二階のあの子の作品情報・感想・評価

「二階のあの子」に投稿された感想・評価

レク

レクの感想・評価

3.4
小川深彩 短編3本立て2本目。
祖母の家の二階に住むあの子の存在。
小川監督本人曰く、これはホラーではなくダークファンタジーらしい。

フィクションだからこそ描ける少女と少女の邂逅、演出はちゃんとホラーながら悲しみの中にほっこりする沖縄らしい暖かさを感じる。
KUBO

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4.0
【二階のあの子】

田辺・弁慶映画祭セレクション、小川深彩3days。

SNSで毎日健気に自作のチラシを配り続ける美少女に目が止まり、「この娘がホラーを撮る?」というギャップに惹かれて普段は行かないレイトショーへ。

短編3本立ての2本目。これが最新作らしいのだが、私はこの『二階のあの子』好きでした〜。

ちょっとの間、お世話になるおばあの家で、誰もいないはずの二階から足音が聞こえてくる。おばあは時々「マリコ」という知らない女の子の名前を呼ぶようになり、気になって仕方のないシオリは「絶対に行ってはいけないよ」と言われていた「二階」に上がってしまう。

私は毎夏沖縄に行くので、旧盆の時に放送される『オキナワノコワイハナシ』が大好きなんだけど、このお話はそれに近い趣。

監督の小川深彩さんは、『琉球トラウマナイト』に出演したり監督もしていた方なので、沖縄の、身近に霊がいてこっちの世界と繋がるような雰囲気を上手く作品に活かしている。

また感心したのは、Jホラーお決まりの突然のデカい音や、白塗りの子供なんて出てこないこと。この人はイージーなホラーを作る気はない。

マリコが見えているのはおばあちゃんとシオリだけっていうところもいい。霊が見えるのは、純粋な子供と惚けてても心にマリコが住んでるおばあだけなのかな?

マリコのお母さんは出てこないけど、なんか裏設定とかあったのだろうか?

初期の『オキナワノコワイハナシ』みたいな、霊がすぐ側にいるけどなんか温かい感じ? こういうの好きです。
KOUSAKA

KOUSAKAの感想・評価

4.0
テアトル新宿、【弁セレ2021】小川深彩監督DAYにて『偽神』『はじめての夏』との併映で鑑賞。

『偽神』もそうでしたが、まず沖縄発のホラー映画ということ自体が斬新でしたし、実は「ローカル」こそが「ワールドワイド」になり得ると思っている個人的な持論を証明してくれたような喜びもありました😊

本来見えないはずのものが見えていること。そんな摩訶不思議な世界観を決して拒絶することなく、むしろ全面的に肯定するようなおおらかさと、それを肯定する事で初めて生まれ得る美しさや優しさこそが、この作品の軸となっているように感じました。

「良い映画」って、必ず「良い場所」が映ってると思うんですが、今作においては、何度も登場するあの野原なんだと思います。あのだだっ広い野原で生まれたものの豊潤さたるや・・とても言葉では言い尽くせません😭

そんな言葉では言い表せないようなものが映っていることこそが、映画という芸術の本質そのものだと思います。そんな大きいテーマを語りたくなるほど、この『二階のあの子』は傑作です。

なんと、まだ20歳そこそこの小川深彩監督、マジで天才😵
最新作だそうで、尺も一番長い49分。
シングルマザーが仕事を探す間、おばあちゃんの家に居候する少女は、家の二階に住む存在しないはずの“友だち”と出会う。
子どもたちとおばあちゃん、フォークロアな香りがリリカルで、個人的にはこれが一番好み。
ちょっと切ない、子どもたちのかけがえの無い時間に、最後はうるっと来た。
小川監督作は、本作を含む全ての作品が沖縄で撮影され、広がりのある情景と独特の文化がいいスパイス。
子どもの演技がナチュラルなのも驚かされた。
この辺りは自らも演者の経験がある強みか。
作品毎に洗練されて来ているのも明らかで、二十歳にしてこれだけ充実したフィルモグラフィーを持っているのは凄い。
今後の活躍が楽しみな才能。
失礼。
『偽神』の方にまとめて書いてしまったため、こちらにも再掲。

『偽神』を始めとする3作品上映を鑑賞。
年齢に関係なく、既に一貫したテーマや作家性を発揮している点で瞠目に値する。

実は目を見張ったのは2本目に上映された『2階のあの子』で、「ホラー」とジャンル的に括るのは勿体ないほど。

無論予算や役者の練度など、至らぬ箇所は多々あれど、『偽神』より明らかに腕の上がった編集技術、異界と隣り合わせという沖縄の風土が、確かに伝わってきた。

沖縄の風土や異界との繋がり、悲しみなどを通じて、日本版『ヘレディタリー』の様な作品も、いつか撮ってくれるに違いない。
田辺・弁慶映画祭セレクション2021で「偽神」と併映するために小川深彩監督が撮り下ろした最新作からは、監督の地元である沖縄の自然や地域性が伝わってくる。
本作では、母親が仕事を探す間、おばあちゃんの家に引っ越してきた未だ幼い女の子の詩織が体験する不思議で、ちょっと切ない物語が展開する。
詩織はおばちゃんの家に引っ越してから暫くして、誰も住んでいない筈の二階から足音が聞こえ、確める為、或る日詩織は意を決して階段を上っていく。
タイトルから分かるように、詩織は二階で同じ位の歳のミステリアスな女の子マリコと遭遇する。
初めはマリコの持つ“雰囲気”に気圧されていた詩織だったが、おばちゃんの勧めで少しずつ打ち解け、一緒に遊ぶようになっていく。
そして遊ぶようになってから少しずつ分かるマリコのプロフィール、何故いいつもパペット人形を左手にしているのか、母親の存在は、詩織のおばあちゃんとの関係は、これらの謎が終盤の或るポイントから一気に紐解かれていく。
物語の最後には、我々にとってノスタルジーと切なさを覚えるシーンが待っています。
小川深彩さんの「偽神」「はじめの夏」とこの最新作を観て、弱冠20歳とはいえ、監督としてスタイルが確立されつつあるように感じられる。
そのホラーテイストの作品スタイルには、「キリスト教」「親子愛」「沖縄」という要素に加え、本作にある「独居老人」「いじめ」のような社会性を然り気無く加味していて、今後どのような映画を撮っていくのか楽しみだ。

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