黒澤や小津の映画は開幕から30分もするとだいたいの人物の性格や行動原理が掴めてくるのだが、成瀬のそれは最後まで掴みきれないで終幕を迎える。しかしそこに、形式に嵌め込みきれない人間の奔放で身勝手な複雑…
>>続きを読むこのレビューはネタバレを含みます
成瀬映画に三船。
三船かっこええわあ。かっこよすぎて浮いている。
でもそれで良い。
高峰秀子が、映画の中から飛び出してきたような美男子三船敏郎と平々凡々な中肉中背小林桂樹のどちらを選ぶのか、という構…
ただただかっこいい三船が見られる。まさに銀幕に輝きをもたらし、じめっとしたこの話にも爽やかな風が吹く。それだけでお釣りが来る。
『乱れる』の若大将とは違うスマートさが色気と共に。
姑、義兄、そして…
このレビューはネタバレを含みます
「親の心、子知らず」とは良く言ったものだが、本作は「妻の心、夫知らず」といったところだろうか。女の幸せとは何か、ということを追求し続けた成瀬らしい本当に良くできた映画だった。
本作の見どころと言え…
台詞全てが意味を持っていて、他愛ない会話からでさえ、その奥に潜む各々の感情が溢れでてくる。これぞ、成瀬映画の醍醐味だ。
ゆっくりと傾き掛けてゆく生活、夫婦関係が非常に丁寧に描かれていて、妻の方に…
三船があまりにも男前すぎて浮いてるので、シェフのコスプレの加東大介より面白くてわろてしまいました(笑
こりゃ全面的にクズな兄が悪いやろと思いますし、人の恋愛に顔突っ込んで、自分の体裁の為に仲人やり…
当たり障りない話題から突然赤ちゃんまだですの?を皮切りに静電気くらいの軽い絶妙なピリつきが持続する中北千枝子(大変ですわねしょっちゅうお出かけで)とデコさん、薬局飽きたからカフェやりたいって最初から…
>>続きを読む保険屋の真意も長男の解雇も芸者の自殺も全ての理由は周到に描かれず排除されているがその空隙に見えずに詰まっている数々の切り捨てられた感情が蓄積されていくけれど決して崩壊はしない日常。兄の反応を伝えにき…
>>続きを読む・通り雨が降る中、お茶屋で向かい合って座る高峰秀子と三船敏郎
・喜代子(高峰秀子):「うっかり結婚したら大変」
・庭に降り注ぐ雨を写すカットを挟みながら、30秒以上沈黙でぎこちなく視線を交わし合うカ…