マシュー・ボーン IN CINEMA/ロミオとジュリエットの作品情報・感想・評価 - 3ページ目

「マシュー・ボーン IN CINEMA/ロミオとジュリエット」に投稿された感想・評価

いの

いのの感想・評価

4.0
なんだか全然よくわからないままに衝動的に気づいたら映画館に行ってしまっていた。なぜかマシューボーンへと向かっちゃった。(その理由はあとになってから気づいた)


ロミオとジュリエットが恋におちた瞬間。そこからの狂おしいまでの愛。愛することの歓びが全身全霊でもって表現される。デレデレと、いちゃいちゃと、とろけそうなフワフワと、実際とろけちゃってる瞳と、隠そうにも隠しきれない歓びと。超超一流のダンサーによってそれが表現されるのだ。もうそれだけで、観に行って良かった。あゝ、何回でも観たい。


そしてそこからの悲劇
(でも、不穏さは始まりから)


差別についての問題提起もされているようにも感じ、誰かを悲劇に追いやったうえで、自分が幸せになることなどできないのだとも感じた。世界ぜんたいが幸福にならない限り~、って宮澤賢治の言葉を思い出したりもして。とにかく今は、あのメロディが頭から離れない。
わ、わたしの知ってるロミジュリじゃないけど、でも確実にロミジュリ!という、マシュー・ボーンらしい解釈に溢れた作品でした。
恋愛にうつつを抜かしてお互いしか見えてない愚かな感じが出ててすごく良かった!
ティボルトはサイコー。体格からしてヴィラン。美しすぎ。マキューシオはロミオよりも魅力的。正直彼ピッピと永遠にイチャイチャしててほしかった。

バルコニーのシーン(バルコニーじゃないけど)は、あんなずっとチューしたまま踊れるのか、ダンサーってすごいわと感心した。けど、チューより、その前の段階の頭を首もとに擦り付けながら二人で踊って、お、チューまだか?まだせんのか?っていうくらいの方が滴る感じがして個人的は好きでした。


カーテンコールのとき血みどろのロミオとジュリエットがニコニコしながら出てくるのが若干ホラーで、それもまたヨシ。
mera

meraの感想・評価

4.0

このレビューはネタバレを含みます

マシュー・ボーン作品なので、振り付けの随所に見応えあり。ずっとキスしながら踊るところとか。

2018年の来日公演『シンデレラ』でリアム・ムーアとWキャストで天使役をやっていて注目したパリス・フィッツパトリックも華があって、今ならではかも? と思わせるほど初々しく若々しいスタイルのロミオでとても良かった。

なのですが、反抗心ある若者たちの矯正施設で恐怖政治を強いている看守のティボルトにレイプされたことがトラウマになってしまい、真実の愛すらも悲劇に変えてしまうジュリエットの傷が生々しすぎて、バレエを楽しむよりそちらに気持ちが持っていかれてしまった。ロミオもネグレストを受けているし。

毒親育ちの人は覚悟して観ないとちょっとキツいかも。

原作も悲劇なので、まさにこれこそ現代の悲劇なので、さすがマシュー・ボーン。

重かった。
Soseki

Sosekiの感想・評価

3.8
もはやロミオとジュリエットではない。しかし、管理される若者の鬱憤とか、仲間意識とか、一目惚れの瞬間とか、エネルギーを持て余している感じとか、そういう「若さ」はすごく伝わってきた。
そして、自由な読み替えとしてみると、寮母やマキューシオのキャラクターもよく考えられているし、ティボルトの殺害までは単純にうまいな!という感想だったが、そこから先が失速…二人を死なせるために無理やり持っていった感が否めず。

プロコフィエフの音楽も順番場面無視して使用していた。ただ、バルコニーの場面はそのまま、振付もマクミランをリスペクトしたようなもので、素敵な場面に仕上がっていた(ダンサーは大変そう)。
マクミランは偉大だ。
Mytyl

Mytylの感想・評価

4.0
堪えきれない溢れ出す想いを表現する身体がすごくパーソナルで良かった。
何がロミオとジュリエットたるのか?というのはマシューボーンのバレエ解釈においてこの作品以外にも言えることだけど、他者がいても孤独な状況だったり、狂気の見せ方だったり、そういうところなんだろうか。
誰もがストーリーを知ってるからこその野心的な翻案。若人の恋を妨げるのは家ではなく(それを拡大した)大人。

年若の子を庇う形でティボルトに目をつけられ執着されるジュリエット、という設定は個人的につらいものがある。
椅子を使った力強いダンスからの導入。くちづけしたままの長いパドドゥ。純愛が強調されがちなロミジュリだが今作では身体から先に引き寄せられる感じが逆にリアルで清々しく思えた。それで余計ラストが重くなるんだけども。

音楽はかなり手を入れてある?より軽やかに、よりビート強めに。
paoniaco

paoniacoの感想・評価

2.5
2020-49
う~ん、原曲を切り刻んでいて。それはそれで意味があるのでしょうが。
ラウぺ

ラウぺの感想・評価

3.8
お馴染みのシェイクスピアの戯曲を題材としたセルゲイ・プロコフィエフのバレエをマシュー・ボーンが新解釈したものを映像化。
舞台は近未来、反抗的な若者を収容し矯正する施設「ヴェローナ・インスティチュート」。男女は別々に収容し、交流も限られるなか、看守のティボルトはジュリエットを独り占めすべく、強引に小部屋に連れ込んだりしていた。そこに両親に連れてこられたロミオが入所してくる。所内のダンスパーティーで知り合った二人はたちまち恋仲になるが・・・

オリジナルの全曲版は2時間半ほどの演奏時間ですが、本作の上映時間は約90分。
冒頭の音楽も全曲版のイントロダクションとは違い、冒頭からあの有名なテーマ。
モンタギューとキャピュレット、あるいはジェッツとシャークスのようなグループの対立はない代わりに、抑圧された若者の体制に対する反抗心をシンボリックに描くことで、オリジナルの要素を大胆に改編し、刈り込んだ時間の中にストレートにメッセージを織り込んでいきます。

オリジナルでティボルトと対決するマキューシオは今回ゲイの入所者として描かれ、思いがけない悲劇に見舞われます。
そのことがきっかけでロミオとジュリエットに悲劇的結末をもたらすのですが、物語が悲劇へとなだれ込む展開はシンプルなだけに大きなインパクトを残します。
その中で二人の恋の描写のなんと妖艶で、美しいことか。
想像を超えた状況でバルコニーの場面も用意され、シンプルなセットを縦横無尽に使い切り、文字通りあっという間にクライマックスを迎えます。
驚きのクライマックスでも二人の迎える悲劇に思わず涙してしまうのです。

ロミオとジュリエット以外にも狂暴なティボルトの踊り、入所の男女のメリハリの効いた群舞など、どこを切っても見事というほかありません。
プロコフィエフの音楽は抒情的な部分が大幅にカットされ、ワイルドでエキサイティングな音楽が前面に出ることで近未来のイメージが強調された演出となっていますが、このスピード感溢れる演出には似つかわしいと感じました。
tomomo

tomomoの感想・評価

4.5
良かった~!

近未来のロミジュリ。
解釈が!想像を越えてくるんですよね。
すばらしい!
人間の身体はこんなにも美しいかな。
tarupon

taruponの感想・評価

4.3
自粛明け、ひさびさの映画館での作品でした。
舞台でもバレエでもみているけれど(直近だとロイヤルの映画版をみたけれど)、こんなロミジュリは初めて。
時代や設定をいろいろ動かすのは、マシューボーンでは通常運転であるけれど、これはかなり大胆な変更。それでも、ロミジュリならではの大人のエゴに踏みにじられる10代の慟哭、10代ならではの瑞々しさや直情といったテーマは十分に伝わるものに仕上がっている。
現代を意識しての大人からの理不尽という設定だからこそ、反抗的な若者を収容する矯正施設であり、自分の意思を強く持ったジュリエットであり、自分に都合のよい子ども像を求める親(ロミオの両親)といった形で描かれている。
すごくシンプルな舞台美術と衣装が効いていて、肉体のしなやかさと、ダンスのパワーを感じさせる。
そぎ落とされた中での、バルコニーの場面でのロミオとジュリエットの踊り、そして最後ジュリエットが現実と幻覚の中で追い詰められ結末にいたる2人のダンスが色気もありつつ清廉さ真摯さを併せ持っている。
群舞も、それぞれのキャラが感じられる構成になっている。
そして、プロコフィエフがこんなに現代音楽だと感じられたことも新鮮だった。

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