私の中のもうひとりの私の作品情報・感想・評価

「私の中のもうひとりの私」に投稿された感想・評価

白

白の感想・評価

3.5
無意識の内に潜在していた自己否定と惰性に無抵抗な態度。それらが悪意を込めて象徴的に外在化された分身としての彼女。希望に対する諦感が顕現し、顧みるという行為が却って過去を、未来を、現存する今を暗くする。Gymnopediesとmahler symphony 4が醸す儘ならなさが、劇的に展開する物語のテンポを一々落ち着かせようとする。
「歴史家にも過去を振り返ってはいけないときがある。」
ウディ・アレンらしくないと思った。
しかしこれがまた意外性溢れていて良かった。

ウディ・アレン監督のイメージを払拭してくれた思い出があります。
台詞だったり、その台詞のラッシュもあったり、気配をひとつ残らずとまではいかないけれど、やはり驚きのほうが大きかった。

凄い監督だなと、改めて思う。
ウディ・アレンのインテリアから始まるシリアス路線の作品。
終始、主人公が懊悩する物語だ。このずっと悶える姿は観るものに無いはずの付き物を見出させてしまう程だ。だが、そこにはどこか可笑しみがあるのがウディ・アレンの為せる技だろう。
おぉ、ウディアレンこのパターンもあるのか、凄く好き。というか、いい映画だった。マッチポイントと色調やシリアスさが似ている。もっとポップに現代アレンジしたのがブルージャスミンか。ブルージャスミンよりこっちの方が深度が高い気がする。素晴らしい。

空虚さ、本当に共感してしまう。。自分から見た自分と、他人から見た自分。他人から見た自分があながち間違ってなくてそれが本当の姿かもしれない、て最近よく思うから、タイムリーだったこともあり、とても心に響いた。

またしてもウディアレンはなぜこうも全ての台詞に意味や必要さを感じられるんだろう。不思議だ。親友になりたい。

音楽は、ファ#ラソファ#ド#シド#レラーの超有名曲(なんだっけ曲名笑)がマッチしていた。いつものジャズと違い、クラシック寄り。
chamama

chamamaの感想・評価

4.0
20年前に観た映画。当時の感想に、幸せになるためには頭が良かったりお金があったりとか全く関係ない。感情が豊かで思いやりや愛情が全てだとこの映画を観て感じた…と書いてあるが、今はどう思うのだろうか。ちょっと疑問に感じるので、機会があればまた観てみたい。
R

Rの感想・評価

4.2
今年で50歳を迎えるマリオンは、大学で哲学の教鞭をとり、その傍ら執筆活動もしてて、キャリア的にはかなりの成功を修めているニューヨーカー。彼女には不倫の恋から発展し結婚した夫がいて、結婚記念日がそろそろやって来る。そんな彼女が、仕事に専念するために借りたアパートメントで、新しい本を執筆していると、通気口から隣室の声がはっきりと聞こえてくる。それは、精神分析医と患者のセラピーのセッションだった。悲嘆にくれた女の話す内容に思わず耳を傾けることで、マリオンは彼女のこれまでの人生とその結果に対峙することを迫られる。という話で、彼女の過去、現在、記憶、夢、現実、願望をシームレスに行きつ戻りつし、欲望と感情をうまくコントロールしてきたはずの自らの人生が、果てしない空虚に行き着いてしまったことを悟り、戦慄するプロセスが淡々と描かれていく。ウッディアレンの映画って大体がへそ曲がりでへ理屈くさくて、基本そんなに好きじゃないんやけど、本作はそんな彼の他の映画とは一線を画す、人間の深層心理に迫るエモーショナルなドラマになってて、静かな緊張感を孕んだ演出の仕方が非常に興味深い。てか、全体的にものすごくベルイマン的。ナレーションの入れ方とか、シーンの移行の仕方、それぞれのシーンの演出、あらゆるものがベルイマン的としか言いようのない雰囲気で、カメラマンすらベルイマン組のニクヴィスト…内容はほぼ野いちごやん。というわけで、本作が好きなら野いちごを、野いちごが好きなら本作を、是非ともオススメしたいと思います。ただ、野いちごより本作の方がダークでヘビー。たとえ自分の夢を叶え、したかったことを全てしきたとはいえ、初老を超え、いろんな人間関係が実はうまく噛み合っていなかったことに気づき、もはややり直しがきかないと気づく。その深い悔恨とは、これほど痛々しく、残酷なものか。人間は、意識的にせよ無意識的にせよ、自分が人生においてしてきた選択のすべての結果を、数十年後に、自分たった一人で背負うことを運命づけられた存在である。ふと気付いたとき、その結果がまったく不如意なものになってしまっていたとしたら、それでも人間は、残り少ない人生の時間を、希望を胸に生きることができるだろうか。これは、本作が我々に問いかける大きな問題であり、そのひとつの回答を最後に見せてくれている。が、それを見てどう感じるかも、見る人次第なところがあるなと思う。個人的には、常人の道を外れてでも自分の信念と願望に生き、好きな人を好きだと言える、ハッキリクッキリした人生を送っているので、こんなモヤモヤな状況が起こることはないと思われるが、もしいまほど思い切れていなかったら…と考えると、リアルにゾッとする。世の中には、人知れず、こういう問題を抱えて悶々と生きてる人たちがたくさんいることを思うと、何とも言えない気分になってくる。こんなむわむわな気分にさせてくれるってことは優れた映画なんだろうと思う。全編、永く記憶に残るであろう印象的なシーンばかりだし、主演のジーナローランズはキャリアの中でも最高の演技なのではないでしょうか。あんま見てないけど笑 表情が素晴らしいし、喋り方めちゃめちゃいい。特に終盤の演技は神ががってる! またゆっくり見たい!
もた

もたの感想・評価

3.9
ウディアレンのベルイマン路線の作品はあまり好きではない気がしていたけど、ウディアレンお馴染みの恋愛観どっぷりなテーマに、コメディではなくノスタルジックな情緒を盛り込んだうえで、しっかりと形にしている
ジーナローランズの演技ももちろんいいですが
ウディアレンのノスタルジーの感覚が好きだと感じた
ということで、もういちど『アニーホール』も観てみようと思います
なお

なおの感想・評価

3.5
50歳に差し掛かった主人公が隣室から漏れ聞こえる妊婦のカウンセリングの話を聞いて、自分の人生を見つめ直す。
自分は人を傷つけてないつもりでも、いつの間にか相手を傷つけてるかもしれない。本音はなかなか他人は言わないので本人には悪気はないから気付きようがない、言われて初めて気付き、そんなつもりはなかったのにとショックを受け落ち込み後悔。
スッキリするようでモヤモヤ感も。人間関係って難しい。ラストあたりのミア•ファローのセリフは主人公にはキツイけど説得力がある。
主人公が見る夢や回想もあり、とても考えさせられる映画でした。
ウディ・アレン監督はコメディでもシリアスドラマでも良い作品を作り上げますね。素晴らしいと思います。
本作はシリアスドラマであり、主人公演じたのはジーナ・ローランズ。脇役陣もジーン・ハックマン、ミア・ファローなど豪華キャストとなってます。ジーナ・ローランズ演じたのは50歳を迎えた大学教授の役です。地位的にも人生の成功者と言える思いますが、人生はそんな単純なものではありません。どのような人にも悔恨していることがあり、色んなものを背負いながら生きてることが描写されていて面白いのです。
人が年をとったときの悲哀は共鳴できるものがあり、ある程度の人生経験をお持ちの方ほど楽しめるはずです。
アレン監督が人生のほろ苦さを描写した作品は個人的に非常に好きです。監督が尊敬する巨匠ベルイマン作品のように、理想と現実のギャップが描かれて見応えがあります。アレン監督のほうが、温かみでは優りますが。
主人公が自身の人生を振り返るきっかけとなったのが、若い妊婦でした。多くの女性が通る道であり、人生の感慨を訴えるところが良かったですね。何かを得て何かを失う、人の人生の多種多様さを感じる映画でした。
xacece

xaceceの感想・評価

3.3
ブルージャスミンみたいにお人好しで踏んだり蹴ったりな愛嬌のある女の物語の方が好きだ。ウディも言うように主人公が冷た過ぎる。人生を振り返る年齢に達したらしみじみ見てもいいかな。