無機質で空間的なカットが造る静謐な世界の中で、揺れ動く動乱の社会と娘を想う母の眼差しが熱を帯びていた。
良い余韻だ…
こういうガチャガチャしていない、モノクロームの中でうねるような力のある作品は大…
ペルーに蔓延る乳児売買の闇を、実話を基に鋭く描いた作品。
困窮し混乱する社会情勢と、それに伴って生まれる闇のビジネス。
そしてその被害に遭う、社会の周縁の人々。
社会全体の問題として真摯に見つめ…
ペルーのというだけで、すでに興味をそそられた。それも、この映画は1988年が舞台で、社会から置き去りにされているアンデスの先住民ケチュア族の女性ヘオルヒナ(Pamela Mendoza)が出産した子…
>>続きを読むほんの30数年前の史実に基づく。
「A産院はご飯が美味しい」
とか
「Bは個室でも全額保険で賄える」
なんて
情報を先輩ママから収集して
私が安全な出産に臨んだのは
この作品の主人公より5年も前の…
このレビューはネタバレを含みます
「法」や「権利」が卑劣漢の武器となり、弱者からの搾取を正当化させる。
貧困があらゆる人権を剥奪させ、当たり前の幸せをも許さない。
『殺人の追憶』や『ゾディアック』を想起させる、混迷する社会の闇に斬…
世の理不尽に観ていて辛い場面も多かったが、それでも自分から行動するヘオルヒナの姿が一抹の救いだった。観客に委ねるような終わり方も合っていて好きだった。
日本語字幕を担当された比嘉世津子さんによる解…
出産時抱くこともできず奪われた娘を探すヘオルヒナ。メリーナ・レオン監督の記憶にある1988年のペルーが陰影深い美しいモノクロ映像で描かれアクチュアルで普遍性のある問題も語られる素晴らしい作品。字幕担…
>>続きを読むⓒLuxbox-Cancion Sin Nombre