全線の作品情報・感想・評価

「全線」に投稿された感想・評価

農業集団化の実態を伝えているか否かはともかく、映像の力は凄い。牛乳分離器を睨み付ける農民たちの恐ろしい表情をとらえたクロースアップ。製乳工場のレーン、草刈機の刃、トラクターのシリンダーなど機械の威力・速度を表現するショットの数々が超カッコいい。鉄の鈍い輝き!トラクターがたくさんの犂を連結して斜面を牽引して見せるシーンも、実に明快かつ力強い
床ずれ

床ずれの感想・評価

3.5
回転しながら殺されてゆく豚と、地平線から上昇してゆく牛と、よだれ垂らす羊がdope
エイゼンシュテイン 「全線 古きものと新しきもの」怪物的な映画。90年前なのに現代の映画、テレビ、CMのほとんどの技法とアイデアがすでにある。BGMも今でも通用する。90分ひたすらしゅげえ…と口を開けながら見ていた。
シリアスなシーンもいいしリリカルも抜群さらにユーモアもある。牛が花嫁衣装とかうまそうな養豚の豚を可愛い豚の人形モンタージュとか壊れたトラクター修理に女の服ちぎって使うとか。教会批判でミサの溶けたロウソクに間抜けなヨダレ垂らすロバのヨダレとか。いちいち抜群にセンスいいし現代的なのよ。
しかもこの映画は集団農場化の歴然たるプロパガンダ映画なんだけどまさにその時代実際には富農絶滅政策で1000万人が餓死してたわけで、それもまた凄まじい。これほどの大虐殺を正当化したプロパガンダ映画はナチスにすらない。
ほし

ほしの感想・評価

3.5
どうと言われると困るが、他に比べてショットを撮ることに力が入っている気がする。

「共産主義へ前進!」
ぴこ

ぴこの感想・評価

4.0
今まで見たエイゼンシュテインの作品の中では一番美しいイメージだった。
ソビエトというイデオロギーを超えて弁証法というイデアへ。
面白い。前時代的な農法で苦しんでた農民(ババァ)が主役で、彼女が共同農業の必要性を訴え変革してく話なのだが、そんなことより画面が相変わらず強烈。
精乳機が本当にミルクを作るのか?のシーンの執拗な溜めの演出に笑えた。

そういえばエイゼンシュテインってよく溜める。
結婚式で奥から花嫁が出てくるのを待つシーンでも、花嫁の替わりに赤ちゃんやネコをだすことで焦らし、結局最後まで出さなかった。(牛に花嫁の格好をさせて出したのには引いた(笑))

ババァの夢で空に巨大な牛の像が表れるとこがいちばんすきっすかね。