殺陣師段平の作品情報・感想・評価

「殺陣師段平」に投稿された感想・評価

殺陣師としての誇りを持った段平の生き様を描いた人情話。

オリジナルで月形龍之介が演じた段平を中村鴈治郎、市川右太衛門が演じた沢田を市川雷蔵が演じている。

新国劇で頭取と言う立場ながら、殺陣を付けるのが大好きな段平は、若い役者達に指導する。

新しい芝居の殺陣師に立候補する段平だったが、歌舞伎のような剣戟ではなく。リアリズムを求めていると沢田は言う。

酒に溺れる段平は、喧嘩に巻き込まれるが、その時にリアリズムのヒントを得る…

オリジナル版でもそうだったが、役者の芝居が際立つ作品ゆえ、歌舞伎役者の中村鴈治郎や市川雷蔵の芝居が本当に素晴らしかった。

特に中村鴈治郎の悔しがる様や、喜ぶ時の顔の崩し方がとても良い。

少し終わり方に不自然さを感じたオリジナル版より、こちらの方が好き。
殺陣のよさがほぼ全くわからない殺陣オンチなのに『殺陣師段平』を観る。大正6年というあまりTV・映画で見た覚えのない時代の日本を舞台にした、長谷川幸延の戯曲の映画化。脚本は黒澤明。主演・中村鴈治郎が演じる殺陣師・市川段平も、助演・市川雷蔵が演じる新国劇を立ち上げた澤田正二郎も実在の人物で、澤田は雷蔵と同じく若くしてこの世を去っている。新国劇は、舞台上でのリアルな立ち回りが受けて特に男性客に人気だったらしい。(新国劇の「国劇」とは歌舞伎を指すとのこと。) 大正6年という時代の進取の空気が澤田にジレンマをもたらし、引いては職人気質の段平を追い詰める、という話に思えた。

鴈治郎演じる段平が、『ディアピョンヤン』に出ていたヤンヨンヒ監督の可愛気のあるお父さんによく似ている、と思った。田中絹代演じる、憎まれ口はたたくけど甲斐甲斐しく朗らかな奥さんとの“ああ言えばこういう”的な、ボケとツッコミみたいな関係性も似てるのかも。田中絹代、大阪弁上手いと思ったら大阪育ちだった。

雷蔵映画としては、眼鏡をかけて演技している、というのが何といっても貴重。写真でよく見るのは銀行員みたいな眼鏡の雷蔵だけど、映像で見るとまた全然違って、まーホント端正な、ヨン様を凌ぐ眼鏡の色男雷蔵が拝める。劇中、主演として新国劇の舞台に立つ雷蔵も見どころなのかも。演技は根がふにゃっとした雷蔵さんが澤田の骨っぽい大物感を出そうと頑張っている、という印象。

“新スター”高田美和15歳の熱演が初々しい。いかにも人情ものでございますという音楽による演出が古臭いけど、それも新国劇らしさのうちなのかな。おかみさんの人情の深さ、温かさが心に残る。さすが田中絹代だった。

27
ジャケットに写る男が段平だと勘違いしちまうおはなし。


回る回る、大阪弁がペラペラと回る老殺陣師、市川段平。
立回り気狂いが過ぎて、家族への配慮に欠ける大馬鹿野郎、市川段平。

このどこか憎めなくて愛らしいおっさんが、「りありずむ」だとか「しゃじつしゅぎ」だとか訳の分からない概念に踊らされながらも、殺陣に命を注ぐ悲喜こもごもを綴った物語だった…


…って、どーだっていいわそんなもん!!
おっさんの家族である、お春さん(田中絹代)やおきくちゃん(高田美和)が、俺は不憫でならねぇよ!!段平コノヤロー!!

…だから改めて。
一人の馬鹿野郎に振り回され、けれども彼を慕わざるを得なかった女性の悲哀物語であった。

あと京美人なおきくちゃん、めちゃくちゃ可愛かった。
「それはリアルなー、」
Q「りある、、?」
A「リアリズムだ。」
Q「りありずむ、、?」
A「写実だよ。」
Q「しゃじつ??、、さっぱり分からん!」。。新国劇座長の澤田正二郎と本編主役の段平とのこの対話が、とてもシンボリックな役割を果たしてます。

 愛すべきキャラクター段平は、中村鴈治郎の好演で更に魅力が増してますね。
開成中学出のインテリながら、時に距離をおきつつ段平を気遣う澤田を演じた市川雷蔵も、より二人のほのぼの感を出してくれました。

 段平の仲間であり京都南座のスタッフ兵庫市役の山茶花究。この人も良かったですね。
Wikipedia引いてみたら、段平に負けず劣らずやんちゃで波瀾万丈の生涯だったことを知って、色んな出演作を観たくなりましたよ。

 村瀬幸吉、、、郵便屋さんにそれをイチカワダンペイと読みなさい言う方が無茶やわ(笑)。
好人物ってのはこの映画の中村鴈治郎のような人のことを言うんだろうな。
たく

たくの感想・評価

3.5
黒澤明が脚本ということでレンタル。
歌舞伎役者あがりで昔、殺陣師として鳴らして今は新国劇の頭取となっている男のお話。
中村鴈治郎だから間違いないよね。
でもセリフが何いってんのかよくわからないシーンも多かった。
娘役の高田美和の泣き演技が良くてウルっときた。
中村鴈治郎さん、お芝居がやはり立派ですね。立ち振る舞いに余裕があって貫禄があります。
そして雷蔵の眼鏡最高!
田中絹代さん、献身的な妻役がピッタリです。
殺陣に命を懸けた男の物語 その情熱凄まじく、妻が危篤でも自分が病でも、考えるは殺陣ばかり しかし決して美しくなく、古いものに拘り、プライドを譲らず、突出した才能も無く、金にケチ とても哀れで見苦しい、凡人のあがき 滑稽な喜劇と悲劇の物語
殺陣に憑かれた男。
というか殺陣に憑いた男。

奥さんが危篤でも、自分が危篤でも、娘がそばに居ようとも、考えるのは立ち回りのことだけ。
金にはせこいが、殺陣師のプライドが傷つくようならば、美味しい話でものらない。

こんなふうに好きなことに情熱を注いでいるのに、成功しなかった段平。
それでも夢を叶えようとする、諦めの悪さやその反骨心、そして忍耐力に感動した。


パケ写が市川雷蔵でクレジットも一番目にされているがほぼ助演。主演はあくまで中村鴈治郎。

大映スコープのサイズで観る、劇場での立ち回りや京都の画がなかなか良い。
ニシ

ニシの感想・評価

3.5
とても面白かった!
段平の昔気質なところも好きだし、何より段平の妻の存在が素晴らしかった!

段平の一途な心に胸を打たれた(T ^ T)
>|