●Playground/校庭(2021年ベルギー。マヤ・ヴァンデルベック)
〈ここは,わたしたちの世界〉
【レビュー】
“世界”と書いて“すべて”と読む。
なんというか──観ている間中,苦しい…
あった。ありましたわこういうの。
なんか大人になってすっかり忘れてたけど、忘れられてたことが不思議なほどの体感。
甦ってきたリアルさに胃が焼けつく感じよ。
あの頃、休み時間をどう過ごすかって、恐ろ…
ベルギー作品は初めて観るかも、フィクションだと分かっててもこどもの自然な演技や表情がリアルで、学校という閉ざされた空間が醸し出す閉塞感が重々しく、いじめの描写がより鮮明に写った。
校庭という狭い世…
ぼやけた背景にズームアップされたカメラ、否応なしに彼女に感情移入させられ、到底客観視などできない。
そして、彼女、彼のリアリティに息が苦しくなる。
平均台の不安定さ。
弱いものを、さらに弱いものが…
子供たちの世界(Un Monde)にとって、大人は《反則》なんだ。
学校という環境は、教師や親といった大人の管理下にあるようでありながら、子供たち独自の秩序が息づいている。大人の目が届かない場所、…
大人の事情は一切語られないどころか、イジメにあっている兄の心情までも語られず、終始圧迫感のある被写界深度の高さと画角の狭さにクラクラします。
加えて背後から捉えたようなカメラワークは、どなたかが「子…
小さな世界
初めてが詰まった「小学校」という環境。
兄を助けたいという当たり前に浮かぶ感情と目の当たりにするジレンマ。
見ないようにしたり、周囲に溶け込むための手段・判断の生々しさにぅうっとなりな…
子供の世界のヒエラルキーや残酷さを描き切った作品。
小学校に入学したノラは不安な気持ちでいっぱいで
兄だけが頼りだった。
カメラは常にノラの視線で子供の世界を描いている。
ノラの背中越しの映像が多く…
©2021 Dragons Films/ Lunanime