殺陣師段平の作品情報・感想・評価

「殺陣師段平」に投稿された感想・評価

たく

たくの感想・評価

3.5
黒澤明が脚本ということでレンタル。
歌舞伎役者あがりで昔、殺陣師として鳴らして今は新国劇の頭取となっている男のお話。
中村鴈治郎だから間違いないよね。
でもセリフが何いってんのかよくわからないシーンも多かった。
娘役の高田美和の泣き演技が良くてウルっときた。
中村鴈治郎さん、お芝居がやはり立派ですね。立ち振る舞いに余裕があって貫禄があります。
そして雷蔵の眼鏡最高!
田中絹代さん、献身的な妻役がピッタリです。
殺陣に命を懸けた男の物語 その情熱凄まじく、妻が危篤でも自分が病でも、考えるは殺陣ばかり しかし決して美しくなく、古いものに拘り、プライドを譲らず、突出した才能も無く、金にケチ とても哀れで見苦しい、凡人のあがき 滑稽な喜劇と悲劇の物語
殺陣に憑かれた男。
というか殺陣に憑いた男。

奥さんが危篤でも、自分が危篤でも、娘がそばに居ようとも、考えるのは立ち回りのことだけ。
金にはせこいが、殺陣師のプライドが傷つくようならば、美味しい話でものらない。

こんなふうに好きなことに情熱を注いでいるのに、成功しなかった段平。
それでも夢を叶えようとする、諦めの悪さやその反骨心、そして忍耐力に感動した。


パケ写が市川雷蔵でクレジットも一番目にされているがほぼ助演。主演はあくまで中村鴈治郎。

大映スコープのサイズで観る、劇場での立ち回りや京都の画がなかなか良い。
ニシ

ニシの感想・評価

3.5
とても面白かった!
段平の昔気質なところも好きだし、何より段平の妻の存在が素晴らしかった!

段平の一途な心に胸を打たれた(T ^ T)
rika

rikaの感想・評価

3.9
大きいやや子とは言い得て妙。
鴈治郎さんの表情、一挙一動が可愛くてたまらない。そしてラストの演技がすごい。
ALABAMA

ALABAMAの感想・評価

3.6

このレビューはネタバレを含みます

歌舞伎役者あがりの新国劇の殺陣師、市川段平が殺陣師として生き、殺陣師として死ぬまでの物語。黒澤明脚本、大映京都撮影所製作作品。幼少からではなく、すでに歌舞伎役者を退き、市川雷蔵演じる沢田率いる新国劇の頭取をしている中年時代から晩年を描いている。物語に登場する段平は殺陣のためなら家庭を顧みず、自分勝手にわがままに生きている。奥さんとの関係はさながら親と子のようである。奥さんが死んでからは、昔の女が産んだ実娘の京都の家の2階で病床に伏せる。京都に沢田が興行に訪れるとその姿を一目見るために病身に鞭打って知恩院から南座まで歩いていく。最期、彼は娘の手ではなく愛用の木刀を握り、敬愛する沢田の腕の中でこと切れる。病身で殺陣を披露したことが寿命を縮めた。まさに殺陣に生きて殺陣に殺された男。ダサいはずなのに段平はかっこよく映っていた。
段平役の中村鴈治郎の緩急つけた芝居はまさに見事で、病身の殺陣という演技はとても印象に残った。段平が主人公にも関わらず、市川雷蔵の沢田が持ち上げられていたところを見ると当時の雷蔵人気が窺える。
本作のカメラはフィックスの場合が多く、イマジナリーラインを飛び越えたカメラワークが目立つ。カット数が多く、様々なアングルからのショットが試みられており、また日本家屋という狭く込み入った空間であるため、観客が無意識のうちに場の空間を理解できる。だからこそ成せるカメラワークだと感じた。
当時の演劇事情、大映の撮影技術を垣間見れる良作。
青二歳

青二歳の感想・評価

5.0

このレビューはネタバレを含みます

中村鴈治郎二世主演。マキノのリメイクらしいが、この鴈治郎の怪演を経てさらにリメイクしようとする愚者も居なかろうよ…こわいよ!
鴈治郎が小津の"浮草"で旅芸人一座の座長として昔ながらの芝居に徹した滑稽さ哀れさと被るが、その比ではない。
ややメロドラマ風なシナリオが入るあたり大映のサービス精神が悪い方向に出ちゃってるのが残念。それがなければ"浮草"を超える評価を受けて然るべきかと。

戦前から続く芸道モノというジャンルとして観ると、芸道に全生命をかける姿を描く点では王道。ただ、その狂気を美化させないところが素晴らしい。
鴈治郎演ずる段平はどこまでもどこまでも俗物(そして鴈治郎お得意の人たらし)。殺陣に対する情熱と自負が極めて見苦しく、そして何といっても"凡夫"という。
凡夫だから徹底して滑稽になる。その設定自体なかなか素晴らしいが、凡夫を演じ切る鴈治郎があってこそ。

脳梗塞の後遺症の演技は舞踏家も敵わない。やっぱり何観てもすごいよ鴈治郎…
市川雷蔵は助演レベルだが、国定忠治に月形半平太などお楽しみはチラホラ。
田中絹代が鴈治郎の嫁役。「髪結いの亭主は働かんもんと決まっとります、うちのひとは稼ぐ方でっせw」髪結いの亭主って万国共通時代を問わずヒモなんだな。