踊る猫

踊る猫

基準点は 3.8 点

セブンス・コンチネント(1989年製作の映画)

3.9

一家が有り触れた日常生活を送る。そしてある日一家は心中する。それだけのこと……と書くと語弊があるだろうが、そういう映画だ。ミヒャエル・ハネケ作品は『ファニーゲーム』程度しか観ていないので何処までこの単>>続きを読む

ばしゃ馬さんとビッグマウス(2013年製作の映画)

4.3

個人的に人生の曲がり角に立った時に観てしまったことと、あとは麻生久美子氏の頑張りで本来なら 4.0 点のところを加点してしまうことになった。いや、幾らなんでも登場人物が良い暮らしし過ぎだろう! もっと>>続きを読む

野いちご(1957年製作の映画)

3.8

初イングマール・ベルイマン。人生に迷った時にオススメと言われたので観てみたのだけれど、それほど話のスケールが大きくないせいかこじんまりと纏まった、悪く言えば無難、良く言えばミニマルな作品だなという印象>>続きを読む

恋人たち(2015年製作の映画)

4.5

このテの作品はスロースターター、つまり序盤が退屈だと相場が決まっている。だから覚悟して観たのだけれどやはり序盤のかったるさがキツい。後半の怒涛の展開に至るまでの伏線があちらこちらに張り巡らされているの>>続きを読む

EUREKA ユリイカ(2000年製作の映画)

4.8

三度目の鑑賞になったのだけれど、やはりこの映画は傑作ではないかという疑問は確信に変わった。ほぼ三時間半という長尺でありながらムダが殆どなく、多用されるロングショットと長回しがそのままややもすれば閉鎖的>>続きを読む

セリーヌとジュリーは舟でゆく(1974年製作の映画)

4.5

ネタの仕込み段階、つまり序盤の展開が苦痛で観るのを諦めようと何度も思ったのだけれど、飴玉を舐めて彼女たちが過去を幻視するあたりから尻上がりに面白くなって来た。逆に言えば枝葉の部分が前半では多過ぎるので>>続きを読む

ほとりの朔子(2013年製作の映画)

4.3

スジ自体は前半の仕込み段階が退屈でしょうがなかったのだが、それを補って余りあるのは川辺で二階堂ふみ氏が水と戯れる時の輝く光の美しさだろう。私は映像美を楽しむ感性をからっきし持ち合わせていないのだけれど>>続きを読む

ヒミズ(2011年製作の映画)

3.6

どうも園子温氏の世界は極端に振れるところがあるようで、その過剰な表現にはやや辟易しながら観ているのだけれどこの作品も例外ではなかった……もちろん 3.11 を踏まえてのプロットの変更に園監督のメッセー>>続きを読む

ヴィジット(2015年製作の映画)

4.2

良いですね! 失礼ながら最初は「これじゃ『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』の二番煎じだよ……」と思いながら観ていたのだけれど、まさかそういう方向に話を進めるとはと驚かされてから尻上がりに面白くなって、>>続きを読む

残穢 住んではいけない部屋(2016年製作の映画)

3.3

原作は不勉強にして積んだまま未読。印象としては和製ホラー版『ゾディアック』という感じで、あらかじめ解かれるのが不可能な謎に何処まで迫れるのかというサスペンスとしての旨味がこの作品の持ち味なのだろう。つ>>続きを読む

百万円と苦虫女(2008年製作の映画)

3.8

無難に良く出来た映画……それ以外の感想が浮かばないのは、この映画のメッセージ性が今ひとつはっきりしないところからも来るのだろう。家族の不仲を描いたものなのか、ひとりの女の子の成長を描いたものなのか、恋>>続きを読む

言の葉の庭(2013年製作の映画)

3.9

設定としてはあり得ないのだけれど、そこを辛うじて成立させているのは短編であることでそんなアラをさほど目立たせなく感じさせることに成功しているからか。とは言え『秒速5センチメートル』でも思ったことなのだ>>続きを読む

秒速5センチメートル(2007年製作の映画)

3.6

悩んだが、相対的にそんなに点を高くつけられないのは結局のところこの作品のスジの弱さに依るものなのだろうと思う。ひと口で言えば、登場人物たちは淡い思慕を抱く。それらしい恋愛も行う。だが、そこから先がない>>続きを読む

6才のボクが、大人になるまで。(2014年製作の映画)

3.4

同じキャストを使って長い時間撮り続けたその意欲は大いに買いたい。だが、その結果生まれたものは決してメリハリのあるストーリーではなく、退屈な「人生色々あるな」的なものになってしまったことを大いに惜しむ。>>続きを読む

blue(2001年製作の映画)

3.6

最初のうちは観ていて凄くその静謐さが退屈だったのでもっと点を低くさせようと思っていたのだったが、後半から(桐島が遠藤に告白するあたりから)徐々に面白くなって来たので結果的にこの点数になった。実に静謐な>>続きを読む

FOUJITA(2015年製作の映画)

3.1

姫路シネマクラブでの例会で鑑賞。申し訳ないが、映像美にピンと来ない私はこの映画は楽しめそうになかった……暗がりの中で女体が見せる独特のエロティシズムだとか、そういうのを楽しむのが真っ当な映画ファンなの>>続きを読む

ベル&セバスチャン(2013年製作の映画)

4.1

姫路シネマクラブの例会にて鑑賞。ストーリー的には掘り下げが足りずかなり退屈なんだけれど、そこはセバスチャンを演じるフェリックス・ボシュエが天才子役ぶりを発揮していて、愛犬ベルの賢さも加わってこの点数に>>続きを読む

ブラック・レイン(1989年製作の映画)

3.9

いやあ、実にシュールな映画だなあ……脚本の面においてツッコミどころは満載だと思うんだけれど(あんなご都合主義、今では許されないんじゃないか?)、それを補って余りあるのは丁寧に張られた伏線(マイケル・ダ>>続きを読む

セッション(2014年製作の映画)

3.5

悩んだが、どうしても点数が低くなってしまうのは個人的にこうした「スポ根」ものに対する抵抗感故のなのだろう。あとは劇場で観ていれば最後のドラム・ソロが素晴らしく感じられたのかもしれない。低くなった原因は>>続きを読む

殺人ワークショップ(2012年製作の映画)

4.2

冒頭の長回しの暴力沙汰の演技といい、俗に言う「DQN」の暴力といい、もちろん宇野祥平氏のサディスティックな講師役の演技といい、つくづく白石晃士監督の暴力に関する独特の感受性には唸らされる。人間の持つ動>>続きを読む

戦慄怪奇ファイル 超コワすぎ! FILE-02 暗黒奇譚!蛇女の怪(2015年製作の映画)

4.4

監督の意図的なものらしく今回は投稿映像が長めであり、三十八歳無職童貞のおじさんと謎めいた少女の叶わない悲恋にスポットライトが当てられている。『オカルト』といい、白石晃士監督は「底辺」の人間を描かせたら>>続きを読む

スカイ・クロラ The Sky Crawlers(2008年製作の映画)

3.6

終始夢を見ているような不思議な感覚を覚えた。戦闘がそのまま「日常」となってしまった世界は異様ではあるが、それは私たちが生きるのっぺりとした「日常」の写し絵でもあるように感じられたのだ。J・G・バラード>>続きを読む

ミネハハ 秘密の森の少女たち(2005年製作の映画)

2.8

『エコール』と『ピクニック at ハンギング・ロック』と『ブラック・スワン』を足して三で割ったような作品。少女たちというより発育を遂げた女の子たちの閉ざされた楽園が描かれており、同性愛的な関係を盛り込>>続きを読む

戦慄怪奇ファイル 超コワすぎ! FILE-01 恐怖降臨!コックリさん(2015年製作の映画)

4.8

そうなんだよこれなんだよ!! 工藤はこうでなくちゃ!! 最終章であんな展開になったから序盤はどうしても比較対照してしまい、やっぱりパワーダウンしたかな……と思いきや逃げる時はさっさと逃げて、それでいて>>続きを読む

戦慄怪奇ファイル コワすぎ!最終章(2015年製作の映画)

4.5

ド迫力だなあ……それ以上なにを言えと言うのだろう。笑いあり涙あり、ツッコミどころもないわけではないけれど低予算を逆手に取って、俳優の熱演(特に市川を演じた久保山智夏氏!)と想像力の産物だけでここまで持>>続きを読む

ザ・プレイヤー(1992年製作の映画)

3.9

冒頭の八分に及ぶ長回しが見事で、これは俳優陣の演技を巧く引き出しているな、と思わされる。そこから三十分は面白かったのだけれど、どうにもティム・ロビンスが追い詰められて行くところが中途半端というか……ロ>>続きを読む

惑星ソラリス(1972年製作の映画)

4.2

ハリーを演じるナタリア・ボンダルチュクの佇まいが美しい。原作は遠い昔に一度読んだことがあるのだけれど、作品を構成する重要な要素である「ロマンス」を、つまり悲恋を表現することに成功していると思う。そして>>続きを読む

エコール(2004年製作の映画)

3.4

閉鎖的な学校の正体をめぐる謎解きを期待して途中まで観たのだが……この映画はむしろそんな「謎解き」ではなく、少女たちの美しさを何処まで真に迫って描写するかに焦点が絞られているように思う。第二次性徴が始ま>>続きを読む

戦慄怪奇ファイル コワすぎ! 史上最恐の劇場版(2014年製作の映画)

4.5

いやあ、見事に設定上の謎というか伏線を回収しているなあ……と溜め息が漏れてしまった。でもこれはもうシリーズのファン向けの作品なので、「劇場版」と銘打たれているからと言ってこの作品を最初に観るのは「絶対>>続きを読む

戦慄怪奇ファイル コワすぎ! 劇場版・序章 新説・四谷怪談 お岩の呪い(2013年製作の映画)

4.2

ここまで来ると、今までの『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!』を観ていない人間にはついて行けないかな。今回はアシスタントの市川が健闘している。ファンなら堪らないだろう。前作で発揮された長時間をワンカットに見>>続きを読む

凶悪(2013年製作の映画)

4.3

二度目の鑑賞。最初に観た時はピエール瀧氏とリリー・フランキー氏の凶悪犯ぶりに呑み込まれてしまい、主人公の母親が要介護状態であることなどは切り捨てるべき枝葉ではないかと思って観たのだけれど、保険金殺人で>>続きを読む

ベルリン・天使の詩(1987年製作の映画)

4.2

十数年ぶりに観たのだけれど、思い出補正が掛かっていたらしくもっと傑作かと思っていたらそうでもなかった。もちろん駄作や愚作の類ではないのだが……天使と人間の恋物語として語るなら、削ろうと思えば削ってスッ>>続きを読む

ピクニックatハンギング・ロック(1975年製作の映画)

3.7

ソフィア・コッポラ『ヴァージン・スーサイズ』に雰囲気が似ていると聞いて興味を持って観た。なるほど最初の三十分は女の子たちだけの園が持ち得る甘美な雰囲気、幻想的な空気に満ちていて観ていて楽しい。だけれど>>続きを読む

教授と美女(1941年製作の映画)

3.9

ハワード・ホークスの映画は不勉強にしてこれが初めて。スクリューボール・コメディ、と言うのだろうか。脚本にエルンスト・ルビッチから影響を受けたビリー・ワイルダーが参加していることもあって、ルビッチ風の細>>続きを読む

ノスタルジア(1983年製作の映画)

4.1

実に手強い映画だった。スジは Wikipedia を読んでようやく把握したという情けなさを露呈してしまうのだけれど、この映画のキモはそんな「スジ」の面白さではなく、例えばクラシカル・ミュージックが流れ>>続きを読む

お早よう(1959年製作の映画)

2.9

『東京物語』に続いて二作目の小津安二郎映画。小津と私は相性が悪いのか、イマイチのめり込めなかった……子どもたちの愛くるしさは伝わって来るのだけれど、下ネタが入っていることもあるのか、それともストーリー>>続きを読む