こころに剣士をの作品情報・感想・評価

こころに剣士を2015年製作の映画)

Miekkailija/The Fencer

上映日:2016年12月24日

製作国:

上映時間:99分

3.8

あらすじ

1950年初頭、エストニア。ソ連の秘密警察に追われる元フェンシング選手のエンデルは、小学校の教師として田舎町ハープサルに身を隠す。そこでは生徒たちの多くが、ソ連の圧政によって親を奪われていた。やがてエンデルは課外授業としてフェンシングを教えることになるが、実は子供が苦手だった。そんなエンデルを変えたのは、学ぶことの喜びにキラキラと輝く子供たちの瞳だった。なかでも幼い妹たちの面倒を見るマルタと、祖…

1950年初頭、エストニア。ソ連の秘密警察に追われる元フェンシング選手のエンデルは、小学校の教師として田舎町ハープサルに身を隠す。そこでは生徒たちの多くが、ソ連の圧政によって親を奪われていた。やがてエンデルは課外授業としてフェンシングを教えることになるが、実は子供が苦手だった。そんなエンデルを変えたのは、学ぶことの喜びにキラキラと輝く子供たちの瞳だった。なかでも幼い妹たちの面倒を見るマルタと、祖父と二人暮らしのヤーンは、エンデルを父のように慕うようになる。ある時、レニングラードで開かれる全国大会に出たいと子供たちからせがまれたエンデルは、捕まることを恐れて躊躇うが、子供たちの夢を叶えようと決意する。果たして彼らを待ち受ける予想もしない出来事とは?遂に、子供たちとエンデルそれぞれの戦いが始まる。

「こころに剣士を」に投稿された感想・評価

華

華の感想・評価

4.0

このレビューはネタバレを含みます

意外にも良作。

私は映画を観るとき、その始まり方で、自分が好きな映画か否か、そして観続けるかどうかを瞬時に判断しているように思う。
その点でこの映画は、「観てみたい。好きなトーンだ」と感じるオープニングであった。

不器用な男と子ども達の交流という構図はよく見かける設定だけれども、飽きることなく観た(笑)

教え子達が強豪揃いのフェンシング大会で優勝したときは、さすがに出来すぎ感があり、少し幻滅したのも事実である。

だが、一言も発せずに子ども達の優勝を見届け、自身の罪と向き合う為に去っていくエンデルの姿が、幻滅の展開をうまく中和していた。

当時の政治的情勢をもっと知っていれば、より深く理解できたことは確かだろう。理不尽な掟のせいで、罪を着せられた人が多すぎた。

不満を少し言うとすれば、同僚(女性教師)との恋は必要だったか?

子ども達との「愛」があった故かわからないが、2人が距離を詰めていく描写は、物語の流れを止めてしまっているように個人的には感じた。

きっとシンプルに、子ども達との交流で代わりゆく結末を、私が望んでしまったからだろう。
荒野

荒野の感想・評価

4.0
エンデル・ネリスその人と同じくらい、この映画も不器用なんだと思った。表現や説明に物足りなさを覚えることは数あれど、でも不思議と見ていて心地よく、爽やかな気持ちになれる。エンデルは剣を振るい、文字通り未来を切り拓くことを教える。自分の身と子供たちの未来を天秤にかけ、その上で子供たちに新たな世界を見せる選択をするエンデルは、「意外」でも何でもない、最高の教師である。こういう北欧の映画の少し寒々とした画は本当に綺麗だ。好き。
冒頭で舞台が50年代のエストニアと知り一時停止してこの国について予習後鑑賞しました。

元々政治的理由によりソ連の支配下だったエストニアは第二次大戦時に独ソ戦の舞台となりナチス・ドイツが侵攻。独軍・ソ軍それぞれにエストニア人部隊が組まれ国が分断状態に。大戦後は独軍敗戦によりスターリンが介入し再びソ連支配下に...恥ずかしながらこのような歴史は知りませんでした。冒頭から主人公エンデルが秘密警察に追われる背景がこれでよーく理解できて事前学習の効果を実感。エンデルはそんな追われる身でありながら新天地で就いた小学校でかつて専念したフェンシングを子ども達に教え始めます。しかし一筋縄にはいきませんし当然秘密警察の目も気にしなければなりません。恋愛も然り。さて子ども達の腕は上がるのでしょうか...。少し出来すぎかなと思うところもありましたが気づくと夢中で応援してました。

最後の最後で実話だと分かり、実話に弱い私はスコアアップしたのでした。あと衣装や小物がかわいくてほっこり三昧でした。
りょー

りょーの感想・評価

3.9
言葉少なだが表情で語るような静かな映画。戦争ってほんとに何も生まないんだなぁ、と。
PalmaRosa

PalmaRosaの感想・評価

4.0
ほの暗いけどあたたかく美しい映像が心地よく、音楽もとても良いです。
フェンシングに夢中になる子供たちが愛おしくなります。
戦争・戦地から逃げて田舎町に先生をしながら身を隠すエンゲルが

子供は苦手だがフェンシング部を創設して指導していく中で大会へ出場することに

苦手だった子供たちも愛しくなり闘う姿勢を教え・教えられたエンゲルは人生にも向き合い闘って生きた


そのようなお話に思った

子供達は暇だからフェンシングにのめり込んだわけじゃない
男の先生、、、其々の家でも父が収容所に連れていかれてたりする
父を重ねている節もあるわけだ、切ない

爺ちゃんの言葉がすごく響いた
「立派な剣士になれ、自分で人生を切り拓くんだ」
これは今作のメッセージに思えた
ヤーンもがんばって最後は頼れるほど強くなった

エンゲルも捕まるからやめてというカドリの言葉に「だからこそ行くんだ」と逃げ回る人生はもうやめる!と危険を覚悟で子供達を大会に連れて行く。

2人の別れのシーン、心情を思うと辛い
別れた後また掴むカドリの気持ちは今生の別れを覚悟してでも嫌でという現れでんんんーなんやねん収容って思った

そうしたヒューマンなドラマであったけどフェンシングのシーンはがんばれ!がんばれ!と熱くなるし(用具貸してくれたチーム最高!)

スケール感は小振りだけど何かどこかというよりとても近い寄り添った感じを受けた

今もエンゲルの作った部は続いている!すごい

実話、、、びっくりすごい!
映見

映見の感想・評価

3.9
国に人生を惑わされた人生。
大体そのような身を隠しさなければいけないようになったら、不運な人生を送ることなるって思ってたし、そういう人が大半だろうなって考えてた。でも、この映画には、フェンシングを通して素敵な出会いがあった…。

しかも、実話。
mimu

mimuの感想・評価

3.6
終始落ち着いた、旧ソ連の支配下という雰囲気が漂っていた。子供達の控えめな、でも無垢で無邪気な演技が良かった。
主人公の背後からのカメラワークが多いんだけど、その背中がまるでその当時の国や人々の哀しみや悲痛を背負っているようだった。
いい映画。
ベン・アフレックを知的にした感じの主演の俳優がいい。
子どもたちがいい。
色々な背景の中で感じ、育っている子どもたち。
父がいない家庭が多い中での先生への思慕。
村の色と景色がいい。
セーターの編み込みがたまらない。
泣けてさわやかな気持ちになる、良作。
takumi

takumiの感想・評価

4.4
ソ連の圧政下、ソ連警察に追われる身になった主人公が、フェンシングを通して子ども達と心を通わせるというストーリー。実話をもとにしたお話。

子どもが苦手な主人公がだんだんと慕われていく過程や恋愛などを、セリフでベラベラ語らず、静かに表現していくのが観ていて心地良かった。子役の子達の純粋な演技も素晴らしい。ラスト、主人公が見せる勇気と優しさにはやはり感動させられます。

周りの人を信用できない時代を感じさせるシーンと、主人公を支える友人や恋人の対比もまた良かったです。エストニアの歴史、正直全然知らなかったので勉強にもなります。こんな時代に産まれなくて良かったな…と思ってしまいました。

フェンシングを題材にした映画は珍しいと思うので、フェンシングのシーンは新鮮でした。綺麗なんだけどどこか暗さを感じさせる映像も良かったです。

決して派手さはないけどじんわりと心に響いてくる、静かで美しい映画でした。おすすめです。
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