老年期に、自身の過去を振り返るように空虚さに気づいていくという話であれば、なにもベルイマンをまつまでもなく、チャールズ・ディケンズ(1812-1870年)の『クリスマス・キャロル』などにも原型があり…
>>続きを読むレビューや雰囲気で苦手と決めつけていたイングマール・ベルイマン監督の作品を初鑑賞。
老いと孤独への恐怖を感じている老人に主軸を当てた本作。
老いた時に自分は人生で何を成し得たのかと恐らく考えるので…
現実と非現実が溶け合いながら、1日の出来事がそのまま老人にとっての人生の走馬灯のように構成される。ベルイマンの手法そのものなのだろう。
死別した妻とのショッキングな事実の数々。初めから人生に倦んでい…
夢や回想の描写だけでなく、傍らの登場人物すらも主人公の人生観を知れる糸口となっており、語りの巧さに感心する。孤高な生き方にも他者からの愛や承認は必要であり、それらの折り合いをつけるのが生きることだと…
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