本も他人事じゃないですよ。

李明博→ 朴槿恵→ 文在寅とつづく政権の度に公営放送KBSなどに政府に都合の良い情報を流すように圧力がかかる。社長も天下り先に。

ここで今の日本と違うのは、権力に対して大きな抵抗運動に発展しストライキが行われること。会社と真正面からぶつかること。そこで倒れていく人たちもたくさんいることが描かれます。

特に衝撃的だったのはセウォル号事件の報道。政府の都合のいい報道のために被害が広がってしまいます。さらには「死者300人に対して、年間の交通事故死亡者数は6000人だから大したことはない」とKBSの報道局長が発言したとわかると大騒動に。KBSは謝罪に追い込まれます。

日本でもコロナウイスルの被害を、百田尚樹や田母神俊雄などが交通事故死亡者数を引き合いに出して事を矮小化していたことを思い起こさせます。日本も他人事じゃないのです。

もちろんこの政府とメディアの繋がりの問題が解決しているわけではないので、この映画は視界を未来に向けて終わります。我がことのように見てしまう映画でした。

●これから見る人に
この映画は韓国国内に向けて作られているようで、韓国に住んでいれば当たり前のことは説明されません。日本映画でNHKを説明する必要がないのと同じです。なので知っておくとよい単語を少し書いておきます。

KBS
韓国放送公社

MBC
最大の民放だったが準国営化

青瓦台(せいがだい)
大統領官邸
映画では、アメリカで言う「ホワイトハウス」、日本で言う「永田町」のように使われます。

李明博(イ・ミョンバク)
朴槿恵(パク・クネ)
文在寅(ムン・ジェイン)
大丈夫だとは思いますが念のため。
韓国の大統領。
顔と名前が一致しない人は画像検索とかで頭に入れておいてください。
事実をもとにした『タクシー運転手』や『1987』を観たときに感じた「権力からの圧力に対して粘り強く抵抗する力」というのがこのドキュメンタリーを観て、実際に韓国社会に根付いてるものであることを実感せずにいられない。
李明博政権から朴槿恵政権に渡る9年もの間、KBSとMBCにこんなことがあったなんて。多くの人が不当解雇されたり犠牲にもなってるけれど、それでも闘った人々の多さよ!MBCの社内でシュプレヒコールをあげる社員たちの映像はとても胸に迫るものだった。
文在寅政権の今は色々良い方向に進んでことも多いかもしれないけれど、だからと言って「はい、韓国社会は良くなりました!めでたしめでたし」ってことはなく、健全な社会であり続けるためには未来永劫ずーっと市民がちゃんと政権の悪いところは批判し続けないといけないんだなぁという、当たり前のことを痛感した。そんな当たり前のこともできてない日本が今の韓国に追いつこうと思ったらあと10年?20年あっても難しいかもしれない。
hical

hicalの感想・評価

3.7
まぶしい ちゃんと戦える責任感とプライド 精神力 カメラずっと回してたのもすごい 日本では回せないんだろうな そこまで来ている
『新聞記者』もまあいいけど、日本でもこういう骨太なドキュメンタリーが欲しいです。今すぐ。証拠も証言もたっぷりの内側からの告発が希望。是非。
OT

OTの感想・評価

-
自分が韓国の映画や音楽にハマっていた頃に、メディアではこんな事が起きていたなんて…知る由もなかった。今だからこそこうして放送・放映出来ている。それはこうして沢山の人が声を上げて戦ってきたから。韓国すげーな、と思いがちだけどそれはずっと戦っている人がいる、今もいるから何だよね。良いドキュメンタリーだった。必見。
ずっと前に見てて、タクシー運転手みて納得した。メディアに対する精神がここに通じてる気がする🙂
元MBCのPDによる韓国政府の悪行を暴いたドキュメンタリー映画。

政府によって数々の報道規制をされた国営放送と公営放送の実態が、後にMBCの社長となるチェ・スンホによって、明るみに出る。

2008年、ノ・ムヒョンからイ・ミョンバクへ大統領が変わる。

これをきっかけに青瓦台による放送会への介入が始まる。

公共放送局KBSが政府の不正を暴いた為、これに対抗すべく、KBSの社長へ圧力を掛ける。

社員によるデモにまで発展したが、結果、社長は辞任、逮捕までさせられてしまう。

そして、新社長は大統領の手が掛かっているものに変わる。

同じような手段によって、MBCの社長も交代、本作の監督であるチェ・スンホ含み多数の社員を解雇までされてしまう。

時は経ち、大統領はパク・クネに交代されるが、セウォル号沈没事件、チェ・スンシルゲート事件と、政府の不正は続く一方であった…

この許し難い事実に対して、足を使って直接インタビューをしたところが本当に凄い。

Facebookによる反発や数々のデモを見ると、黙って指を加えているのでは無く、自らの意思で会社、国を変えて行こうと言う強さを感じた。

明日は我が身…では無いが、決して看過する事が出来ない衝撃的なドキュメンタリー映画だった。
sachiko

sachikoの感想・評価

5.0
放送局の社屋で声出してる場面は熱くなた。黒塗りに守られてる人達と声をあげる人達と。どの国にも起こってるドキュメント。リセットできる日はくるのかな。セウォル号の人災はいつ見ても酷くて辛い。
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